18 / 188
第一章「冒険者編」
第十八話「武具の調達と訪問者」
しおりを挟む
俺は幻魔獣の判断を信用する事にしている。すると、一部始終を見ていたシャーローンさんが唸った。
「サシャの連れは目が高いな! それはサーペントのレイピアと言ってな。大蛇・サーペントの毒牙を金属に溶かして作ったレイピアだ。サーペントは主に奇襲を得意とし、鋭い牙で魔物や冒険者などを見境なしに殺す生物だ」
「サーペントのレイピアですか……ルナ、この武器が良いのかい?」
「うん。これにする」
ルナが鞘からレイピアを引き抜くと、紫色の魔力が刃を包んだ。ルナがレイピアを握り締めると、爆発的な魔力が魔力が店内に流れた。これがハーピーの魔力か……やはりルナも幻魔獣なのだ。人間の俺とは比較にならない力を持っている。
ルナが剣を振ると、剣からは紫色の魔力を纏う風が吹いた。心地良くも力強い魔力を肌に感じる。ルナが突きを放つと、爆発的な風が飛び出した。
「ルナ。随分剣の扱いが上手いんだね」
「何だかサーペントが戦い方を教えてくれるみたいなの」
「それは武器と相性が良いからだろうな。サーペントがハーピーに力を貸すとは……この武器はどの冒険者が手に取っても魔力を放出する事は無かった。自分よりも弱い存在に力を貸すつもりがなかったのだろう」
ルナの剣技を見て俺は焦りを感じた。魔法ではキングを超える事は出来ないだろう。剣の扱いではルナの足元にも及ばない。生まれ持った力が違う。もしかすると騎士団で一番弱いのは俺なのではないだろうか。強い魔物を侍らせているだけの人間にはなりたくない……。
俺は召喚士ではあるが、召喚魔法を使った戦い方も知らない。早めに自分自身の戦い方を編み出す必要がある。シャーローンさんから装備を買い取り、全て身に付けてからギルドカードを確認してみた。
『幻魔獣 LV0 ルナ』
武器:サーペントのレイピア
防具:疾風のライトグリーヴ・ライトガントレット・ライトメイル
魔法:ウィンドアロー ウィンドカッター
効果:疾風(移動速度上昇、攻撃速度上昇)
『幻魔獣の召喚士 LV85 サシャ・ボリンガー』
装備:ショートソード
防具:守護のライトグリーヴ・ライトガントレット・ライトメイル
装飾品:守護のアイアンリング
効果:守護(物理防御力上昇、魔法耐性上昇)
シャーローンさんにお礼を言ってから店を出ると、ユニコーンの周りには人だかりが出来ていた。五十人以上は居るのではないだろうか。一人の男性が歩み寄ってくると、男性は深々と頭を下げた。
「あなたが幻魔獣の召喚士、サシャ・ボリンガー様ですか?」
「そうですが……」
「お会い出来て光栄です。私はこの町の町長、ルシウス・アルバーンと申します」
「どうも。サシャ・ボリンガーです」
「ボリンガー様の召喚したスケルトンと、幻魔獣のスケルトンキング様が最近、町の周辺の魔物を排除して下さっているお陰で、魔物による被害が減りました。ありがとうございます……」
町長が頭を下げると、町の人達も一斉に深々と頭を下げた。どうやらキング達は廃坑内の魔物だけではなく、町の周辺に巣食う魔物も退治していた様だ。
「皆様のお役に立てたのでしたら光栄です。地域を守りながら生きるのが冒険者としての務めですから」
「ボリンガー様、どうかこれからも町を守って頂けませんか? 魔物討伐のお礼と言っては何ですが、本日の十七時に宴を開かせて頂きます。是非騎士団員の皆様と共にご参加下さい」
「宴ですか、それでは仲間達と共に参加する事にします」
スケルトンを数十体倒しただけで宴が開かれるのだろうか? まさかそんな事はないだろう。きっと何か裏があるんだ。わざわざ町長が俺を尋ねてきたという事は、特別なクエストの依頼でもあるのだろうか? 相手の意図が分からないから、ひとまず宴に参加する事にした。
「サシャ、宴って何?」
「宴は、沢山の人が集まってお酒を飲んだり、美味しい食べ物を食べたりするんだよ」
「お酒に食べ物? 楽しみ!」
「そうだね、俺も楽しみだよ。宴なんて本当に久しぶりだからね」
「そうなの?」
「うん。俺が生まれた村はそんなに裕福じゃなかったから、宴の機会も少なかったんだ」
「楽しそうだな。ルナもいつかサシャの村に行ってみたい」
「いつか連れて行ってあげるよ。ゲルストナーを誘いに行こうか。彼も団員だからね」
俺とルナはゲルストナーの店に直行した。宴の事を伝えると、彼は二つ返事で了承した。町長との宴までかなりの時間がある。市場に出て手土産でも買う事にしよう。ルナをユニコーンに乗せて市場に歩き始めた……。
