170 / 188
第四章「騎士団編」
第百六十九話「魔王討伐の勇者」
しおりを挟む
フランシスの気持ちが落ち着くと、俺達は早速授業を始める事にした。授業の前に昨日植えたシュルスクを見てみると、もう既に芽が出ていた。生命力が高いんだな。魔力を込めて植えたからだろうか。
「サシャ! 今日は何をするの?」
「今日はマジックシールドの復習から始めようか。一度マジックシールド見せてくれないかな?」
「わかったわ!」
『マジックシールド!』
エミリアが魔法を唱えると、昨日のマジックシールドとは比べ物にならない程立派な盾が現れた。エミリアは自慢げな表情で俺を見ている。凄いな……。短期間でここまで立派な盾を作れるようになるとは。
エミリアが作り出したマジックシールドは、俺がエミリアにプレゼントした雷撃の盾と瓜二つだった。これならしばらくの間、マジックシールドの練習をしなくても良いだろう。防御に関しては雷撃の盾があるから安心だ。あとは敵の攻撃を咄嗟に盾で受けられるように練習をすればいい。武器を作り出す練習はしばらく控えさせて、攻撃魔法を中心に教える事にした。
「完璧だよエミリア。しばらくはマジックシールドの練習はしなくても良いよ。今日からは授業中に雷撃の盾を使う事を許可する」
俺がそう言うと、エミリアは嬉しそうに背中に装備していた盾を左手に持った。余程俺が作った盾が気に入ったのか、エミリアは常に盾を持っている。勿論、業火の杖も肌身離さずベルトに挟んでいる。エミリアのベルトには業火の杖を仕舞うための専用の杖入れが取り付けられている事に気が付いた。いつの間にそんな物を準備したのだろうか。
次はファイアの復習だ。マジックシールドの上達具合から察するに、ファイアもかなりの威力になっているのではないだろうか。 本当に優秀な生徒だな。
「エミリア、次はファイアを見せてくれないかな?」
俺がエミリアに頼むと、彼女はすぐに業火の杖に魔力を込めた。
『ファイア!』
エミリアが魔力を込めると、杖の先端が激しく燃え出した。合格だ。エミリアは将来、有能な魔術師になるのではないだろうか。エミリアの潜在能力は計り知れないな。エミリアの母が、エミリアを生んだ瞬間に命を落としたと言っていたが、その時にエミリアの母の魔力を引き継いだのだろうか。俺がデュラハンやヘルフリートから力を授かったように。
「エミリア、合格だよ。今日は早速新しい魔法を教えよう。その前に、頑張ったエミリアに良いものを見せてあげるよ」
俺はエミリアに炎属性の魔法を見せてあげる事にした。どんな魔法が良いだろうか。エミリアが俺の魔法を見て、もっと上手に魔法を使えるようになりたい、と思えるような魔法……。
せっかくだからメテオを見せようか。俺のメテオは巨大な土の塊を空中に作り出してヘルファイアの炎を纏わせる、俺の使える魔法の中で最強の攻撃魔法だ。メテオは室内では使う事も出来ないし、使える状況も限られている魔法だから、今まではあまり使わなかったが、新しい大地に一発お見舞いしてやろう。俺の魔力を感じ取れば、この土地に潜んでいる魔物達は慌てて逃げ出すに違いない。
「何を見せてくれるの?」
エミリアは嬉しそうに俺の顔を見上げた。
「俺が使える魔法の中でも最強の炎の魔法だよ。厳密に言えば炎と土かな……さぁいくよ!」
俺は右手を頭上に高く上げてありったけの魔力を体中から集めた。魔法のイメージは、巨大な球状の土の塊がヘルファイアを纏って大地に降るイメージ。俺はこれから使う魔法のイメージをはっきりと頭で意識すると、宙に向けて魔力を放出した……。
『メテオ!』
思い切り魔法を叫ぶと、空中にはヘルファイアを纏った巨大な土の塊が姿を現した。俺のメテオを見るフランシスが恐怖のあまり表情が引きつっている……。自分が喧嘩を売った相手の実力を知って驚いたのだろうか。
俺が放ったメテオは、超速度で落下して大地に激突した。森林で火災が有ってはいけないから、激突の瞬間に炎の魔力を解除した。地面に激突した土の塊は爆音を立てて大地を大きく揺らした。突然のメテオに驚いたのか、近くに潜んでいた魔物達は一斉に逃げ出した。エミリアの方を見てみると、目を輝かせて俺を見つめている。
「サシャって本当に凄いのね……! 召喚魔法以外にもこんなに強い魔法が使えるなんて!」
「さっきの魔法はメテオって言うんだよ。巨大な土の塊にヘルファイアを纏わせて大地に落とす、最強で最悪の魔法……敵以外にも自然を傷つける魔法だからあまり使いたくはないけど、さっきの一撃で隠れてた魔物は一斉に逃げ出したみたいだね」
「やっぱり私はサシャから魔法を教わる事が出来て幸せだわ……本当に良い先生」
「更に魔法を頑張りたくなったかな……?」
「勿論! 私は国のために! 民のために! 必ず立派な魔術師になってみせるわ!」
「よしよし、それでこそ俺の弟子だ!」
エミリアは俺の魔法を見てやる気が出た様だ。この調子なら本当にすぐに偉大な魔術師になるかもしれない。だが、力の使い方を間違えないように、魔法以外にも精神的な面で鍛えてあげなければならないな。俺は早速次の魔法、ファイアショットを教える事にした。
