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22の扉 生成の場
書くこと 記すこと
しおりを挟むラピスでの出来事を記している時は
主に
空の青
あの人の銀
水色の時間の水色
夜の 紺
夜中の濃紺や
明けの薄紅
シャットに差し掛かってからは
勿論
あの世界の橙
煙の灰色
染色の授業の緑やピンク
中庭の泉の 青。
パッと 「場面を思い浮かべるだけ」で。
ありありと浮かんでくる「色」は 私の記憶を呼び覚ますにも一役買ってくれていて
やはり 自分の中で「色」は
大切な役割を果たしているのだと 感じられて面白い。
「…………ありがとう。なにか、しかし。面白い?不思議?これまで無かった書き方だし、しかしその文体と独特の目線が凄く君らしさを醸し出している。…フフ、なぁに最初は恥ずかしいかも知れないが。大丈夫、重ねて行けば乗って来るだろう。」
「 あ それはわかります。最初は基本的に出来事だけ、書いてたんですけど。 それじゃ、意味ないと思って「思ったこと」も書く様にしてて。 それで「ウワー」ってなっちゃう時もありますけど、それもまた「その時の私」で 何でも良くて、なにしろそのまんま? 書くことが一番いいと ふむ」
「それはそうだね。なんだろう、勿論君の目が世界をどんな風に映しているのかも、気になるけれど。そしてそれをどう感じて、どうしたのかを書いてくれるのがいいのさ。…ま、基本的に自由なんだ。なんでもやってみるといい。ありがとう、これは一旦返しておくよ。」
「 はい。 ありがとうございます。 ふふ」
イストリアが 返してくれたノートをしっかりと胸に抱えて。
なんとなく 気恥ずかしくなっていた心を落ち着かせ、「二冊目のノート」をそっとテーブルに置く。
今朝 食堂にて顔を合わせた時、
ふと 薄茶の瞳にいつもと違ういろを読み取った私は
「どうしました?」と 彼女に声を掛けて。
返事代わりに「小さな迷いの表情」を受け取ったのだけど
話を聞くと「私の顔を見た瞬間にノートが浮かんで 話の内容が気になった」のだそうだ。
だけど 私が「まだ見せたくないんじゃないか」と思って。
「どうしようかな」という迷いが 顔に出ていたのだけど
ノートも二冊目に差し掛かり、「書くこと」に慣れてきた私にとって「それ」は
そう「恥ずかしいこと」ではない。
勿論、始めは なんだかんだ言いながらもやっぱり少し構えていたから「上手く出来ているか」が気になって 読み返したり少し手直ししたりもしていたけれど
段々慣れてくると「結局本性が出てきて」。
思うままに
思いつくままに
「その時の色」を書いて
謳って
「思いっきり自分を出した方がいい」と思い始め
そのうち「出さなきゃ意味がない」とも 思い始めて。
「その時」なんで、そうしたのか
「恥ずかしいこと」も「気まずいこと」も
「全部書くから意味になる」と気付き
「そう」「して」きたのだ。
そしてまた
そうしているうちに。
私の中の「恥ずかしい」は 形を潜め
「記憶」は「記録」となり「生き生きと物語を創り始めた」から
それはそれで 良かったんだろう。
そして
そんな折に、彼女にそう言われたから。
「書きかけの所でもいいですか?」とこなれてきた二冊目を持ち出して
「他の目にはどう映るのか」を試してみたんだ。
しかし「相手はイストリアだから」、私の「ありのままの文章」も
なんなら補って読んでそうだし
それが正確な書評なのかはわからないけれど
実際 私は「ありのまましか書けない」し
そもそも「これ」は「誰かに評価してもらう為のものでもない」。
だから
「 じゃあ、また。 失礼します。」と言って。
ニコニコしながら 書斎から出て
青い廊下をルンルンと スキップで進んで行った。
「 ふぅ 」
ふわり ひらりと
紅い尾が長い 小鳥のスピリット達が
優雅に天井近くを飛び回る様は
とても 美しい。
青系が多い鳥達の中では一際目立つ「差し色」を
新鮮な眼で じっと眺めて。
「自分のなかに ある 差し色」
「感じる「感情」という「いろんな色」」
「人に見せる、というドキドキの色」を 感じながら
しかし結局
「どうあっても ありのままで在るしか ない」という理解まで きちんと行き着き完結させて。
その「いろいろ」を 自分の中で落ち着かせながら
ゆったりとベンチに座り「この一連の出来事」をいろんな視点から観察している自分を 観る。
「実際に見てもらうこと」で ドキドキする私
「結局 ぜんぶ出してる」から
「それでいいんだ」と胸を張っている私
「イストリアの視点」から「どう見えるか」を
測っている私
「一番拙い 出だしの部分」ではなくて
「小慣れてきた二冊目を出した私」を観ている私
「一旦ここで 読んでもらう」という楔を踏んだ私
「一定のリズムを刻む生活の中で
「見られる瞬間」を経た私」
そして
「こうして日記を進める中」で。
「現実」と「記憶」が 近づいてきて
だからこそ「あらゆる点が 「今である」ことを実感する私」が 具体的に現れてきた点。
「 ふぅ ~む 」
そう、私は 今「書くこと」で。
「どの点も 今であること」を再認識し
「ありありと描ける場所にいつでも飛べることが本当だった」と喜んで
「いろんな点を再押印しながら 「自分の物語」を完成させる為に 動いている」。
それは なんだか不思議な感覚だけど。
「それでいい」のはわかるし
「私はこの為にぜんぶを集めてきた」のもわかりみが深くて面白いし
「そうやって補強していくこと」で光の充満が強固になるのもわかって、
その相乗効果が また「ピタリとハマりすぎて」、面白いんだ。
「 ふむ まあ なんと いうか。 「そういう風に できている」。」
うん。
だから いつものセリフをそうやって口に出して。
寄ってきた蝶達にひらひらと手を振りながら
「だよね」、と相槌を打つけれど
ここまで「自分というくくりを回収してきた私」にとって
この行程は「自然なこと」であり
「大きな流れ中の一部」
「一番大きな自分」から観てみれば「ここ」も「私というスパン」の中の点でしかなく
「なんとな~くの狭間を漂う感」の今であっても。
「この期間」も 大切な一部であって
「このかたちないヴェールの様な期間」を超え
私はまた 次の波へ入る。
そう、以前は「なんにも見えないところを進んでいる」と 一抹の不安を抱えながらも 進んでいたけれど。
「これ」は「実際 そういうもの」で
ここから観ればよくわかるけれど
本来
「未来」も「過去」も「形」はなく「いろ」があるだけで
「私という点」が「ただ 自分のいろの中を流れている」、そういう「こと」だ。
その「いろ」、それが「自分のいろ」でない
若しくは「濁っている」「混じっている」と
違和感があって気持ち悪いだけで。
実際 私はもう「自分のいろ」を流れていればいいし
「それ」は「本来の私が行くべきところ」へ連れて行ってくれる流れで
ただ私はその流れの中で「舵をとり」
「快適に船を操縦するだけ」で
それはなんてことない、旅なのだ。
「 ふむ。 うん、だから もっと 気軽に。 リラックス だね 」
だからここでまた 大きく 息を吐いて。
「さて じゃあどうする?」
「次は」と 張り切る焔達もニッコリと観
「光ってるだけでいいじゃん」と 共にひかる、真ん中も 観て。
その「バランス」を眺めながら
再びスピリット達の美しさを 堪能していたので ある。
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