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第四章「騎士団編」
第百五十三話「サシャの新魔法」
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『火と炎の魔術・初級』俺が最初に手に取ったのはこの本だ。この本の中で説明されている初歩的な魔法の中でエミリアが覚えやすそうな魔法を選んで教える事にしよう。最終的にはヘルファイアを撃てるようになって欲しいが、幻魔獣の固有魔法は、技と術者の相性が合わなければ使う事も出来ない。ヘルファイアについては後で考えるとしよう。
俺は本のページを開いて読み始めた。本は手書きで書かれている。著者の名前を見てみると魔術師、ブレンダ・ベイノンと書かれている。ブレンダさんが著者だったのか。自分で書いた本を俺に売ったという訳か。魔法の教育も出来て本も書ける、きっとかなり優秀な魔術師に違いない。俺は本の中から簡単そうな魔法を選んだ。
『ファイア』『ファイアショット』『ファイアボール』以上3種類の魔法だ。難易度が高いのはファイアボール、ファイアショット、ファイアの順番らしい。ファイアは小さな炎を作り出す技。入門者はまず最初にファイアを覚えるらしい。
ファイアショットは作り出した炎を球体にして飛ばす技。球の大きさや速度は術者の魔力と熟練度によって変わるらしい。ファイアボールこの魔法はファイアショットの強化版らしい。大な炎の球を作り出して飛ばす破壊力の高い魔法のらしい。
ブレンダさんの本には魔法の説明と共に、色とりどりのインクで描かれた絵が楽しそうに動いている。魔法の力で書いた絵は動かす事もできるらしい。随分と器用なんだな。作家としてもかなり有能なんじゃないのか? 本拠地を作ったら是非、店を開いて貰いたいな。
絵の中のファイアボールは巨大な炎の球だ。絵の主人公、多分若い頃のブレンダさんが放った巨大な炎の球が、小さな家を木っ端みじんに吹き飛ばす描写が描かれている。この本は凄い。文章で魔法の説明をしながら、動く絵で読者を楽しませる。最高の本だ。文章が読めない子供でも簡単に魔法について理解する事が出来るだろう。
よし、エミリアには明日からマジックシールドとファイアを練習してもらおう。その前に、俺自身もファイアを覚えなければならないな。覚えるといっても、既にファイアよりも強力なヘルファイアを使いこなせる訳だから、わざわざ下位の魔法を練習する意味もないような気はするが、一応やってみよう。魔法のイメージはヘルファイアよりも遥かに弱い炎。俺は右手を体の前に出して炎の魔力を込めた。
『ファイア!』
魔法を唱えると手の中には小さな炎が生まれた。強い風が吹けばすぐに消えそうな弱い炎だ。ヘルファイアを使いなれている俺には随分弱弱しく見えるが、これが通常の炎なのだろう。試しに炎を飛ばしてファイアショットにしてみよう。談話室の中の暖炉に向けて飛ばせば良いだろうか。
『ファイアショット!』
手の中に作り上げた炎を飛ばすと、暖炉が激しく燃えだした。
「サシャ! 何してるの?」
シャーロットと仲良く童話を読んでいたシルフは、突如放たれた炎の球に驚いた。
「ファイアショットっていう魔法を試してみたんだよ。驚かせちゃったね」
「もう一回見たい!」
俺はその後、シルフとシャーロットにせがまれて何度も火の球を飛ばす事になった。何度も使ってみて分かった事がある。この魔法は非常に使い勝手が良い。わざわざ土の魔法を槍にして攻撃していた事が馬鹿らしく思える程、簡単で便利だ。魔力の消費量も少ないし、魔力の総量が上がった俺なら無限に撃てるような気がする。
さて、次はファイアボールを撃ってみよう。流石に巨大な球状の炎の塊を暖炉目がけて放つのは危険すぎるだろう。俺はシルフの魔法で受けて貰う事にした。シルフのスピリットシールドの前では通常の炎で作った攻撃など、一瞬でかき消されてしまうからな。
「シルフ、ちょっと球遊びしようか!」
「球遊び? どうやるの!」
シルフは目を輝かせて空中に浮かんだ。
「談話室の端でスピリットシールドを使ってくれるかな?」
俺が頼むと、談話室の端まで飛んで行ってスピリットシールドを張った。このシールドは俺のアースウォールよりも遥かに防御力が高い。
「準備出来たよ!」
よし、俺は再び手の中に炎の球を作り出した。作った炎をシルフに目がけて飛ばせば良い。シルフなら一瞬でかき消してくれるだろう。
『ァイアボール!』
魔法を叫ぶと、手の中に作られた巨大な炎の球は高速でシルフ目がけて放たれた。炎の球はシルフの張ったシールドに激突すると、爆発音を立てて一瞬で消え去った。やっぱりシルフにはこの程度の魔法は通用しない ただの炎の球を受けるだけなら、通常のマジックシールドでも十分だ。
「今のが球遊びなの?」
遊びというよりは、俺が飛ばした炎を防いで貰っただけだ。よく考えると俺だけが遊んでいたな。
「ちょっと威力を試しただけだよ。今度面白い遊びを考えておくからね」
