聖女様は貧乏性

ぶらっくたいがー

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第26話 聖女様は邪龍を従える

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私の前にいる土下座している銀の髪の幼女。
いったい誰?どうなってるの?
というか、土下座やめて、ほんと

「あの、それで私はこれから皆様にご迷惑をおかけしたことを謝ればよろしいでしょうか?」

…もしかして、あのドラゴン?
そういえば、体が小さくなってそのあと姿が見えないけど…
とにかく、土下座をやめさせないと誤解の素だ

「あなた、あのドラゴンなの?」
「は、はい、そうです聖女様、リンドヴルムです」

この子がドラゴンって言って、皆に信じてもらえるのかな?
信じてもらえなかったら、

幼女に土下座させて無理やり謝らせている私の図になる。

それはまずい。

「許していただけるまで誠心誠意、皆様を傷つけたことを謝ろうかと」
「ちょっと待って、それは中止、とにかく立って」

「ミツキ様…ご無事でしたか、邪龍はいったいどこへ?」

言い訳を考えていると王子が声をかけてくる。
どうしよう、まだ言い訳が思いついていない。

「ワシは見たですじゃ!」

なんか出てきた村の村長っぽいおじいちゃん。

「聖女様が、光を解き放ち邪龍を打ち払うところを!」

まさか、あの『やめて』とか、『もう許して』とか言って、
最後にはもう泣いているだけだったのに
私は無視して、お仕置きを続けていたあの様子を?
この目の前の幼女を痛めつけていたあの場面を?

「恐ろしゅうなって、家の中に逃げ込みましたが、
 最後に聖女様が邪龍を弾き飛ばし
 光で包み込むところをワシは見たですじゃ!」

途中で家の中に入ったのね

「光姫、ところでその子は?」

どうしよう、誤魔化すのも考えたけど
やっぱりやったことは謝らせないとダメだ。

「えっと、リンドヴルムだから…リンちゃん?」
「はい?」
「だから、さっきまでいたドラゴン、ほらリンちゃん、謝って」

私は、皆に、リンちゃんがあのドラゴンであることを説明した。
信じてもらえないかと思ったけど、意外とすんなりと皆信じた。
信じてくれてよかったけど、詐欺とかにだまされそうで心配です。

「皆様を傷つけたこと、大変申し訳なく、
 深く反省をしています、このたびはいかなる処罰でも受ける所存です」
「この子も、こうやって反省しています、
 私からもお願いします、この子を許してあげてください」

一緒になって頭を下げる。
あれ?おかしいな、こんなはずじゃなかったのに。
どうして私も頭を下げているのだろう。

「ミツキ様…しかし、人を食うような化け物を生かしておくわけには」
「あの…私、人を食べたりなんてしません。
 魔力だけで生きていけますし、山を降りてきたのもはじめてなので…」

魔力だけで生きていけるって、どこかで聞いたような話。

「しかし、邪龍リンドヴルムといえば、
 100年ほど前に国を滅ぼしたと言われている邪龍だが…」
「生まれて6年目なので、それは私ではないです」

別人(?)もいるんだ。

「では、どうして我々を襲ってきたのだ?」
「いきなり、切りかかってこられたので…」

そういえば、よく思い出すと、
先制攻撃をしていたのってこっちからだったよね
あれ?やっぱりリンちゃんに無理やり私が謝らせている形になってない?
よし、そのことに気づかれる前に対処しよう。

「聞いたとおり、この子はそんなに悪いことをしていません
 これからは、私がこの子を預かるので、皆さんは安心してください」

安心してくださいっても、安心できるのかな?

「聖女様が預かるなら安心ですじゃ」

村長っぽいおじいちゃん、それでいいのか

「結果として特に被害らしき被害も受けていませんし
 ミツキ様が預かるというのであれば、依存はありません」

王子もいいのか

こうして、私達の旅に、幼女が一名加わったのであった。
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