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第2章 愛されました!
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本当に閉店頃再び店を訪れた平田は、手嶋を拾うとコンビニに寄った。
「誠一郎くんも好きなの買っていいよ」
平田はカゴに次々お酒を入れている。これは飲みに誘われていると思っていいのだろうか。手嶋が遠慮がちにサラミを入れると、にこりと微笑まれてナッツ類やチーズを追加された。
「どうぞ」
「お邪魔します」
コンビニを出ると、徒歩圏内にあるマンションの七階に通された。平田の部屋は角部屋だ。
促されて手洗いを済ませると、ラグに並んで座って二人きりの飲み会が始まった。
「誠一郎くん、恋人できただろ」
しばらく話し込んでいると、平田がそう切り出した。
「……わかりますか」
「しかも相手は男だね」
「…………そんなことまで……」
「俺はそういうことには敏感なんだ」
一口、酒に口をつける。
だいぶ、頭がぼやけていた。
酔いが回っている。
それでも、また一口、ぐいっと酒をあおった。
「うまくいってないの?」
平田が手嶋の手から酒の缶を取り上げ、ローテーブルに置いた。
「うまくいってないっていうか……俺が、逢崎の愛を信じ切れないっていうか……」
「逢崎くんって言うんだ、彼」
「愛と性欲の違いってなんですか?」
「知りたい?」
「知りたい」
「教えてあげる」
突如、ラグに押し倒された。酔いで頭がぐわんと揺れる。トップスを剥かれ、腹から胸を晒される。平田が鎖骨に吸い付き、小さな痛みをもたらしながら赤い跡をいくつもつけていった。
「や……、」
押しのけようと藻掻く手嶋を押さえ込んで、平田の手がボトムスにかかる。
「平田さ……っ」
ろくな抵抗も出来ないまま、パンツごと引き下ろされた。
「平田さん! やめ……っ」
「飲み過ぎてたら勃たないかもね」
項垂れた性器を鷲掴みにされ、恐怖で丸まりたがる身体を力づくで押さえられる。逃げよう逃げようと身体を捻り、うつ伏せに近い状態になったところで、平田の手が尻に伸びた。
「ーーっ!」
完全に伏せた状態で両脚に乗られ、尻たぶを両手で左右に開かれる。ふーっと息を吹きかけられ、尻が震えた。
「やぁ……っ!」
窄まりをこじ開けるように、舌で抉られた。
「やだ! いや……や、めて……! 平田さ……っ!」
入り口を舐め広げられて、左右の親指で更に引っ張られる。
手嶋の快感は二の次のようなやり口だった。
ただ、自分が気持ちよく突っ込むために広げているだけのような。
愛し慈しみ抱くのではなく、性欲を吐き出すための穴を準備する動き。
犯されるーー?
身体が震えた。がちがち歯が鳴る。
身を起こした平田が、背後でファスナーを開ける音がした。
後孔にぴたりとあてがわれる。
くっ、と圧がかかってーー
「これがただの性欲ってやつ」
とても人を犯そうとした男とは思えない明るい声で言って、平田は身を引いた。
手嶋は茫然と目の前のラグを見つめる。
「逢崎くんには、ちゃんと愛されてた?」
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