「そうなんだ! 今の魔法、面白いね! 炎の球を作って飛ばすんだ!」
「そうそう、炎の魔法の入門者向けの魔法らしいよ。明日からエミリアに教えるために練習しているんだ」
よし、エミリアに教える魔法の予習はこれくらいで良いだろう。今日一番したかった事は『守護者の召喚と生成』の本を読んでガーディアンを召喚する事。まずはじっくり本を読んでガーディアンについて理解する事にしよう……。
俺は本のページを開いて読み始めた。本は手書きで書かれている。著者の名前を見てみると魔術師、ブレンダ・ベイノンと書かれている。ブレンダさんが著者だったのか。自分で書いた本を俺に売ったという訳か。魔法の教育も出来て本も書ける、きっとかなり優秀な魔術師に違いない。俺は本の中から簡単そうな魔法を選んだ。
『ファイア』『ファイアショット』『ファイアボール』以上3種類の魔法だ。難易度が高いのはファイアボール、ファイアショット、ファイアの順番らしい。ファイアは小さな炎を作り出す技。入門者はまず最初にファイアを覚えるらしい。
ファイアショットは作り出した炎を球体にして飛ばす技。球の大きさや速度は術者の魔力と熟練度によって変わるらしい。ファイアボールこの魔法はファイアショットの強化版らしい。大な炎の球を作り出して飛ばす破壊力の高い魔法のらしい。
ブレンダさんの本には魔法の説明と共に、色とりどりのインクで描かれた絵が楽しそうに動いている。魔法の力で書いた絵は動かす事もできるらしい。随分と器用なんだな。作家としてもかなり有能なんじゃないのか? 本拠地を作ったら是非、店を開いて貰いたいな。
絵の中のファイアボールは巨大な炎の球だ。絵の主人公、多分若い頃のブレンダさんが放った巨大な炎の球が、小さな家を木っ端みじんに吹き飛ばす描写が描かれている。この本は凄い。文章で魔法の説明をしながら、動く絵で読者を楽しませる。最高の本だ。文章が読めない子供でも簡単に魔法について理解する事が出来るだろう。
よし、エミリアには明日からマジックシールドとファイアを練習してもらおう。その前に、俺自身もファイアを覚えなければならないな。覚えるといっても、既にファイアよりも強力なヘルファイアを使いこなせる訳だから、わざわざ下位の魔法を練習する意味もないような気はするが、一応やってみよう。魔法のイメージはヘルファイアよりも遥かに弱い炎。俺は右手を体の前に出して炎の魔力を込めた。
『ファイア!』
魔法を唱えると手の中には小さな炎が生まれた。強い風が吹けばすぐに消えそうな弱い炎だ。ヘルファイアを使いなれている俺には随分弱弱しく見えるが、これが通常の炎なのだろう。試しに炎を飛ばしてファイアショットにしてみよう。談話室の中の暖炉に向けて飛ばせば良いだろうか。
『ファイアショット!』
手の中に作り上げた炎を飛ばすと、暖炉が激しく燃えだした。
「サシャ! 何してるの?」
シャーロットと仲良く童話を読んでいたシルフは、突如放たれた炎の球に驚いた。
「ファイアショットっていう魔法を試してみたんだよ。驚かせちゃったね」
「もう一回見たい!」
俺はその後、シルフとシャーロットにせがまれて何度も火の球を飛ばす事になった。何度も使ってみて分かった事がある。この魔法は非常に使い勝手が良い。わざわざ土の魔法を槍にして攻撃していた事が馬鹿らしく思える程、簡単で便利だ。魔力の消費量も少ないし、魔力の総量が上がった俺なら無限に撃てるような気がする。
さて、次はファイアボールを撃ってみよう。流石に巨大な球状の炎の塊を暖炉目がけて放つのは危険すぎるだろう。俺はシルフの魔法で受けて貰う事にした。シルフのスピリットシールドの前では通常の炎で作った攻撃など、一瞬でかき消されてしまうからな。
「シルフ、ちょっと球遊びしようか!」
「球遊び? どうやるの!」
シルフは目を輝かせて空中に浮かんだ。
「談話室の端でスピリットシールドを使ってくれるかな?」
俺が頼むと、談話室の端まで飛んで行ってスピリットシールドを張った。このシールドは俺のアースウォールよりも遥かに防御力が高い。
「準備出来たよ!」
よし、俺は再び手の中に炎の球を作り出した。作った炎をシルフに目がけて飛ばせば良い。シルフなら一瞬でかき消してくれるだろう。
『ァイアボール!』
魔法を叫ぶと、手の中に作られた巨大な炎の球は高速でシルフ目がけて放たれた。炎の球はシルフの張ったシールドに激突すると、爆発音を立てて一瞬で消え去った。やっぱりシルフにはこの程度の魔法は通用しない ただの炎の球を受けるだけなら、通常のマジックシールドでも十分だ。
「今のが球遊びなの?」
遊びというよりは、俺が飛ばした炎を防いで貰っただけだ。よく考えると俺だけが遊んでいたな。
「ちょっと威力を試しただけだよ。今度面白い遊びを考えておくからね」
「そうなんだ! 今の魔法、面白いね! 炎の球を作って飛ばすんだ!」
「そうそう、炎の魔法の入門者向けの魔法らしいよ。明日からエミリアに教えるために練習しているんだ」
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