「サシャ! 今日は何をするの?」
「今日はマジックシールドの復習から始めようか。一度マジックシールド見せてくれないかな?」
「わかったわ!」
『マジックシールド!』
エミリアが魔法を唱えると、昨日のマジックシールドとは比べ物にならない程立派な盾が現れた。エミリアは自慢げな表情で俺を見ている。凄いな……。短期間でここまで立派な盾を作れるようになるとは。
エミリアが作り出したマジックシールドは、俺がエミリアにプレゼントした雷撃の盾と瓜二つだった。これならしばらくの間、マジックシールドの練習をしなくても良いだろう。防御に関しては雷撃の盾があるから安心だ。あとは敵の攻撃を咄嗟に盾で受けられるように練習をすればいい。武器を作り出す練習はしばらく控えさせて、攻撃魔法を中心に教える事にした。
「完璧だよエミリア。しばらくはマジックシールドの練習はしなくても良いよ。今日からは授業中に雷撃の盾を使う事を許可する」
俺がそう言うと、エミリアは嬉しそうに背中に装備していた盾を左手に持った。余程俺が作った盾が気に入ったのか、エミリアは常に盾を持っている。勿論、業火の杖も肌身離さずベルトに挟んでいる。エミリアのベルトには業火の杖を仕舞うための専用の杖入れが取り付けられている事に気が付いた。いつの間にそんな物を準備したのだろうか。
次はファイアの復習だ。マジックシールドの上達具合から察するに、ファイアもかなりの威力になっているのではないだろうか。 本当に優秀な生徒だな。
「エミリア、次はファイアを見せてくれないかな?」
俺がエミリアに頼むと、彼女はすぐに業火の杖に魔力を込めた。
『ファイア!』
エミリアが魔力を込めると、杖の先端が激しく燃え出した。合格だ。エミリアは将来、有能な魔術師になるのではないだろうか。エミリアの潜在能力は計り知れないな。エミリアの母が、エミリアを生んだ瞬間に命を落としたと言っていたが、その時にエミリアの母の魔力を引き継いだのだろうか。俺がデュラハンやヘルフリートから力を授かったように。
「エミリア、合格だよ。今日は早速新しい魔法を教えよう。その前に、頑張ったエミリアに良いものを見せてあげるよ」
俺はエミリアに炎属性の魔法を見せてあげる事にした。どんな魔法が良いだろうか。エミリアが俺の魔法を見て、もっと上手に魔法を使えるようになりたい、と思えるような魔法……。
せっかくだからメテオを見せようか。俺のメテオは巨大な土の塊を空中に作り出してヘルファイアの炎を纏わせる、俺の使える魔法の中で最強の攻撃魔法だ。メテオは室内では使う事も出来ないし、使える状況も限られている魔法だから、今まではあまり使わなかったが、新しい大地に一発お見舞いしてやろう。俺の魔力を感じ取れば、この土地に潜んでいる魔物達は慌てて逃げ出すに違いない。
「何を見せてくれるの?」
エミリアは嬉しそうに俺の顔を見上げた。
「俺が使える魔法の中でも最強の炎の魔法だよ。厳密に言えば炎と土かな……さぁいくよ!」
俺は右手を頭上に高く上げてありったけの魔力を体中から集めた。魔法のイメージは、巨大な球状の土の塊がヘルファイアを纏って大地に降るイメージ。俺はこれから使う魔法のイメージをはっきりと頭で意識すると、宙に向けて魔力を放出した……。
『メテオ!』
思い切り魔法を叫ぶと、空中にはヘルファイアを纏った巨大な土の塊が姿を現した。俺のメテオを見るフランシスが恐怖のあまり表情が引きつっている……。自分が喧嘩を売った相手の実力を知って驚いたのだろうか。
俺が放ったメテオは、超速度で落下して大地に激突した。森林で火災が有ってはいけないから、激突の瞬間に炎の魔力を解除した。地面に激突した土の塊は爆音を立てて大地を大きく揺らした。突然のメテオに驚いたのか、近くに潜んでいた魔物達は一斉に逃げ出した。エミリアの方を見てみると、目を輝かせて俺を見つめている。
「サシャって本当に凄いのね……! 召喚魔法以外にもこんなに強い魔法が使えるなんて!」
「さっきの魔法はメテオって言うんだよ。巨大な土の塊にヘルファイアを纏わせて大地に落とす、最強で最悪の魔法……敵以外にも自然を傷つける魔法だからあまり使いたくはないけど、さっきの一撃で隠れてた魔物は一斉に逃げ出したみたいだね」
「やっぱり私はサシャから魔法を教わる事が出来て幸せだわ……本当に良い先生」
「更に魔法を頑張りたくなったかな……?」
「勿論! 私は国のために! 民のために! 必ず立派な魔術師になってみせるわ!」
「よしよし、それでこそ俺の弟子だ!」
エミリアは俺の魔法を見てやる気が出た様だ。この調子なら本当にすぐに偉大な魔術師になるかもしれない。だが、力の使い方を間違えないように、魔法以外にも精神的な面で鍛えてあげなければならないな。俺は早速次の魔法、ファイアショットを教える事にした。
1
あなたにおすすめの小説
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる