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第四章「騎士団編」
第百六十五話「エミリアのカメオ」
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〈サシャ視点〉
やれやれ……。よく分からないが俺は面倒な事に巻き込まれてしまった。だが、俺はクリスタルを守るためなら何でもする。少年を追い払ってすぐに城に帰るとしよう……。
「剣を抜け!」
俺は少年に連れられて店を出ると、店に居た冒険者達も一緒になって店を出た。
「勝負の前に名を名乗るのが礼儀ではないかな?」
俺がそう言うと、少年は狼狽した表情を浮かべて名乗り始めた。
「俺は未来のクリスタルの夫! レベル2の剣士! フランシス・アヴァロンだ!」
レベル2……。確か俺が冒険に出た時はレベル3だったな……。レベル2で俺に戦いを挑むとは無謀にも程がある。だが、この少年はエイブラハムが認めた少年だ。油断は出来ないな。
「俺がもしお前に勝てたら、クリスタルは俺の物だ!」
「ああ、良いだろう。かかって来い!」
俺は相手の挑発に乗った。実際に武器を使うと本当に殺してしまうかもしれない。手加減をしなければならないな。相手を傷つけないように手加減をしつつ、もう二度と馬鹿な事をしないように目を醒まさせてやろう。
「いくぞ!」
フランシスと名乗った少年は、剣を振りかぶって俺に向かって走ってきた。あまりにも動きが遅すぎる。この剣ではスケルトンすら倒せないだろう。剣を振るまでの間に魔法を撃てば一撃で仕留める事も出来る。戦いすら知らず、冒険者や兵士に守られながら楽に生きてきたのだろう。
『アースウォール!』
俺がフランシスの足元にアースウォールを作り出すと、少年の体は一瞬で宙に浮いた。フランシスは驚いて剣を落とした。俺はフランシスの体を持ち上げると攻撃を仕掛けた。
『ファイアショット!』
威力を最小限にまで抑えた、今の俺が使える一番弱い攻撃魔法だ。俺の放った小さな炎の球は宙に浮くフランシスの体を捉えた。ファイアショットがフランシスに当たると、フランシスの服に火が付いた。地面に落下したフランシスは急いで火が付いた服を脱ぎ捨てた。
「危なかった……」
フランシスは安堵の表情を浮かべている。敵が目の前に居る事すら忘れて無防備にも服を脱ぐとは。服を脱ぐ前に俺が次の攻撃を仕掛けたらどう対処するつもりだったのだろうか。これ以上勝負を続ける必要は無いな……。俺は少年を痛めつける趣味はない。
「剣を拾え!」
俺がフランシスに命令すると、フランシスは落とした剣を急いで拾い上げた。戦いの最中に武器を手放すとは。もし、戦いを挑んだ相手が俺ではなく、もっと悪質な人間だったら確実に殺されていただろう。フランシスは剣を拾うと力任せに俺に振りかぶった。怒りに任せたフランシスの攻撃は隙だらけだった。
『マジックソード!』
俺はフランシスの攻撃を魔法の剣で受け止めた。攻撃を受け止めてから、魔法の剣に思い切り魔力を込めると、剣は激しく光り輝いてフランシスの剣を砕いた。ただ力任せに振られたフランシスの剣は、俺のマジックソードの前では木の棒同然。剣は使用者の魔力を纏って威力を増す。魔力が掛かっていない状態の剣では、俺のマジックソードには対抗できないだろう。
「勝負あり!」
決闘の終わりを告げたのはゲルストナーだった。ゲルストナーはフランシスの体に怪我がないか確認した後、今にも泣き出しそうな表情を浮かべているフランシスの頭を撫でた。
「フランシスと言ったな、クリスタルの事は諦めるんだ。相手が悪すぎるぞ」
「嫌だ! 俺は絶対に諦めない! クリスタルは俺の物だ!」
