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第四章「騎士団編」
第百三十九話「仲間との時間」
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部屋に入ると、人生で見た事もない程の豪華な椅子やベッドが置かれていた。ベッドは二つあるが、どちらのベッドも特大サイズで立派な装飾が施されている。部屋には浴室もあり、大理石で造られた豪華な浴室を見て、俺は言葉を失った。あまりにも高級な部屋を見ていると、ここが大陸最大の国、アルテミス王国だという事を思い出させる。
部屋の窓際には小さな机と椅子が置かれており、机の上には葡萄酒が入った瓶が置かれていた。これは、アイリーンが「まだ飲み足りないの……」と小声で呟いた事を大臣が覚えていて気を利かせてくれたのだろう。久しぶりに寝る前に仲間とゆっくり過ごせるな……。聞きたい事も沢山あるし、アイリーンとは本当に久しぶりに会う気がする。
「アイリーン、宴の席ではあまり話せなかったけど、魔王軍との戦いの話を聞かせてくれないかな」
「勿論。今日はゆっくり語り合うの」
俺は窓際に置かれた椅子に座ると、アイリーンは俺の膝の上に飛び乗った。女性が膝の上に乗っているという感覚ではなく、可愛い猫が乗っているような不思議な感覚だ。ルナとシルフはベッドで横になりながら俺達の話を聞いている。シャーロットとクーデルカは二人で風呂に入っているらしい。アイリーンは葡萄酒を片手に魔法軍との戦いに付いて詳しく説明してくれた。
幻獣率いる魔王軍の無数の小隊を、キングを中心とした陣形を組んで駆逐したらしい。俺もアイリーンに対して魔王との戦いや、海賊船での生活の話を聞かせた。彼女は葡萄酒を飲みながら、時折俺に頬ずりをして、何度も俺を見つめた。久しぶりに会うアイリーンは格別に美しく見える。やはり俺は仲間の事が好きなのか、彼女のモフモフした尻尾を触りながら、アイリーンのしなやかな体を抱き寄せた。
「いつかあたしも船に乗りたいの……」
「そうだね。今度アイリーンもエドガーの海賊船に乗せてもらいなよ! エドガーは『腕が立つ者ならいつでも歓迎する』って言ってたよ」
「楽しみなの……」
アイリーンは俺の膝の上から降りると、ベッドで横になっていたシルフの頭を撫でた。シルフはアイリーンを見上げると、頬を赤らめてアイリーンの手を握った。
「シルフ、元気にしていたの? 危ない目には遭わなかったの……?」
「うん……サシャが居たから大丈夫だったよ」
「それは良かったの。毎日心配していたの……」
「ありがとう。私も皆の事を想っていたよ」
アイリーンはいつでも仲間思いで心優しい女性だ。騎士団メンバーで唯一の獣人。敵との戦闘では率先して攻撃を仕掛け、素早い動きで敵を翻弄して攻撃の機会を作ってくれる。戦闘時の仲間との相性も良く、どのメンバーと組み合わせても最大限に発揮する。槍の達人でもあり、ルナと互角に打ち合える程の強さを持っている。
シャーロットとクーデルカが風呂から上がってくると、クーデルカはシャーロットに自分のネグリジェを着せた。クーデルカの髪の色と同じ紫色で、目のやり場に困る薄手のネグリジェだ。胸の部分が窮屈そうに盛り上がっており、ネグリジェの越しの彼女の豊満な胸の形が手に取る様に分かる。あまりにも刺激が強い服装に、俺は咄嗟に目を逸らしてしまった。
シャーロットとクーデルカの体形は似ているのか、シャーロットはクーデルカの服を借りて着る事も多い。というのも、魔王城の中で生まれたシャーロットは自分の服も装備も持っていない。普段装備している防具は、以前ルナが使っていたお下がりの装備だ。シャーロットにも新しい装備を買わなければならないだろう。
「サシャ。アイリーンがサシャとお風呂に入りたがっているわよ……」
