透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

みんなとの 再会 2

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 花達の チカラか 呼吸か
 空気が軽く、明るく感じる 温室の室内。

賑やかなお茶会会場 
  
   キラキラと舞う みんなの色


  「光」  「希望」

               「若さ」
     「夢」
  
 そして少しの「不安」   

  しかし 圧倒的な「前向きの チカラ」。


ああ きっと これだ。

 あの流れてきていた 「色」の 一部は。

庭園を 横切る途中
何処からか流れてきていた 色

 「重さ」「澱」
 少し曇った光の中でも「違和感」を放っていた それ。

これは 「誰かの想い」か
 「残滓」か 「エネルギー」か

 なにかの 「燻りの痕」なんだな 。


場の空気を一人、静かに観察しながら思う 
今のデヴァイのこと 
 みんなのこと 
  自分の 位置。


「観照者」、それを意識した 少し離れた立ち位置
それを許してくれる環境
すんなりと受け入れてくれる みんな
 外側から聴き 見る 世界の様子。


 ああ でも。
 やっぱり。

 みんな は みんなだった。

 カケラはやっぱり ずっと。

   光ってるんだ 。


この「場」、この「瞬間」に 感謝しつつ
温室の中に舞う、カケラ達の動きとみんなの様子をじっと 目に映していた。

そうしてその 場と瞬間、色を自分の中に留めておきながら。
笑顔で沢山の話を 聞いていたんだ。






「ヨル!」

「久しぶり。」
「えっ、なんだお前、それ。」

「それってどれ?」
「えー、格好?でも素敵だけどね。」
「まあガリアはそう言うよね。」

「えっ、私も良いなぁと思った。」
「意外。」「確かにリュディア、そっちの趣味あった?」

「えっ、そっちってなに。」

「それにしても、なぁ。」
「な。不思議だよな。」

「てか全体的に なにが ???」

全く以って、いつも通りの私たち
わちゃわちゃした再会の、後。

案の定、久しぶりの再会に特に問題は無く
姿形の事や、これまでの移動の経過、みんなの勉強の様子や進み具合など。

それぞれを口々に報告し合った私達は、何故だか似合わぬ様子で給仕をしている極彩色を気に留める事なくお茶会へ突入していた。

 てか なんか 「目立たないまじない」でも
 かけてるのか な ??

こんなに大きく、ガタイが良くて極彩色な。
まじない人形はいないし、何より温室との違和感は凄い。

しかしきっと、みんなには「ヨルだからフィルター」が掛かっていて おかしな事がそこにある事に、慣れているのだろう。


斯くしてニヤつく紫の視線を躱しながらも、私は一人
お喋りをするみんなの横、目立たないテーブルの端に陣取りながら。
全員の顔が見える位置でみんなの話を聞いていたんだ。


 相変わらずの ベオ様
 なんだか少し大人になった ランペトゥーザ
 リュディアはすっかり年長者の雰囲気を醸し出していて
 ガリアとパミールは相変わらず楽しそうだ。