フランシスがそう言うと、クリスタルは少しだけ恥ずかしそうな表情を浮かべた。一度負けたのにまだ諦めないとは……。手加減しすぎて俺の実力が分からなかったのだろうか? それとも、どんな相手だとしても諦めない心の持ち主なのか? エイブラハムが認めた少年か。
「勇者とやら! 俺は絶対に諦めないぞ! 明日……明日は必ず俺が勝つ!」
フランシスはそう言ってどこかへ消えてしまった。すると、俺とフランシスの戦いを見ていたエイブラハムは大笑いした。
「サシャ! 面白れぇだろう? 俺はあいつが気に入った! 勇者に戦いを挑むとはな!」
エイブラハムはそう言って再び酒場に戻った。クラウディアは俺と目が合うと、俺に片目を瞑ってウィンクをして見せた。兎に角、よく分からない少年との戦いに勝利した俺達はすぐに城に戻った。俺達が城に戻ると、エミリアは大急ぎで俺の元に駆け付けてきた。手には小さな箱を持っている。
「サシャ! 待っていたわよ! これ、受け取って頂戴!」
俺はエミリアから小さな箱を受け取ると、エミリアは満面の笑みを浮かべた。早速箱を開けてみると、中にはカメオが入っていた。「アルテミス王国王女・エミリアのカメオ」ついにこの日が来たか……。あまり受け取りたくはないが、受け取る約束をしたからには仕方がない。
「ありがとうエミリア! 大切にするよ!」
カメオにはエミリアの横顔が丁寧に彫られており、実物のエミリアと同じくらい美しい。カメオの裏側には俺とエミリアの名前が書かれている。俺はブローチになっているカメオを胸元に付けると、エミリアは喜んで俺の胸に飛び込んできた。複雑な気分だな……。
俺の胸元にはクーデルカとエミリアのカメオが二つも付いている。一人の男が別々の女性のカメオを胸元に付けている事は少し変なのではないだろうか? どちらか片方を外した方が良いのでは? クーデルカのカメオを外そうか?いや……そんな事をしたらクーデルカに怒られそうだな。面倒だ……。
「サシャ! ご飯を頂きましょう」
まずは夜の食事を頂く事にしよう。今日は食事をした後、ゲルストナーと今後の事について話し合いたい。二人きりで話すべきだろうか? たまには彼と二人で話すのも良いかもしれないな……。
「勇者殿! カメオが似合っているぞ! まさか勇者殿がエミリアのカメオを胸元に付けてくれるとは……だが、カメオは片方だけにした方が良いのではないか?」
もしかしてこれは策略か……? 陛下は俺とエミリアを結婚させたいのではないだろうか?さっきの言葉は『クーデルカのカメオを外してエミリアのカメオだけを付けなさい』という様に聞こえたのだが、気のせいだろうか? 毎日、次から次へと問題が絶えないな。まぁ、カメオの事はひとまず置いておいて、先ほどの少年、フランシスの事をクリスタルから聞かなければならないな。
「クリスタル。さっきのフランシスという少年。彼の事は本当に何も知らないのかい?」
「ええ、何も知りません。急に私を妻にするって言ったんです!」
「そうか……かなり頭がおかしいのかもしれないな……」
あの少年はまた明日俺に挑んでくるらしい。気をつけなければならないな。俺達が話し合っていると、国王は興味深そうに話の輪に入ってきた。
「どうかしたのですかな? ニコルズ殿は勇者殿に勝てたら妻になっても良いと答えたのだな。相手は諦めそうにないと。随分と諦めの悪い少年ですな。勇者殿、気をつけるのでだぞ」
「はい、わかりました」
「まぁ、勇者殿に勝てる訳はないと思うが、思いつめた人間は何をするか分からないからな」
「そうですね……」
俺は最近陛下が父親の様に思えてきた。彼はいつも俺に優しい言葉を掛けてくれる。
「そうだった。勇者殿、大臣から本拠地に関する話を聞いたぞ。是非、ボリンガー騎士団の作る町でアルテミシア市民を受け入れてくれるとありがたい。魔王軍の襲撃後、アルテミシアからの人口流出が激しいのだ。アルテミシアからほど近い場所で勇者殿が町を作るなら、アルテミシアに住み慣れた市民達も安心して暮らせるのではないだろうか」
市民の中にはアルテミシアで復興をせずに、新しい場所で暮らしたいと思っている者も多いだろう。俺達が作る新しい町で、心機一転、人生をやり直したいと思っている人を探そう。俺は大臣に頼んで、明日から騎士団の本拠地での市民の移住の受付を始める事にした……。
やれやれ……。よく分からないが俺は面倒な事に巻き込まれてしまった。だが、俺はクリスタルを守るためなら何でもする。少年を追い払ってすぐに城に帰るとしよう……。
「剣を抜け!」
俺は少年に連れられて店を出ると、店に居た冒険者達も一緒になって店を出た。
「勝負の前に名を名乗るのが礼儀ではないかな?」
俺がそう言うと、少年は狼狽した表情を浮かべて名乗り始めた。
「俺は未来のクリスタルの夫! レベル2の剣士! フランシス・アヴァロンだ!」
レベル2……。確か俺が冒険に出た時はレベル3だったな……。レベル2で俺に戦いを挑むとは無謀にも程がある。だが、この少年はエイブラハムが認めた少年だ。油断は出来ないな。
「俺がもしお前に勝てたら、クリスタルは俺の物だ!」
「ああ、良いだろう。かかって来い!」
俺は相手の挑発に乗った。実際に武器を使うと本当に殺してしまうかもしれない。手加減をしなければならないな。相手を傷つけないように手加減をしつつ、もう二度と馬鹿な事をしないように目を醒まさせてやろう。
「いくぞ!」
フランシスと名乗った少年は、剣を振りかぶって俺に向かって走ってきた。あまりにも動きが遅すぎる。この剣ではスケルトンすら倒せないだろう。剣を振るまでの間に魔法を撃てば一撃で仕留める事も出来る。戦いすら知らず、冒険者や兵士に守られながら楽に生きてきたのだろう。
『アースウォール!』
俺がフランシスの足元にアースウォールを作り出すと、少年の体は一瞬で宙に浮いた。フランシスは驚いて剣を落とした。俺はフランシスの体を持ち上げると攻撃を仕掛けた。
『ファイアショット!』
威力を最小限にまで抑えた、今の俺が使える一番弱い攻撃魔法だ。俺の放った小さな炎の球は宙に浮くフランシスの体を捉えた。ファイアショットがフランシスに当たると、フランシスの服に火が付いた。地面に落下したフランシスは急いで火が付いた服を脱ぎ捨てた。
「危なかった……」
フランシスは安堵の表情を浮かべている。敵が目の前に居る事すら忘れて無防備にも服を脱ぐとは。服を脱ぐ前に俺が次の攻撃を仕掛けたらどう対処するつもりだったのだろうか。これ以上勝負を続ける必要は無いな……。俺は少年を痛めつける趣味はない。
「剣を拾え!」
俺がフランシスに命令すると、フランシスは落とした剣を急いで拾い上げた。戦いの最中に武器を手放すとは。もし、戦いを挑んだ相手が俺ではなく、もっと悪質な人間だったら確実に殺されていただろう。フランシスは剣を拾うと力任せに俺に振りかぶった。怒りに任せたフランシスの攻撃は隙だらけだった。
『マジックソード!』
俺はフランシスの攻撃を魔法の剣で受け止めた。攻撃を受け止めてから、魔法の剣に思い切り魔力を込めると、剣は激しく光り輝いてフランシスの剣を砕いた。ただ力任せに振られたフランシスの剣は、俺のマジックソードの前では木の棒同然。剣は使用者の魔力を纏って威力を増す。魔力が掛かっていない状態の剣では、俺のマジックソードには対抗できないだろう。
「勝負あり!」
決闘の終わりを告げたのはゲルストナーだった。ゲルストナーはフランシスの体に怪我がないか確認した後、今にも泣き出しそうな表情を浮かべているフランシスの頭を撫でた。
「フランシスと言ったな、クリスタルの事は諦めるんだ。相手が悪すぎるぞ」
「嫌だ! 俺は絶対に諦めない! クリスタルは俺の物だ!」
