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第二章「王国を目指して」
第八十三話「団長とギルドマスター」
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船長は力なく起き上がると、ユニコーンは船長に対して回復魔法を掛けた。サーベルを仕舞い、俺に頭を下げると、熱狂的な歓声が沸き起こった。
「あの子供、船長を吹き飛ばすなんて……信じられないな……」
「海賊ギルドのギルドマスターが手も足も出ないとは! 天才的な冒険者も居るんだな」
「もしかして、大陸で最高レベルって言われてるサシャ・ボリンガーじゃないのか?」
誰かが俺の名前を呟くと、野次馬が一斉に俺を取り囲んだ。俺も随分知名度があるのか、弟子にして欲しいという人も居れば、騎士団に入りたいという人も居る。申し出を丁重にお断りてから、船長と共に海賊ギルドに入った。
「坊主! お前の勝ちだ! 約束通り、望む物はなんでもやろう! その前に……お前さんは何者なんだ? 魔族の力を持っているみたいだが」
「俺はボリンガー騎士団、団長。レベル90、幻魔獣の召喚士、サシャ・ボリンガーです」
「俺はエドガー・アルムガルト 。海賊ギルドのマスター。レベルは50だ。サシャよ、お前さんが召喚士というのは本当か? さっきの戦い方は戦士そのものだった。デュラハンの様な強い魔力を感じたぞ」
「実は、俺はデュラハンの力を受け継いでいるんです」
「なんだって?」
俺はデュラハンとの出会いや、デュラハンから力を授かった事を全て話した。どうやら船長は昔、デュラハンとパーティーを組んで旅をしていたらしい。
「サシャ、葡萄酒を一杯やらんか? お前さんとの戦いですっかり疲れてしまった。あんなに強い剣を受けたのはダリル・ボリンガー以来かな……」
「それでは頂きます。エドガーさん、ダリル・ボリンガーは俺の父です。俺が幼い頃に魔物との戦闘で命を落としましたが……」
「それは本当か? あの男が死んだとは信じられないな……デュラハンにダリル、優れた者ほど早く死ぬんだな」
俺はエドガーさんから葡萄酒が入ったゴブレットを受け取り、一口飲んだ。柔らかな口当たりで飲みやすい。ゆっくと葡萄酒を飲みながら、父やデュラハンについて語り合った。エドガーさんのパーティーは当時、大陸で最強とも言われていたらしい。アルテミス王国で初めて、単独パーティーで幻獣のレッドドラゴンを討伐した事で有名になったそうだ。通常、幻獣の様な強力な魔物を倒す時は複数のパーティーで協力し合って討伐するらしい。
「サシャ、約束だ。好きな物をやろう」
「ありがとうございます! エドガーさん!」
「俺の事はエドガーと呼んでくれ、それに、敬語も使うな。どうもお前さんとは他人の様な気がしないからな」
「分かったよ、エドガー」
それからエドガーは俺達を海賊ギルド内の宝物庫に案内してくれた……。
「あの子供、船長を吹き飛ばすなんて……信じられないな……」
「海賊ギルドのギルドマスターが手も足も出ないとは! 天才的な冒険者も居るんだな」
「もしかして、大陸で最高レベルって言われてるサシャ・ボリンガーじゃないのか?」
誰かが俺の名前を呟くと、野次馬が一斉に俺を取り囲んだ。俺も随分知名度があるのか、弟子にして欲しいという人も居れば、騎士団に入りたいという人も居る。申し出を丁重にお断りてから、船長と共に海賊ギルドに入った。
「坊主! お前の勝ちだ! 約束通り、望む物はなんでもやろう! その前に……お前さんは何者なんだ? 魔族の力を持っているみたいだが」
「俺はボリンガー騎士団、団長。レベル90、幻魔獣の召喚士、サシャ・ボリンガーです」
「俺はエドガー・アルムガルト 。海賊ギルドのマスター。レベルは50だ。サシャよ、お前さんが召喚士というのは本当か? さっきの戦い方は戦士そのものだった。デュラハンの様な強い魔力を感じたぞ」
「実は、俺はデュラハンの力を受け継いでいるんです」
「なんだって?」
俺はデュラハンとの出会いや、デュラハンから力を授かった事を全て話した。どうやら船長は昔、デュラハンとパーティーを組んで旅をしていたらしい。
「サシャ、葡萄酒を一杯やらんか? お前さんとの戦いですっかり疲れてしまった。あんなに強い剣を受けたのはダリル・ボリンガー以来かな……」
「それでは頂きます。エドガーさん、ダリル・ボリンガーは俺の父です。俺が幼い頃に魔物との戦闘で命を落としましたが……」
「それは本当か? あの男が死んだとは信じられないな……デュラハンにダリル、優れた者ほど早く死ぬんだな」
俺はエドガーさんから葡萄酒が入ったゴブレットを受け取り、一口飲んだ。柔らかな口当たりで飲みやすい。ゆっくと葡萄酒を飲みながら、父やデュラハンについて語り合った。エドガーさんのパーティーは当時、大陸で最強とも言われていたらしい。アルテミス王国で初めて、単独パーティーで幻獣のレッドドラゴンを討伐した事で有名になったそうだ。通常、幻獣の様な強力な魔物を倒す時は複数のパーティーで協力し合って討伐するらしい。
「サシャ、約束だ。好きな物をやろう」
「ありがとうございます! エドガーさん!」
「俺の事はエドガーと呼んでくれ、それに、敬語も使うな。どうもお前さんとは他人の様な気がしないからな」
「分かったよ、エドガー」
それからエドガーは俺達を海賊ギルド内の宝物庫に案内してくれた……。
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