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第一章「冒険者編」
第二十三話「修練の日々と新たな魔法」
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今日も朝の四時に起きて訓練を始めた。睡眠時間が圧倒的に足りないが、強い仲間達に追いつくには、睡眠時間を削って己を鍛えるしか無いだろう。人間の俺が生まれつき強力な魔法能力を持つキングやルナに追いつける気はしないが、努力をすれば必ず自分のためになると信じて訓練を続けるしかない。
ユニコーンと共に森の中を二時間ほどジョギングし、湖を見つけたので、グラディウスで素振りをし、筋力のトレーニングを行った。朝から四時間ほど訓練を行ってから野営地に戻ると、ゲルストナーが朝食の支度をしていた。ルナとキングを起こして朝食を食べると、馬車に乗り込んで旅を再開した。
天気は快晴。春の心地良い風を受けながら、のんびりと進んでいる。朝の訓練で体を鍛えすぎたせいか、全身が鉛の様に重く、栄養が圧倒的に足りていない。ゲルストナーはやはり育成士だからか、効率よく筋肉を増やすための食事を用意してくれた。
「サシャ。筋肉を付けたければひたすら食べろ。俺が戦士をしていた時は、九十キロをキープする様にしていた。勿論、脂肪を落とした状態でだ」
「凄いね……現役時代のゲルストナーを見てみたかったな」
「今でも体は鍛えているが、かなり筋肉が衰えてしまった」
ゲルストナーが二の腕に力を入れると、力こぶが大きく盛り上がった。ロングソードを振り続けていたからだろうか、肩の筋肉は石の様に硬い。これが戦士の肉体か。筋肉の量がまるで違う。やはり俺の仲間は強いな……。
ゲルストナーと旅の行程について話し合う事にした。どうやらアルテミス王国に行くためには、アレラ山脈という山脈を越えなければならない。山脈を越えるためにも、食料や日用品などをしっかり補充し、山脈越えに挑まなければならない。
山脈にはブラックドラゴンという幻魔が居るらしい。アルテミス王国までの道のりで一番の難関なのだとか。ゲルストナーの話では、ブラックドラゴンが山脈を棲家にしているため、低レベルの冒険者は陸路ではなく、海路を使って遠回りをする人が多いらしい。
ちなみに、ゲルストナーは冒険者時代にパーティーを組んでブラックドラゴンの討伐に挑戦した事もあるのだとか。結果は惨敗。二十人で編成された平均レベル三十のパーティーでは歯も立たなかったらしい。山脈まではまだ遠いが、ブラックドラゴンを倒すための作戦も練る事にしよう。幻魔獣のキングやルナが幻獣のブラックドラゴンに負ける事はないと思うが、戦闘経験が少ない俺達には危険すぎる相手だ。
次の目的地はフィッツ町から一番近いアシュトバーン村だ。しばらく馬車を走らせているとアシュトバーン村に到着した。俺達は水や食料などを補給するために、村に立ち寄る事にした。村はリーシャ村よりも規模は大きいが、どうも雰囲気が暗い。村全体に活力が無い様な気がする。俺は村で唯一の商店の前に馬車を停めた。俺とルナは馬車を降りて、キングとゲルストナーには馬車の見張りを頼んだ。
商店は酒場を兼ねた店の様だ。店内に入ると、昼間からお酒を飲んでいる連中が何人か居た。店では肉を中心とした食料と水を購入した。お金には余裕があったから、調味料やお酒、生活に必要な物等も多めに買っておいた。俺達が店で買い物をしていると、酔っ払いの男が話しかけてきた。
「お前らは冒険者か? 食料買い込んで良い身分だな」
赤ら顔の四十代後半程の男は、酒瓶を片手に俺達を睨みつけている。面倒な相手に絡まれてしまったな。ただ買い物をしていただけなのに……こういう輩は相手にしないでおこう。ルナの手を握って店を出ようとした時、男が叫んだ。
「待てよ! 俺が話してる途中じゃねぇか!」
酔っ払いは大声を出して執拗に絡んでくる。ジロジロとルナの体を舐め回すように見ている。気味の悪い男だ……。
「出ようか、ルナ」
「そうだね」
店の扉に手を掛けた時、男がルナの手を強く引いた。ルナは目に涙を浮かべて俺を見つめた。男はルナを強引に引っ張ると、ルナの胸元を見つめ、手を伸ばした。その時、俺の怒りが爆発した。もう耐えられない。俺のルナに触れる輩を許す訳にはいかない。
地面に手を付け、土の魔力を爆発させた。この男を阻止出来る魔法……土の魔力を放出すると、床からは土の槍が生き物の様に伸び、男の手を貫いた。槍……? 俺に必要な攻撃魔法は槍だったのだろうか。俺は男からルナを取り返すと、ルナは涙を浮かべて俺の胸に顔を埋めた。
「許してくれ……出来心だったんだ……」
「何を言っているんですか。絡んできたのはあなたじゃないですか。俺のルナを泣かせる奴は許しませんよ」
「本当に申し訳ありません! 冒険者様!」
店の主人が男の頭を殴りつけ、無理やり土下座をさせると、店主も深く頭を下げた。キングとゲルストナーが駆けつけてくると、ゲルストナーは直ぐに男の手当を始めた。男は何度も俺とルナに謝ると、ルナは男を許した。
「サシャ。これからも私の事……守ってね」
「当たり前じゃないか。俺が一生ルナを守るよ」
「うん」
キングは土の槍を引き抜くと、不思議そうに槍を見つめた。男の手を狙って魔力を放出したからだろうか、強い魔力を持つ鋭利な槍が生まれたのだろう。これが新たな魔法か。硬質化した土の槍は、まるで石の様に硬く、力強い魔力を感じる。どうやらこの武器はマジックアイテムの様だ。槍を持った状態でギルドカードを確認してみる。
武器:守護者のアースランス
魔法:エンチャント クラフト アースランサー
新しい武器と魔法が追加されている。ゲルストナーの説明によると、エンチャントは武器に属性を与える魔法で、クラフトは造形の魔法なのだとか。アースランサーは土の槍を作り出す魔法だろう。
怒りに任せて男に怪我をさせて仕舞い、申し訳ない気持ちになったが、ユニコーンが外から回復魔法を男に掛けると、男の手の傷は一瞬で塞がった。男は何度も謝罪の言葉を述べると、俺の怒りもようやく静まった。店から出ると、俺達の前に一人の女性が立ちはだかった……。
ユニコーンと共に森の中を二時間ほどジョギングし、湖を見つけたので、グラディウスで素振りをし、筋力のトレーニングを行った。朝から四時間ほど訓練を行ってから野営地に戻ると、ゲルストナーが朝食の支度をしていた。ルナとキングを起こして朝食を食べると、馬車に乗り込んで旅を再開した。
天気は快晴。春の心地良い風を受けながら、のんびりと進んでいる。朝の訓練で体を鍛えすぎたせいか、全身が鉛の様に重く、栄養が圧倒的に足りていない。ゲルストナーはやはり育成士だからか、効率よく筋肉を増やすための食事を用意してくれた。
「サシャ。筋肉を付けたければひたすら食べろ。俺が戦士をしていた時は、九十キロをキープする様にしていた。勿論、脂肪を落とした状態でだ」
「凄いね……現役時代のゲルストナーを見てみたかったな」
「今でも体は鍛えているが、かなり筋肉が衰えてしまった」
ゲルストナーが二の腕に力を入れると、力こぶが大きく盛り上がった。ロングソードを振り続けていたからだろうか、肩の筋肉は石の様に硬い。これが戦士の肉体か。筋肉の量がまるで違う。やはり俺の仲間は強いな……。
ゲルストナーと旅の行程について話し合う事にした。どうやらアルテミス王国に行くためには、アレラ山脈という山脈を越えなければならない。山脈を越えるためにも、食料や日用品などをしっかり補充し、山脈越えに挑まなければならない。
山脈にはブラックドラゴンという幻魔が居るらしい。アルテミス王国までの道のりで一番の難関なのだとか。ゲルストナーの話では、ブラックドラゴンが山脈を棲家にしているため、低レベルの冒険者は陸路ではなく、海路を使って遠回りをする人が多いらしい。
ちなみに、ゲルストナーは冒険者時代にパーティーを組んでブラックドラゴンの討伐に挑戦した事もあるのだとか。結果は惨敗。二十人で編成された平均レベル三十のパーティーでは歯も立たなかったらしい。山脈まではまだ遠いが、ブラックドラゴンを倒すための作戦も練る事にしよう。幻魔獣のキングやルナが幻獣のブラックドラゴンに負ける事はないと思うが、戦闘経験が少ない俺達には危険すぎる相手だ。
次の目的地はフィッツ町から一番近いアシュトバーン村だ。しばらく馬車を走らせているとアシュトバーン村に到着した。俺達は水や食料などを補給するために、村に立ち寄る事にした。村はリーシャ村よりも規模は大きいが、どうも雰囲気が暗い。村全体に活力が無い様な気がする。俺は村で唯一の商店の前に馬車を停めた。俺とルナは馬車を降りて、キングとゲルストナーには馬車の見張りを頼んだ。
商店は酒場を兼ねた店の様だ。店内に入ると、昼間からお酒を飲んでいる連中が何人か居た。店では肉を中心とした食料と水を購入した。お金には余裕があったから、調味料やお酒、生活に必要な物等も多めに買っておいた。俺達が店で買い物をしていると、酔っ払いの男が話しかけてきた。
「お前らは冒険者か? 食料買い込んで良い身分だな」
赤ら顔の四十代後半程の男は、酒瓶を片手に俺達を睨みつけている。面倒な相手に絡まれてしまったな。ただ買い物をしていただけなのに……こういう輩は相手にしないでおこう。ルナの手を握って店を出ようとした時、男が叫んだ。
「待てよ! 俺が話してる途中じゃねぇか!」
酔っ払いは大声を出して執拗に絡んでくる。ジロジロとルナの体を舐め回すように見ている。気味の悪い男だ……。
「出ようか、ルナ」
「そうだね」
店の扉に手を掛けた時、男がルナの手を強く引いた。ルナは目に涙を浮かべて俺を見つめた。男はルナを強引に引っ張ると、ルナの胸元を見つめ、手を伸ばした。その時、俺の怒りが爆発した。もう耐えられない。俺のルナに触れる輩を許す訳にはいかない。
地面に手を付け、土の魔力を爆発させた。この男を阻止出来る魔法……土の魔力を放出すると、床からは土の槍が生き物の様に伸び、男の手を貫いた。槍……? 俺に必要な攻撃魔法は槍だったのだろうか。俺は男からルナを取り返すと、ルナは涙を浮かべて俺の胸に顔を埋めた。
「許してくれ……出来心だったんだ……」
「何を言っているんですか。絡んできたのはあなたじゃないですか。俺のルナを泣かせる奴は許しませんよ」
「本当に申し訳ありません! 冒険者様!」
店の主人が男の頭を殴りつけ、無理やり土下座をさせると、店主も深く頭を下げた。キングとゲルストナーが駆けつけてくると、ゲルストナーは直ぐに男の手当を始めた。男は何度も俺とルナに謝ると、ルナは男を許した。
「サシャ。これからも私の事……守ってね」
「当たり前じゃないか。俺が一生ルナを守るよ」
「うん」
キングは土の槍を引き抜くと、不思議そうに槍を見つめた。男の手を狙って魔力を放出したからだろうか、強い魔力を持つ鋭利な槍が生まれたのだろう。これが新たな魔法か。硬質化した土の槍は、まるで石の様に硬く、力強い魔力を感じる。どうやらこの武器はマジックアイテムの様だ。槍を持った状態でギルドカードを確認してみる。
武器:守護者のアースランス
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新しい武器と魔法が追加されている。ゲルストナーの説明によると、エンチャントは武器に属性を与える魔法で、クラフトは造形の魔法なのだとか。アースランサーは土の槍を作り出す魔法だろう。
怒りに任せて男に怪我をさせて仕舞い、申し訳ない気持ちになったが、ユニコーンが外から回復魔法を男に掛けると、男の手の傷は一瞬で塞がった。男は何度も謝罪の言葉を述べると、俺の怒りもようやく静まった。店から出ると、俺達の前に一人の女性が立ちはだかった……。
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