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第2
28話
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(まずいまずい!定期的に熱が出る!?そんなの…正にナノニス様の症状じゃないか!お顔をいつも隠されて…あの、倒れられた日しか見ていない。痛ましくて…じっくり見ることが出来なかった。今はどんな状態になっている?クソっ!何やってんだ俺は!とにかく第4隊だ、アイツらに話を聞かないと…傷を負って半年ほど…時間は大丈夫なのか?悠長にしてられなくなった。何としても治してくれる魔法士を見つけ出し、ナノニス様を説得しなければ…いや、最終的には強行手段でも…)
「シュシュル!」
早足のシュシュルに追いつけなかったフワームが走って追いかけて来た。腕をグッと引っ張られてやっと呼ばれていたことに気がついた。
「落ち着けって、そんな討ち入りするみたいな顔して行ったら何かありますって…言ってるようなもんだろ!確かに毒の心配はある。けどその前に身の危険も危惧すべきだ!」
フワームにキツめに怒られてしまった。どうにもシュシュルはナノの事となると見境が無くなるらしい。こんな後先考えられない自分の感情に気付いて驚愕する。
「あ……そう、そうだな…悪い。完全に我を忘れて頭に血が上っていた…」
「まぁいいよ。気持ちは分からなくないから…。いやいや…本気の愛も考えもんだな。なまじ、行動力のある奴の本気度と言ったら…怖いな、お前」
「……前から思っていたが、フワームは俺に恨みでもあるのか?言い方がキツくないか?」
「何言ってんだよ……あの子やあの子がお前の事好きとか…全然気にしてないから、俺は。ナイスボディなお姉さんばかり手を出して来た副団長が子供相手に右往左往してる姿が面白いなんて…ちっとも思ってないぞ」
嘘くさい爽やかな笑顔で言ってのけるフワーム。彼の心にはシュシュルに大して何事がありそうだ。
「いや、それ絶対思ってるやつだろ。お前がモテないのを俺のせいにするな」
「違いますぅ俺だってモテますぅ。第2隊の隊長してるから俺だってモテんですよ!ただ意中の子ばっかり俺のこと見てくれないだけだから」
「…………そうだったのか…悪かったな」
「何かムカつくな…別に全員が全員シュシュルの事好きって訳じゃないからな!………………で?どうだ?落ち着いたか?」
「すまん…自分がここまで激情家だっとは…想定外だ。俺の行動ひとつでナノニス様に危険が及ぶってことは…分かっているんだが…上手く処理できん」
己の不甲斐なさに自己嫌悪してしまう。ナノの為と言っておきながら、ナノを危険に晒すなど間抜けのする事だ。騎士団副団長ともあろうシュシュルが愛に溺れると間抜けに成り下がってしまった。
「毒の事……お話しするつもりか?」
「どうだろう……また絶望してしまうかもしれない…対処法を聞いてからでないと…難しいな」
「うん。第4隊に聞きに行こう…あぁ第4隊か…あそこは荒っぽいんだよなぁ」
「仕方ないだろう。仕事場が王都の外だぞ」
「分かってるんだけどさぁ…第1隊のみならず、第2隊のウチにまで突っかかって来るからさぁ。腕っ節が全ての脳筋野郎が多いじゃないか…苦手だ」
「……まぁ…確かに、ナノニス様に近付けたくない奴等だな」
シュシュルとフワームは時間が惜しいと魔法士の店にまで乗ってきた馬の、繋げている所まで来るとその馬に跨る。シュシュルはやはり気持ちが急いてしまっていたが、フワームは足が重かった。
やはり古城での事件以来魔物の出現率は下がっている。それは王都の外でも同じだった。それ故に何者かが魔物を王都内外に呼んでいたと結論付けられた。
アイーグ国の王都は高い壁で囲まれた都市で東西南北と門がある。この門を出た所を王都の外と呼んでいた。アイーグ国の王都の外は自然が広がる広大な土地だ。王都の近くには町があるが、遠く離れると村や集落などになる。王都近くの町には騎士団が訪れることもあるが、遠く離れると騎士の姿を見ることはない。その王都の外にある町までの巡回をしているのが第4隊である。
「今日は隊長がいるかどうか…」
フワームが呟く。それもそのはず、仕事場が王都の外なのだ。王都の中に駐屯地があるが、殆ど人は出払っている。もぬけの殻という訳では無いが、果たして話が通じる相手が居るかどうかが問題である。しかも、いきなり訪れるのだ。約束をしている訳では無いので居なくても文句は言えない。
「希望は隊長だが…まぁ……誰か捕まえれば知ってるだろ。自分たちの仕事に直接関係することだぞ。幾ら脳筋ばかりの第4隊と言えども命は惜しいだろう?」
「シュシュル…あそこを舐めない方がいい」
真剣な顔でフワームが言う。
「それは……どっちの意味だ?」
「だから、彼奴らの常識と俺たちの常識だよ。命懸けの仕事であるはずの魔物退治…毒なんて相当なリスクだ。キチンとした情報が欲しい、これが当たり前の考え方だ。だが、あそこの奴らは違う…怪我してナンボ、殉職上等、毒を食らうなんざ仕事してる証拠だ。ぐらいに考えてんだよ!頭が変なの、変!同じ騎士とか考えたら駄目だよ!狂ってるヤツらのたまり場が第4隊なんだからなっ」
やけに熱く語るフワームを訝しながらも、やや納得してしまう。第4隊の連中と会う機会があるが、そう思ってしまう雰囲気がある。フワームの意見を頭ごなしに否定できないシュシュルがいた。
「シュシュル!」
早足のシュシュルに追いつけなかったフワームが走って追いかけて来た。腕をグッと引っ張られてやっと呼ばれていたことに気がついた。
「落ち着けって、そんな討ち入りするみたいな顔して行ったら何かありますって…言ってるようなもんだろ!確かに毒の心配はある。けどその前に身の危険も危惧すべきだ!」
フワームにキツめに怒られてしまった。どうにもシュシュルはナノの事となると見境が無くなるらしい。こんな後先考えられない自分の感情に気付いて驚愕する。
「あ……そう、そうだな…悪い。完全に我を忘れて頭に血が上っていた…」
「まぁいいよ。気持ちは分からなくないから…。いやいや…本気の愛も考えもんだな。なまじ、行動力のある奴の本気度と言ったら…怖いな、お前」
「……前から思っていたが、フワームは俺に恨みでもあるのか?言い方がキツくないか?」
「何言ってんだよ……あの子やあの子がお前の事好きとか…全然気にしてないから、俺は。ナイスボディなお姉さんばかり手を出して来た副団長が子供相手に右往左往してる姿が面白いなんて…ちっとも思ってないぞ」
嘘くさい爽やかな笑顔で言ってのけるフワーム。彼の心にはシュシュルに大して何事がありそうだ。
「いや、それ絶対思ってるやつだろ。お前がモテないのを俺のせいにするな」
「違いますぅ俺だってモテますぅ。第2隊の隊長してるから俺だってモテんですよ!ただ意中の子ばっかり俺のこと見てくれないだけだから」
「…………そうだったのか…悪かったな」
「何かムカつくな…別に全員が全員シュシュルの事好きって訳じゃないからな!………………で?どうだ?落ち着いたか?」
「すまん…自分がここまで激情家だっとは…想定外だ。俺の行動ひとつでナノニス様に危険が及ぶってことは…分かっているんだが…上手く処理できん」
己の不甲斐なさに自己嫌悪してしまう。ナノの為と言っておきながら、ナノを危険に晒すなど間抜けのする事だ。騎士団副団長ともあろうシュシュルが愛に溺れると間抜けに成り下がってしまった。
「毒の事……お話しするつもりか?」
「どうだろう……また絶望してしまうかもしれない…対処法を聞いてからでないと…難しいな」
「うん。第4隊に聞きに行こう…あぁ第4隊か…あそこは荒っぽいんだよなぁ」
「仕方ないだろう。仕事場が王都の外だぞ」
「分かってるんだけどさぁ…第1隊のみならず、第2隊のウチにまで突っかかって来るからさぁ。腕っ節が全ての脳筋野郎が多いじゃないか…苦手だ」
「……まぁ…確かに、ナノニス様に近付けたくない奴等だな」
シュシュルとフワームは時間が惜しいと魔法士の店にまで乗ってきた馬の、繋げている所まで来るとその馬に跨る。シュシュルはやはり気持ちが急いてしまっていたが、フワームは足が重かった。
やはり古城での事件以来魔物の出現率は下がっている。それは王都の外でも同じだった。それ故に何者かが魔物を王都内外に呼んでいたと結論付けられた。
アイーグ国の王都は高い壁で囲まれた都市で東西南北と門がある。この門を出た所を王都の外と呼んでいた。アイーグ国の王都の外は自然が広がる広大な土地だ。王都の近くには町があるが、遠く離れると村や集落などになる。王都近くの町には騎士団が訪れることもあるが、遠く離れると騎士の姿を見ることはない。その王都の外にある町までの巡回をしているのが第4隊である。
「今日は隊長がいるかどうか…」
フワームが呟く。それもそのはず、仕事場が王都の外なのだ。王都の中に駐屯地があるが、殆ど人は出払っている。もぬけの殻という訳では無いが、果たして話が通じる相手が居るかどうかが問題である。しかも、いきなり訪れるのだ。約束をしている訳では無いので居なくても文句は言えない。
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「それは……どっちの意味だ?」
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