「サシャの連れは目が高いな! それはサーペントのレイピアと言ってな。大蛇・サーペントの毒牙を金属に溶かして作ったレイピアだ。サーペントは主に奇襲を得意とし、鋭い牙で魔物や冒険者などを見境なしに殺す生物だ」
「サーペントのレイピアですか……ルナ、この武器が良いのかい?」
「うん。これにする」
ルナが鞘からレイピアを引き抜くと、紫色の魔力が刃を包んだ。ルナがレイピアを握り締めると、爆発的な魔力が魔力が店内に流れた。これがハーピーの魔力か……やはりルナも幻魔獣なのだ。人間の俺とは比較にならない力を持っている。
ルナが剣を振ると、剣からは紫色の魔力を纏う風が吹いた。心地良くも力強い魔力を肌に感じる。ルナが突きを放つと、爆発的な風が飛び出した。
「ルナ。随分剣の扱いが上手いんだね」
「何だかサーペントが戦い方を教えてくれるみたいなの」
「それは武器と相性が良いからだろうな。サーペントがハーピーに力を貸すとは……この武器はどの冒険者が手に取っても魔力を放出する事は無かった。自分よりも弱い存在に力を貸すつもりがなかったのだろう」
ルナの剣技を見て俺は焦りを感じた。魔法ではキングを超える事は出来ないだろう。剣の扱いではルナの足元にも及ばない。生まれ持った力が違う。もしかすると騎士団で一番弱いのは俺なのではないだろうか。強い魔物を侍らせているだけの人間にはなりたくない……。
俺は召喚士ではあるが、召喚魔法を使った戦い方も知らない。早めに自分自身の戦い方を編み出す必要がある。シャーローンさんから装備を買い取り、全て身に付けてからギルドカードを確認してみた。
『幻魔獣 LV0 ルナ』
武器:サーペントのレイピア
防具:疾風のライトグリーヴ・ライトガントレット・ライトメイル
魔法:ウィンドアロー ウィンドカッター
効果:疾風(移動速度上昇、攻撃速度上昇)
『幻魔獣の召喚士 LV85 サシャ・ボリンガー』
装備:ショートソード
防具:守護のライトグリーヴ・ライトガントレット・ライトメイル
装飾品:守護のアイアンリング
効果:守護(物理防御力上昇、魔法耐性上昇)
シャーローンさんにお礼を言ってから店を出ると、ユニコーンの周りには人だかりが出来ていた。五十人以上は居るのではないだろうか。一人の男性が歩み寄ってくると、男性は深々と頭を下げた。
「あなたが幻魔獣の召喚士、サシャ・ボリンガー様ですか?」
「そうですが……」
「お会い出来て光栄です。私はこの町の町長、ルシウス・アルバーンと申します」
「どうも。サシャ・ボリンガーです」
「ボリンガー様の召喚したスケルトンと、幻魔獣のスケルトンキング様が最近、町の周辺の魔物を排除して下さっているお陰で、魔物による被害が減りました。ありがとうございます……」
町長が頭を下げると、町の人達も一斉に深々と頭を下げた。どうやらキング達は廃坑内の魔物だけではなく、町の周辺に巣食う魔物も退治していた様だ。
「皆様のお役に立てたのでしたら光栄です。地域を守りながら生きるのが冒険者としての務めですから」
「ボリンガー様、どうかこれからも町を守って頂けませんか? 魔物討伐のお礼と言っては何ですが、本日の十七時に宴を開かせて頂きます。是非騎士団員の皆様と共にご参加下さい」
「宴ですか、それでは仲間達と共に参加する事にします」
スケルトンを数十体倒しただけで宴が開かれるのだろうか? まさかそんな事はないだろう。きっと何か裏があるんだ。わざわざ町長が俺を尋ねてきたという事は、特別なクエストの依頼でもあるのだろうか? 相手の意図が分からないから、ひとまず宴に参加する事にした。
「サシャ、宴って何?」
「宴は、沢山の人が集まってお酒を飲んだり、美味しい食べ物を食べたりするんだよ」
「お酒に食べ物? 楽しみ!」
「そうだね、俺も楽しみだよ。宴なんて本当に久しぶりだからね」
「そうなの?」
「うん。俺が生まれた村はそんなに裕福じゃなかったから、宴の機会も少なかったんだ」
「楽しそうだな。ルナもいつかサシャの村に行ってみたい」
「いつか連れて行ってあげるよ。ゲルストナーを誘いに行こうか。彼も団員だからね」
俺とルナはゲルストナーの店に直行した。宴の事を伝えると、彼は二つ返事で了承した。町長との宴までかなりの時間がある。市場に出て手土産でも買う事にしよう。ルナをユニコーンに乗せて市場に歩き始めた……。
1
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる