召喚物語 - 召喚魔法を極めた村人の成り上がり -

花京院 光

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第一章「冒険者編」

第五十五話「サシャの新魔法」

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 ワイバーンのフレイムブレスを応用した魔法を作るのはどうだろうか。俺が空中に土の塊を作り上げ、ワイバーンが炎を吹き掛ける。すると炎を纏う土の塊が完成する。魔力によって土を制御し、ブラックドラゴンに落とせば、物理ダメージと炎のダメージを一度に叩き込む事が出来る。

 これは良いアイディアだ。俺は新たな魔法を「メテオ」と名付ける事にした。今までの俺は頭が凝り固まっていた。一人一人の技で倒さなければならないと思っていた。しかし、仲間の力を活かしながら、協力して更に強い魔法を作り上げる手段も存在する。きっとメテオは強い破壊力を持つ魔法になるだろう。俺は新たな魔法にブラックドラゴン討伐の可能性を見出した。

 仲間同士の技を組み合わせる事。これが団長である俺の課題だ。今までの俺達はパーティーとして戦っていなかった。強い個人が集まる集団だった。これからはお互いの長所と短所を把握しながら戦える様になろう。それ以外に群れで行動するブラックドラゴンを倒す手段は無いだろう……。

 俺が新たな魔法のアイディアを仲間達に伝えると、仲間達は大いに盛り上がった。これでなんとかアレラ山脈を越えられそうだ……。


 昨日は暫くブラックドラゴンとの戦い方を考えた後、早めに寝てしまった。今日はクリスタルと共に早朝の訓練を行った後、宿で朝食を摂り、パーティー全体での訓練と、新たな魔法の練習を始める事にした。

 町を出て三十分ほど進んだ場所で訓練を行う。昨晩考えた戦略は、パーティーを二つに分けて、ブラックドラゴンに攻撃を仕掛ける。別々の角度から、複数の属性魔法を連発すれば、短時間で莫大なダメージを与えられるだろう。

 まずはパーティーを二つに分ける。物理攻撃が得意なメンバーと、魔法攻撃が得意なメンバーを被らないように分け、回復魔法が使えるクーデルカとユニコーンを別のパーティーに入れる。クリスタルは安全な場所からマジックシールドを仲間に掛けて貰う事にした。

 俺、ワイバーン、クーデルカ、アイリーン。
 ゲルストナー、キング、ルナ、ユニコーン、クリスタル。

 メンバーが確定した。騎士団の中で防御力が高い俺とゲルストナーを中心としたパーティーだ。回復魔法を使えるクーデルカとユニコーンを守りながら戦うスタイルになるだろう。パーティーを二つに分けたら、早速連携を意識した訓練を行う事にした。まずは俺とワイバーンの連携技であるメテオを習得しなければならない。

「ワイバーン。今から新しい魔法の練習をするよ。俺が土の塊を落とすから、土に対して炎を吐いてくれるかな?」

 ワイバーンは静かに頷くと、俺はワイバーンの背中に飛び乗った。一気に上昇すると、俺は両手を地面に向けて土の魔力を放出した。巨大な球状の土を作り上げると、ワイバーンが口を大きく開き、爆発的な炎を放った。

 強烈な炎を纏う土の塊を、地面に叩きつける様に魔力を込めると、メテオが落下を始めた。周囲に強い炎を撒き散らしながら地面に落ちると、大地を大きく振動させ、炎を纏う土が爆発した。静かな森には巨大な破裂音が轟き、辺り一帯を炎上させた。

 これが俺とワイバーンの魔法か……強いという言葉では表現出来ない程の威力だ。レベル90の召喚士と、幻魔獣が作り上げた渾身の魔法。今の一撃ならブラックドラゴンでも倒せるだろう。少なくとも、同じ幻獣クラスのブラックライカンなら、確実に仕留められる筈だ。
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