召喚物語 - 召喚魔法を極めた村人の成り上がり -

花京院 光

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第一章「冒険者編」

第六話「廃坑での狩り」

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〈フィッツ炭鉱〉

 廃坑のは薄暗く、禍々しい闇の魔力が流れ出ている。キングの体から感じる清い魔力とは正反対の、まるで墓地の様な雰囲気がある。この場には悪質な魔物が巣食っているのだろう……薄暗い廃坑の奥を進むと、一体のスケルトンが天井を見上げていた。幸い、まだ俺達の存在に気がついて居ない様だ。

「キング、ここは俺が倒すよ」
「ワカッタ……」

 キングを待機させ、ショートソードを引き抜いた。刃の表面には銀色の魔力が流れている。やはりこの武器は俺と相性が良い。手に持つだけで強い魔力が体に流れ込む。スケルトンとの距離をゆっくりと詰める。背後から忍び寄り、ショートソードを振り上げた。

 力任せに剣を振り下ろし、スケルトンの首を捕らえる。剣はいとも簡単にスケルトンの頭骨を切り取った。どうやら一撃で倒せた様だ。地面にはスケルトンの頭骨が落ちている。スケルトンの生死を判断するには、目の中の炎を見れば良い。生きている時は赤い炎を灯しているが、死ねば炎は消える。それから俺達はスケルトンが落としたアイテムを回収した。錆びついたメイス、スケルトンの頭骨、砕けた骨。以上三点のアイテムを手に入れた。

 俺はスケルトンが落としたメイスをキングに渡した。それから俺とキングは二時間ほど、廃坑内のスケルトンを駆逐した。二時間で十体ものスケルトンを狩る事でき、戦利品もかなりの量になった。俺は今日の戦利品を数えた。

・錆びついたメイス×8 スケルトンの頭骨×10 砕けた骨×8 錆びついた指環×2 ファイアの魔導書

 これだけのアイテムを一日で集められたのだ。宿代には暫く困らないだろう。廃坑での狩りは案外稼げる。キングが居てくれるからだろうか。安全に敵と戦う事げ出来るし、キングは武器の扱いもお手の物だ。初めての狩りで体力を消耗してしまったので、俺達は直ぐに町に戻る事にした……。


 町に着いた俺達は、直ぐにロンダルクさんの店に向かった。まずは戦利品を買い取って頂こう。ロンダルクさんの店を目指しながら広場を進むと、一軒の小さな店を見つけた。

〈ゲルストナーの魔法動物店〉
『育成士 LV39 ゲルストナー・ブラック』

 レベル39か。今まで見たステータスの中で最も高レベルだ。しかし、魔法動物とはどの様な動物なのだろうか? 初日に見かけた卵を扱う店の生き物も魔法動物なのだろうか。今度この店も覗いてみよう。それから少し歩くと、ロンダルクさんの雑貨屋に着いた。木製の扉を開けて店内に入る。ロンダルクさんは今日も眠たそうに外の様子をぼんやり眺めていた。

「サシャか。また会えて嬉しいよ」
「こんにちは、ロンダルクさん。今日も買い取りをお願いしてもいいですか?」
「どれ、品物を見せてご覧」

 俺はカウンターに戦利品を並べた。

「錆びついた指環は買い取り不可だ。これは磨けばマジックアイテムになる、錆ついたアイテムは魔法道具用の磨き粉で磨くんだ。今回はサービスしてあげよう」
「ありがとうございます!」
「それから、ファイアの魔導書は30ゴールド。買い取り金額は合計で114ゴールだ」

 ロンダルクさんから代金を受け取って店を出た。まずは宿に戻る事にした。受付で主人に宿代を支払い、延長を頼んだ。部屋に戻って少し安もうか。夕食まで暫く時間がある。スケルトンが落とした指環を磨いてみよう。

 俺は「錆びついた指環」と「魔法道具用の磨き粉」を取り出した。キングは興味深そうに指環を見つめている。指環は全体的に錆びついていて、表面が酸化している。俺は余っていた布に磨き粉を付けて指環を磨いた。暫く指環を磨き続けると、酸化膜が消えて、金属本来の光沢が戻った。光を反射する様に光り輝いており、手に持つだけで優しい魔力を感じる。

 ロンダルクさんの説明によると、この指輪はマジックアイテムらしい。指環の名称を確認するには、指環を嵌めてからギルドカードで確認すれば良いだろう。指環を嵌めた状態でギルドカードを見る。

 装飾品:守護のシルバーリング

 どうやら指環の名前は「守護のシルバーリング」らしい。具体的な効果は分からないが、名前から察するに、防蟻力を上昇させるアイテムだろう。それからもう一つの指環を磨き、ギルドカードを確認した。

 装飾品:守護のシルバーリング 霊力のシルバーリング

 霊力のシルバーリングは魔力を上昇させる物だろうか? キングが嬉しそうに指環を見つめていたので、俺は守護のシルバーリングをキングに差し出した。彼は直ぐに指環を嵌めると、満足そうな笑みを浮かべて俺に抱きついた。

「アリガトウ……サシャ」
「良いんだよ。俺達二人で手に入れたアイテムだからね」

 それから俺達は部屋で他愛のない会話をしながら、ゆっくりと体を休めた。夕食を食べてから町に出る事にしよう。生まれたばかりのキングにこの町を見せてあげたいし、俺自身も観光をしたい。

 それから一階に降りて夕食を食べた。今日の夕食はスノウウルフの唐揚げとトマトソースのスパゲッティだった。唐揚げは甘ダレで味付けされており、噛むと濃厚なタレと肉汁が絡みついた。絶妙な甘みとさっぱりとしたスノウウルフの肉の相性は最高だった。

 夕食を終えた俺達は夜の町に繰り出す事にした。辺りは既に暗くなっているが、町にはいくつもの街灯が建っており、街灯の中では魔法の炎が楽しげに踊りながら辺りを照らしている。町の雰囲気も良く、仕事を終えた冒険者達が野外の酒場で宴を開いていた……。
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