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しおりを挟むユルシィの自宅は1人暮らしには十分過ぎるほどの立派な一軒家だった。
「ひろすぎるいえ、ひとりぐらし、さみしい。ルタ、セノ、いる、さみしくない。うれしうれし」
「本当にひと部屋もらっていいんですか!?」
ルタは目を見張って興奮している。胸の前で握りしめた拳が、ガッツポーズのようだった。昔から1人部屋というものに憧れがあったらしい。嬉々として買ってきた小物や衣類をどこに仕舞うか迷っている彼女を置いて、瀬野も今日から自分のものになる部屋に案内された。
「セノ、ここ、つかう、して。セノーーセノ? セノ!」
「ーーあ?」
肩を掴まれ、顔を覗き込まれてはっとした。
「セノ、どうする、した?」
「……なんでもない」
「セノ、あせ、すごい」
その上、身体が火照っていた。
思考に、ぼんやりと靄が掛かっている。
「テアォロの体液は、接種すれば接種するほど永続的に緩やかな催淫効果を発揮するとされています」
強張った少女の声が耳に入ってはじめて、ルタまで駆けつけたことに気づいた。
「テアォロの屋敷にいた頃は、連日犯されることで発散されていました。保護施設に移ってからは、禁欲生活が続いています。セノの身体は…………セックスがしたくて、もう限界です」
我が身に起こっていることなのに、どこか他人事のような気がした。遠い遠い、どこか知らない場所で起きている、嘘か本当かもわからない出来事。でも実際、燃えつくような熱に苛まれている身体を持て余しているのは瀬野で。セックスがしたくてしたくてしたくてしたくてしたくてしたくてしたくてしたくてしたくてしたくてしたくてたまらないのは、瀬野だ。
「セノ、私を抱きますか? 私は、セノなら。セノなら、何も怖くありません」
火照る身体に、冷たい手のひらが添えられる。
ルタを抱く?
そんなこと、できるわけがない。
どんなにセックスがしたくて、頭がおかしくなりそうで、肉体も精神も限界を訴えていても。
この娘を汚すことだけは許されない。できない。したくない。ありえない。
それに。
それに、セックスしたくて疼くのは。
男に貫かれることでしか満足できない、尻の奥。
「ユルシィ…………」
か細い声で、瀬野は翡翠色の巨体に縋った。
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