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15.お祈り【捧げられし花テオエル】
出し尽くして萎んだ陰茎が、テオエルから引き抜かれる。ごぷっ、と中から白濁した液体が垂れ落ちた。
身を離したシドイェスカが、鈴を鳴らして側仕えを呼ぶ。
さっと寝室に入ってきたナーサラーと、マックナルと入れ替わりで側仕えとなったニッケルヒによって、後孔に栓をされ、服を着付けられていく。
シドイェスカも別の側仕え達に着付けられ、二人の準備が整ったところで、シュルテルマイヤー城の裏にある神殿へと向かった。
祈りの間の中央で一人静かに跪くシドイェスカを、護衛騎士達と共に壁に添って見守る。
はじめは、ただシドイェスカが組み合わせた手に額を押し付けてうつむいているだけだった。
次第にシドイェスカの身体から光が漏れ始め、オーラのように身体全体を包み込み、ゆらゆら立ちのぼって、徐々に広がり、大きく太い光の柱となった。
どこからともなくハミングが聞こえだし、徐々に音量をあげ、聞いたことのない言語の歌となり、神殿内に響き渡るほどの盛大な大合唱となる。
誰が歌っているのか、男か女か、人間か神かもわからない。
神秘的な祈りの歌。
これが、神人の力。
祈りの力。
シドイェスカの力。
「ここまで盛大な祈りの歌は、シドイェスカ様のお祈りでしか聞けませんよ」
隣に立っていたアングリフが誇らしげに笑った。
「す……っごかったです! 感動しました!」
興奮して駆け寄ったテオエルに、数時間もの間祈り続けて消耗したシドイェスカは、儚く微笑んだ。疲労の色が濃い。
「……立てますか?」
差し出した手を掴まれ、引っ張って立たせる。勢い余って傾いてきた身体を、踏ん張って抱きとめた。テオエルよりも頭半分高い長身が、包み込むように抱きしめてくる。
「へへ……お疲れ様です」
性的接触とは直接関係のない抱擁は、初めてだった。
幸福感に満たされる。
広い背中に腕を回すと、ぎゅっと抱き寄せられた。そのままぎゅうぎゅう抱き合う。なんだかおかしくて、顔がにやけてきて、肩を震わせて笑う。
「何故笑っているのだ」
「シドイェスカ様も笑ってる」
「ふふ」
「んふふ……っ」
「はは……っ」
「んひゃは、ははっ。ーーっあ、」
「どうした?」
「せ、栓が……」
「せん?」
「あの、中にいっぱい出したの、掻き出さないといけないのですけど、シドイェスカ様のお祈りがどうしても見たかったので、後回しに……」
「ーーっ、そ、そうか、なら、戻ろう。腹を壊してはならぬからな」
「……はい」
そそくさと身を離す。名残惜しく引っ掛けた人差し指を、シドイェスカの小指が絡め取った。そのまま、何も言わず歩き出す。
部屋の前で別れるまで、ずっと一本ずつの指で繋がっていた。
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