フランシスがそう言うと、クリスタルは少しだけ恥ずかしそうな表情を浮かべた。一度負けたのにまだ諦めないとは……。手加減しすぎて俺の実力が分からなかったのだろうか? それとも、どんな相手だとしても諦めない心の持ち主なのか? エイブラハムが認めた少年か。
「勇者とやら! 俺は絶対に諦めないぞ! 明日……明日は必ず俺が勝つ!」
フランシスはそう言ってどこかへ消えてしまった。すると、俺とフランシスの戦いを見ていたエイブラハムは大笑いした。
「サシャ! 面白れぇだろう? 俺はあいつが気に入った! 勇者に戦いを挑むとはな!」
エイブラハムはそう言って再び酒場に戻った。クラウディアは俺と目が合うと、俺に片目を瞑ってウィンクをして見せた。兎に角、よく分からない少年との戦いに勝利した俺達はすぐに城に戻った。俺達が城に戻ると、エミリアは大急ぎで俺の元に駆け付けてきた。手には小さな箱を持っている。
「サシャ! 待っていたわよ! これ、受け取って頂戴!」
俺はエミリアから小さな箱を受け取ると、エミリアは満面の笑みを浮かべた。早速箱を開けてみると、中にはカメオが入っていた。「アルテミス王国王女・エミリアのカメオ」ついにこの日が来たか……。あまり受け取りたくはないが、受け取る約束をしたからには仕方がない。
「ありがとうエミリア! 大切にするよ!」
カメオにはエミリアの横顔が丁寧に彫られており、実物のエミリアと同じくらい美しい。カメオの裏側には俺とエミリアの名前が書かれている。俺はブローチになっているカメオを胸元に付けると、エミリアは喜んで俺の胸に飛び込んできた。複雑な気分だな……。
俺の胸元にはクーデルカとエミリアのカメオが二つも付いている。一人の男が別々の女性のカメオを胸元に付けている事は少し変なのではないだろうか? どちらか片方を外した方が良いのでは? クーデルカのカメオを外そうか?いや……そんな事をしたらクーデルカに怒られそうだな。面倒だ……。
「サシャ! ご飯を頂きましょう」
まずは夜の食事を頂く事にしよう。今日は食事をした後、ゲルストナーと今後の事について話し合いたい。二人きりで話すべきだろうか? たまには彼と二人で話すのも良いかもしれないな……。
「勇者殿! カメオが似合っているぞ! まさか勇者殿がエミリアのカメオを胸元に付けてくれるとは……だが、カメオは片方だけにした方が良いのではないか?」
もしかしてこれは策略か……? 陛下は俺とエミリアを結婚させたいのではないだろうか?さっきの言葉は『クーデルカのカメオを外してエミリアのカメオだけを付けなさい』という様に聞こえたのだが、気のせいだろうか? 毎日、次から次へと問題が絶えないな。まぁ、カメオの事はひとまず置いておいて、先ほどの少年、フランシスの事をクリスタルから聞かなければならないな。
「クリスタル。さっきのフランシスという少年。彼の事は本当に何も知らないのかい?」
「ええ、何も知りません。急に私を妻にするって言ったんです!」
「そうか……かなり頭がおかしいのかもしれないな……」
あの少年はまた明日俺に挑んでくるらしい。気をつけなければならないな。俺達が話し合っていると、国王は興味深そうに話の輪に入ってきた。
「どうかしたのですかな? ニコルズ殿は勇者殿に勝てたら妻になっても良いと答えたのだな。相手は諦めそうにないと。随分と諦めの悪い少年ですな。勇者殿、気をつけるのでだぞ」
「はい、わかりました」
「まぁ、勇者殿に勝てる訳はないと思うが、思いつめた人間は何をするか分からないからな」
「そうですね……」
俺は最近陛下が父親の様に思えてきた。彼はいつも俺に優しい言葉を掛けてくれる。
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