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05.決して振り向いてはならぬ【捧げられし花テオエル】
シドイェスカのお祈りが一日置きなので、必然的にテオエルが抱かれるのも一日置きになる。つまり全く何もしなくていい日が一日置きにやってくるのだ。これが苦痛だった。
前戯もなく顔も合わせず事務的に抱かれることにはすっかり慣れたが、何もすることがない一日というのが本当に、本当に、退屈なのである。せめて文字が読めれば読書でもできるのだが、神殿孤児院では読み書きは教えてくれなかった。この世界の識字率は低いのかもしれない。
「シドイェスカ様」
ここ最近はお互いに手慣れてきて、裸でうつ伏せになり尻をあげて無言で待機するテオエルに、無言で背後から挿入して淡々と精嚢を空にするシドイェスカという、スムーズかつ事務的で余計な口を挟まない性交を行ってきたので、突如口を開いたテオエルに腰を振っていた男は動きを止めた。
「……なんだ」
「散歩の許可が欲しいです」
抱かれるまではあんなに怖かったシドイェスカだが、今となってはこんなお願いを口にできるほどにテオエルの恐怖心はなくなっていた。
「暇なのです。おつとめのない日は一日何もすることがないので、このままでは退屈に殺されてしまいます」
シドイェスカが笑うのがわかった。でも決して、明るい感情から出た笑いではなかったように思う。
「私に抱かれておいて、退屈などで死ねるとでも?」
鬱屈とした、仄暗い雰囲気を感じさせた。
「…………どういうことですか……?」
「そなたもきっと、知れば嫌悪に狂って死ぬであろう」
ぬるーっと、埋められていた肉棒をぎりぎりまで引き抜かれ、腰が震える。
「退屈に殺されるのではない。精神に異常を来して自ら死ぬのだ。……可哀想にな」
「ーーっぁあ!」
勢いよく突かれて、肌と肌がぶつかる破裂音とともに、喉の奥から大きな嬌声が飛び出す。枕を抱え直し、ぐっと顔を埋めた。汗の滲む腰を両手で固くとらえられながら、ずん、ずん、といつもより強めに突き上げられる。
「あ! ーーあんっ! ん……っ! く……っ、う……んぅ……っ!」
尻に強く腰を押し付けられ、奥に精を吐き出される。全て絞り出そうと、ゆるゆると肉筒で射精中の陰茎を扱かれた。ずるり、と栓をしていたものが引き抜かれ、長時間ハメられて締まりきらない孔から、注がれた白濁が溢れ落ちる。
テオエルも射精していた。何回目か数えるのも馬鹿らしい。ぐったりと、ベッドに沈む。
「死にたくなければ、決して振り向かぬことだ」
どんなに疲れていても枕から顔をあげなかったテオエルに、シドイェスカは優しく囁いて黒髪をそっと撫でた。
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