シャーロットが濡れた髪を拭きながら俺に抱き着いた。ネグリジェ越しに、彼女の柔らかい胸が当たる。俺はシャーロットのタオルを手に取り、彼女の美しい髪を乾かした。
「サシャとシャーロットは仲が良いの……早く風呂に入るの」
アイリーンはそう言うと、シルフとルナの手を引いて風呂に向かった。それから俺は、暫く風呂でアイリーンと今後の事について語り合った。久しぶりに一緒に風呂に入ったアイリーンは少し恥ずかしそうにしているが、一番恥ずかしいのは俺だ。
毎日女性に囲まれて生活しているせいか、徐々に女性と風呂に入る事も慣れてきた。女性といっても、人間の女性ではない。獣人やハーピー、サキュバスやデス、風の精霊。人間ではなくても体は人間同然だ。アイリーンを除けば、全て俺の召喚獣、ルナに関しては俺が育成した魔物だ。
自分が育てた魔物に対して興奮してしまう事が情けなく思う事もあるが、俺がその悩みをゲルストナーに打ち明けると「贅沢な悩みだな……羨ましい限りだ」とマジ切れ寸前の表情をした事があった。
「サシャ、今日はあたしと一緒に寝るの」
俺はアイリーンと、ルナ、それからシルフと同じベッドで寝る事にし、クーデルカとシャーロットは二人で寝て貰う事にした。シルフはルナと同じくらい甘えん坊で、いつも俺の傍に居ないと気が済まないらしい。俺を守るために、仲間を守るために生まれた精霊だからだろうか。
シルフを見ていると、生まれたばかりのルナを思い出して、たまに寂しくなる事がある。あの頃のルナは小さくて、俺の肩や頭の上に乗って遊んでいたのに、今では立派な女性になってしまった。ルナは俺の隣に横になると、微笑みながら俺を見つめた。彼女の艶のある髪を撫でると、心地良さそうに目を閉じた。やはり俺はルナが好きなのだろう。彼女に触れている時、彼女の事を想っている時は、胸が高鳴り、少しでも長く一緒に居たいと思う。
「サシャ、腕枕して!」
「ああ。おいで、一緒に寝ようか」
「うん!」
「あたしにも腕枕をするの!」
「分かったよ。アイリーン」
アイリーンは俺の腕の上に頭を乗せると、何度も俺の顔に頬ずりをし、俺を強く抱きしめた。やっと会えたのだから、暫くは甘えさせてあげよう。彼女は旅の途中で仲間を皆殺しにされた過去を持つ女性だ。これからは俺が彼女を守らなければならない……。
それから俺はルナとアイリーンを抱きしめ、夜遅くまでこれからの事を語りながら眠りに就いた……。
部屋の窓際には小さな机と椅子が置かれており、机の上には葡萄酒が入った瓶が置かれていた。これは、アイリーンが「まだ飲み足りないの……」と小声で呟いた事を大臣が覚えていて気を利かせてくれたのだろう。久しぶりに寝る前に仲間とゆっくり過ごせるな……。聞きたい事も沢山あるし、アイリーンとは本当に久しぶりに会う気がする。
「アイリーン、宴の席ではあまり話せなかったけど、魔王軍との戦いの話を聞かせてくれないかな」
「勿論。今日はゆっくり語り合うの」
俺は窓際に置かれた椅子に座ると、アイリーンは俺の膝の上に飛び乗った。女性が膝の上に乗っているという感覚ではなく、可愛い猫が乗っているような不思議な感覚だ。ルナとシルフはベッドで横になりながら俺達の話を聞いている。シャーロットとクーデルカは二人で風呂に入っているらしい。アイリーンは葡萄酒を片手に魔法軍との戦いに付いて詳しく説明してくれた。
幻獣率いる魔王軍の無数の小隊を、キングを中心とした陣形を組んで駆逐したらしい。俺もアイリーンに対して魔王との戦いや、海賊船での生活の話を聞かせた。彼女は葡萄酒を飲みながら、時折俺に頬ずりをして、何度も俺を見つめた。久しぶりに会うアイリーンは格別に美しく見える。やはり俺は仲間の事が好きなのか、彼女のモフモフした尻尾を触りながら、アイリーンのしなやかな体を抱き寄せた。
「いつかあたしも船に乗りたいの……」
