召喚物語 - 召喚魔法を極めた村人の成り上がり -

花京院 光

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第二章「王国を目指して」

第八十七話「召喚士との出会い」

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「まさか……あなた様が幻魔獣の召喚士、サシャ・ボリンガー様ですか? 失礼しました!」

 ギルドマスターが急いで頭を下げると、クーデルカは杖を仕舞った。俺の正体を知った召喚士達は、一斉に俺を取り囲んだ。どうやら俺の召喚魔法を研究している人が多いみたいだ。

「俺はボリンガー騎士団団長、レベル90。幻魔獣の召喚士、サシャ・ボリンガーです。今日はクエストについての情報収集と、召喚のための素材を探しに来たのですが……もし迷惑なのでしたら、すぐに退散しますが」
「迷惑だなんてとんでもございません! 我々のギルドに訪問して下さって、ありがとうございます! 私はレベル46、召喚士のアルベルト・ブルクハルトです。まさか、あの天才召喚士、ボリンガー様にお会い出来るとは、夢のようです!」
「天才ではありませんが、突然の訪問を受け入れて下さってありがとうございます」

 身分を明かした途端、態度を変える。こういう人は今まで大勢出会ってきた。やはり、他人はレベルや称号でしか俺を判断しないんだ。レベルが高ければ優遇される世の中は単純で良いが、レベルの高さや称号は飾りでしかない。本当の実力は剣を交えなければ分からないし、レベルが高ければ賞賛に値する人物という訳でもない。レベル至上主義もいかがなものだろうか。

「ボリンガー様の噂は耳にしておりました。幻魔獣のワイバーンや幻獣のユニコーンの召喚に成功した天才召喚士。実は私はボリンガー様の召喚魔法についての本を書いています」
「え? 本ですか?」
「はい! どうぞ御覧ください」

 と言って、ギルドマスターは一冊の本を俺に渡した。中を見てみると、故郷のリーシャ村や、配下の村や町、使用可能な魔法や戦い方等、様々な事についてまとめられていた。

「この本は何ですか?」
「私は長年、召喚魔法と魔物の研究をしています。ある日、私はボリンガー様の噂を耳にしました。『十五歳の召喚士が幻魔獣のスケルトンキングを連れて旅をしている』と。しかも、その召喚士は幻魔獣だけではなく、幻獣のユニコーンの召喚にも成功したと聞きました。私はその日からボリンガー様の召喚魔法の研究を始めました」
「俺についての研究ですか。自分の本が書かれているなんて、何とも不思議な気分です」
「迷惑でしたか? 召喚士として、天才的な召喚士の生涯をまとめた本を後世に遺したいと思っているのです」
「迷惑ではありませんが、本の内容には間違いの無いようにお願いします。この部分、『十五歳の天才召喚士』と書かれていますが、天才などという言葉は使わないで貰えると助かります。立派な人間だと思われると生きづらくなるだけなので」
「はい、訂正しておきます!」

 自分の本を書かれるのは複雑な気分だ。俺はそれからアルベルトさんに対し、本拠地作りの計画を話した。本拠地を作るためにお金を稼ぐ必要がある事、強力な魔物の素材を探している事を伝えると、彼は俺の言葉を全て書き取った。

 召喚士達は本拠地作りに興味があるのか、俺とゲルストナーが考えている、召喚獣と人間が共存出来る村についての説明をした。今ここに集まっている召喚士の心を掴む事が出来れば、本拠地作りがスムーズに進むはずだ。本拠地を作るのは流石に俺達だけでは無理だろうから、協力者を集める必要がある。信頼出来る仲間を集めて、力を貸しても貰おう。

 召喚士達は目を輝かせながら俺の話を聞いている。アルベルトさんが葡萄酒を出してくれたので、俺達はゆっくりとお酒を飲みながら語り合う事にした……。
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