「そう言えば トリルはまだ図書室に籠ってるのだろうか」
そんな事を考えつつも、自分が話の中心にならぬ様 微笑みを浮かべたまま敢えて口を開かぬ私

その様子を感じ取っているみんなは流石だ。

時折小さな質問は流れてくるけれど、凡そ話題はグロッシュラーの事、ここ最近のデヴァイの近況報告で。

みんなが楽しそうにあれこれ話題を投げ合う中、
それに端から「うん」「うん」と相槌を打ちながらも
先程までの「エネルギー」「流れ」「空気」の様なものが気になって

 それが何処から来たのか
 なんなのか
一体 が 「私に伝えようとしているのは なんなのか」
 私はそれを 考えていたんだ。



 「増えたネイア達」 「畑の勢い」
 「風が吹くと色々な影響があること」

 「祈りについて」 「石とガラス」

 「リュディアとシェランのこと」
 「みんなの婚約者の話」
  「デヴァイの女性達」「仕事の話」

 「これから」「どう」 「どんな方法で」

 「繋がるのか」「流通は」

   「ラピス」 「シャット」

 「自分達の 未来の話」。


キラキラとしたカケラ達が舞う 温室の中
沢山の「濃度」「色」「形」「動き」のカケラは様々な反応を示して いる。

とりあえず、みんなの「色」は概ね変わってはいなかった。

 まじないの色は ある意味「力の指標」でもある。

だからそれは、私には あまり関係なくて。

私が思う「みんなの色」は 別にあるのだ。

 ベオグラードは 真っ直ぐな青
 ランペトゥーザは橙がかった 赤
 リュディアは落ち着いた 金茶で
 ガリアは元気なパキッとした赤
 パミールは品のいい緑。

それぞれの「濃さ」「艶感」「勢い」それが概ね「元気」を表す様に、ユラユラと身体に重なり 鮮やかに見えたから。

 うん 良かった  
  見えるね  見える

 やっぱりデヴァイここだからかな ?

 あの 長老達が 集まってた時も はっきり
 見えたし
 やはり「場」としての なにか が
  違うのか

 元々スピリットも いたと言うし
 それはやはり「次元の違い」なのか 。


 でもな 今は 結構。
   ラピスとかも  いいんだ けど な??


そんな事を考えつつも、

 いや 先ずは。
 この カケラ達の動きから だな ??

そう切り替えて視点を変えた。



そうして観察を始めた 目の前を遊ぶカケラ


 光り合うもの

   衝突するもの   逸れるもの

 反するもの   避け 遠くにあるもの

  反応して 染まるもの 染まらず混ざるもの

   混濁して濁るものから 明度が上がるものまで

 様々なカケラ達が目の前を 舞う不思議な空間。


それは勿論、私にしか見えていないものではあるが
これはきっと「今の世界」の縮図でも あって。

 
 そう それはきっと 「外に出た 私」に対する
 光達からの 「なにか」「見えないメッセージ」
 でもあって

 こうして 光り 現れ

 私が 

 「見て」  「聴いて」

   「感じて」  「知り」 「わかり」

  「翻訳して」  

 「自分の言葉で 解釈し」

   「伝え」

   「役立てて」  「光にして」 。


そう すべき
そう あるもの
そうであるからして 私は 「光の女神」。


 歩いてくる間 反芻していた極彩色の言葉
 私がやること やるべきこと やりたいこと
 それ即ち 「干渉」ではなく「見せる」こと
 そうあること。

そう自分の役割を解釈した私は、時折自分の聞きたい質問を織り交ぜながらもみんなの話を楽しく 聞いていた。

 楽しいこと 
 大変なこと
 苦しいこと 悲しいこと
 知ったこと まだ分からないこと
 それぞれの悩みや想い
 沢山の絡み合った事情、柵のある中で。

 でも みんなは大体笑顔で。

深く頷きながらもお互いの 目を見て
その話をしていたから、安心して聞いていられたんだ。

そう
「ここにいるみんなの話」、だった時は。


徐々に話は自分達主体の事柄から、世界の方向性に向かってきていて、それは銀の家主体の茶会にある意味相応しい内容にも 見えた。

 これからの事 各扉間の未来
 これまでの事 どの世界でも起きている流れの変化
 自分達の予測など。

みんなが話しているのは大きな事から小さな事まで、多岐に渡る。
しかし、概ね「問題」と思われる事は 殆どどの世界も同じで。

 「歪められていた 祈り」
 「これからの食物のこと」
 「世界間の行き来」
 「寿命の問題」「子供達の未来と減少」
 「ということへの 疑問」。

「て、言うか。ある程度解ってくると。逆に「なんでこんな世界なんだろう」って。みんな、思っちゃうよね。」

そう、ポツリと言ったガリアの言葉が 印象的だったんだ。



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