「そうだね。今度アイリーンもエドガーの海賊船に乗せてもらいなよ! エドガーは『腕が立つ者ならいつでも歓迎する』って言ってたよ」
「楽しみなの……」
アイリーンは俺の膝の上から降りると、ベッドで横になっていたシルフの頭を撫でた。シルフはアイリーンを見上げると、頬を赤らめてアイリーンの手を握った。
「シルフ、元気にしていたの? 危ない目には遭わなかったの……?」
「うん……サシャが居たから大丈夫だったよ」
「それは良かったの。毎日心配していたの……」
「ありがとう。私も皆の事を想っていたよ」
アイリーンはいつでも仲間思いで心優しい女性だ。騎士団メンバーで唯一の獣人。敵との戦闘では率先して攻撃を仕掛け、素早い動きで敵を翻弄して攻撃の機会を作ってくれる。戦闘時の仲間との相性も良く、どのメンバーと組み合わせても最大限に発揮する。槍の達人でもあり、ルナと互角に打ち合える程の強さを持っている。
シャーロットとクーデルカが風呂から上がってくると、クーデルカはシャーロットに自分のネグリジェを着せた。クーデルカの髪の色と同じ紫色で、目のやり場に困る薄手のネグリジェだ。胸の部分が窮屈そうに盛り上がっており、ネグリジェの越しの彼女の豊満な胸の形が手に取る様に分かる。あまりにも刺激が強い服装に、俺は咄嗟に目を逸らしてしまった。
シャーロットとクーデルカの体形は似ているのか、シャーロットはクーデルカの服を借りて着る事も多い。というのも、魔王城の中で生まれたシャーロットは自分の服も装備も持っていない。普段装備している防具は、以前ルナが使っていたお下がりの装備だ。シャーロットにも新しい装備を買わなければならないだろう。
「サシャ。アイリーンがサシャとお風呂に入りたがっているわよ……」
シャーロットが濡れた髪を拭きながら俺に抱き着いた。ネグリジェ越しに、彼女の柔らかい胸が当たる。俺はシャーロットのタオルを手に取り、彼女の美しい髪を乾かした。
「サシャとシャーロットは仲が良いの……早く風呂に入るの」
アイリーンはそう言うと、シルフとルナの手を引いて風呂に向かった。それから俺は、暫く風呂でアイリーンと今後の事について語り合った。久しぶりに一緒に風呂に入ったアイリーンは少し恥ずかしそうにしているが、一番恥ずかしいのは俺だ。
毎日女性に囲まれて生活しているせいか、徐々に女性と風呂に入る事も慣れてきた。女性といっても、人間の女性ではない。獣人やハーピー、サキュバスやデス、風の精霊。人間ではなくても体は人間同然だ。アイリーンを除けば、全て俺の召喚獣、ルナに関しては俺が育成した魔物だ。
自分が育てた魔物に対して興奮してしまう事が情けなく思う事もあるが、俺がその悩みをゲルストナーに打ち明けると「贅沢な悩みだな……羨ましい限りだ」とマジ切れ寸前の表情をした事があった。
「サシャ、今日はあたしと一緒に寝るの」
俺はアイリーンと、ルナ、それからシルフと同じベッドで寝る事にし、クーデルカとシャーロットは二人で寝て貰う事にした。シルフはルナと同じくらい甘えん坊で、いつも俺の傍に居ないと気が済まないらしい。俺を守るために、仲間を守るために生まれた精霊だからだろうか。
シルフを見ていると、生まれたばかりのルナを思い出して、たまに寂しくなる事がある。あの頃のルナは小さくて、俺の肩や頭の上に乗って遊んでいたのに、今では立派な女性になってしまった。ルナは俺の隣に横になると、微笑みながら俺を見つめた。彼女の艶のある髪を撫でると、心地良さそうに目を閉じた。やはり俺はルナが好きなのだろう。彼女に触れている時、彼女の事を想っている時は、胸が高鳴り、少しでも長く一緒に居たいと思う。
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「あたしにも腕枕をするの!」
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