六眼の王

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第五話 誘拐

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 「ひとまずアジトに着いたな、あのよだれ野郎に気づかれる前に俺らで遊ぶぞ」

「楽しみだ。こんな上玉な女は見たことがねえ。
 あの人が直々に指令を出したわけだ」

「どうせあのよだれ野郎もこの女と遊んでからあのお方に渡すつもりだろうよ。
 俺らには渡ってこねえだろうから今すぐヤるぞ」

リアは紐で縛られており、抵抗もしないまま顔を暗くしている。
これから自分がされる羞恥を予見して。
誰も助けに来ない。
来たとしても勝てるはずがない。
目の前にいる男たちの強さはリア自身が一番よくわかっている。
とっておきのソウル(仲間)ですら一瞬で倒された。
周りには確認できるだけで十数人。
外で警護している者も含めると合計で20人ほどだろうか。
勝ち目はないと分かっていても。
彼らにやられるくらいなら…

「ん!?いつのまに!」

男どもが服を脱ぎ始めていた時、リアは拘束されていた紐を解いて逃げ出していた。
いや、正確に言えば紐をソウルにして従順にしたというべきだろう。

「そいつらを拘束して!!」

リアの言葉で紐たちが自我を持って自ら動き、男たちを縛っていく。

「待てこの女!!」

リアは扉を開き、周りを見渡して階段を見つけると、そこへと走っていく。
警護の男は気づくと階段の下で待機して武器を構える。

「撃つんじゃねえぞ!その女を!!」

リアを捕まえた男が紐を解いてそう叫ぶと、リアに向かって走っていく。

「いい加減舐めた真似すんじゃねえぞ。
 お前をゴブリンの巣や俺が知ってる汚い男どものところに連れてやっても良いん 
 だぞ!」

「私はあなたちの欲のはけ口になるような女じゃない。
 あなた達とは釣り合わないわ!
 いい加減私とあなたたちの価値の違いを理解したらどう?」

強気のリアの挑発に、男はニヤリと笑って答える。

「お前らそいつを好きにしていいぞ」

「キャッ!」

汚らしい服に悪臭漂うデブの男が3人。
リアの手を押さえつけ、ナイフで服を切る。

「やめて!やめてよ!!」

「久しぶりの女だ…しかもこんないい女見たことねえ。
 パイもデけえしスタイルも良い…本当にいいのか?」

「お前らにやるつもりはなかったがよ。
 一番の地獄を味合わせてから俺らがやるよ」

「よくわかってんじゃねえか!!」

露になったリアの下着に男三人は群がり手を伸ばす。
必死に抵抗するリアだが、巨漢の男の前では無力であった。

「おいリア、お前何してんだ?」

空気が凍りついた。
あまりにもこの場には合っていない、気の抜けた声が敷地の全体に響き渡る。
その場違いな声に男三人も動きを止めて、その者を確認する。

「さっきの小僧か!一体どうやってここに来た!?あいつらはどうした!!」

「死んだ」

その瞬間、男三人組が首をはねて死んでいった。
あまりにも突然の出来事に周りは騒然とし、ヤマトの周りには見張りの護衛の仲間も倒れているのがわかった。
ヤマトの体は先ほど付けられた傷がそのままであり、服は真っ赤に染まっている。

「バカだなお前、その傷一人でここに来たのか?」

「リア!お前に聞きたい。
 こいつらはお前の仲間か?」

「違…」

叫ぼうとした瞬間、リアの耳元で男が囁く。

「お前の返答次第で俺たちはお前に危害を加えないことを約束しよう」

ヤマトの体を一目見てもここにいる男たちに勝ち目はない。
ダンジョンで見た強さを目の前で見ても。
賭けるには無謀すぎる…
そう、私は生きなきゃいけない。
どれほどの辱めをこれから受けようが構わない。
改めて今思い知った。
命があればなんだっていい。
死ぬこと以外は怖くない!
だから、、、

「助けて!!!」

その瞬間、ファイヤーボールが男たちを襲う。
今までに見たことのない速さで迫ってくる火の玉を避けることは全員が不可能だった。

「グハッ!くそ!水魔法を使え!!」

「はい!」

水魔法を使えるであろう男が手を天に挙げる。

「どうした!早く出せ!!」

しかし一向に水魔法が発動することはない。

「もう使えねぇよ、」

男たちは倒れていき、リアを捕まえた男だけが生き残る。

「この女だけでも!」

男は剣を鞘から抜き振りかざそうとするが、水魔法「水鉄砲」によって指先から出た小さな水の弾に頭を貫かれ、倒れる。

一連の流れを見たリアは座り込んで漠然と周りを見渡した。

「はぁ~、今日は疲れた!」

ヤマトはリアの近くに行くと、着ていた服をリアに被せて座り、両手をついて
ため息をつく。

「安心しろ、一人で来たわけじゃない。ギルドの応援も呼んでる」

「なんで助けたの…」

「仲間だろ?」

「い、いや…一時的な共闘のつもりだったんだけど」

「そうなのか!?
 じゃあ仲間になってくれないのか!!?」

予想外の発言にヤマトは驚き、それに対してリアは笑みを見せる。

「じゃあ、仲間に…入れてくれる?」

「当たり前だろ。俺は元々そう思ってたし。
 じゃあ、よろしくな」

そう言うとヤマトは背中を壁に付け、窓から空を見上げる。

「ねぇヤマト、あんたの夢は何?」

「ん?夢か?俺はこの世界で一番自由な奴になりてえ」

「自由な奴?」

リアはポカンと口を開けて首を傾げる。

「あぁ!そのためには俺は世界で一番強くなくちゃならねえ。
 俺は******だ!そしていつかよ…」

ヤマトはその後、自分の夢をリアに話した。
無謀で、馬鹿げてて、偉大な夢を


名前 ヤマト
スキル 火魔法LV4 水魔法LV3 土魔法LV2
ダメージ軽減LV3 剣術LV2 身体強化LV3 
体術LV3 魔法軽減LV2  木魔法LV1 
状態異常耐性LV2  敏速LV1
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