好感度が100%超えた魔物を人間化&武器化する加護がチートすぎるので、魔物娘を集めてハーレムパーティーを作ろうと思う

花京院 光

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第一章「冒険者編」

第二十五話「九尾の狐の固有魔法を試したらとんでもない姿に変化した件について」

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 イステルまでの道中でアナスタシアから地属性の魔法を教わる。
 土を作り出すアース。
 土の壁を作り上げるアースウォール。
 地属性のエンチャントである、エンチャント・アース。
 この魔法は防具に纏わせると魔法防御力を上昇させる効果がある。

「地属性魔法の中でも、土を作り出す魔法は特に使い道がないのじゃ。土の壁を作り上げても敵が強い攻撃魔法を使えば防ぎ切れんからの。よって土の魔法の制御を覚えたら、次は石の魔法を使える様に鍛錬を積むのが良いじゃろう」
「俺は封印した魔物の魔法を習得出来るから、土の魔法の練習を飛ばして石の魔法から練習しようかな」
「それもまた良いじゃろう。繰り返し練習を続ける事で自分自身の技術に昇華させるのじゃぞ」

 石を作り出すストーン。
 石の壁を作り出すストーンウォール。
 この魔法は意外と便利で、敵の物理攻撃や魔法攻撃を防ぐ力がある。
 勿論、自分よりも格上の魔物の攻撃を防ぐ事は厳しい。

「ラインハルト、私が魔法の練習に付き合ってやろう」
「え? エリカは地属性魔法は使えないだろう?」
「私が魔法を放ち、ラインハルトが私の魔法を防ぐ。良い練習になると思うぞ」
「確かにそれは良さそうだね。ちょっとやってみようか」

 エリカが俺の前に立つと、俺は地面に右手を付いた。
 体内から掻き集めた地属性の魔力を地面に注ぐ。

「ストーンウォール!」

 地面から石の壁がせりあがると、エリカが拳に炎を纏わせた。
 瞬間、エリカが一気に距離を詰め、おもむろに壁を殴った。
 炎が炸裂すると同時に、石の壁が木端微塵に吹き飛んだ。

「は……!? 今のが素手の攻撃!?」
「これが私とお前の実力差だ。本物の強さを持つ魔物の一撃はこんなちんけな壁では防ぎ切れん」
「エリカさんって本当に強いんですね……石の壁を砕くなんて、私には絶対出来ません」
「当たり前だろう? 私を誰だと思っている? Aランクのブラックドラゴンを舐めて貰っては困る」

 エリカが自慢げに顎を突き上げて俺を見上げた。
 これが俺とエリカの実力差。

 勿論、エリカがブラックドラゴンの姿になれば更に強い一撃を繰り出せる。
 魔物達の主として、強い仲間に守られるだけの人間にはなりたくない。

「エリカや、それならこの魔法はどうじゃ?」
「アナスタシア、お前の魔法で私の攻撃を止められると思っているのか?」
「そうじゃ。わらわは九尾の狐。たとえ相手がブラックドラゴンでも防御力なら負ける気がせんのじゃ」
「面白い。どんな魔法でも試してみろ。まぁ私に破壊出来ない防御魔法など、存在する筈も無いがな」

 アナスタシアは笑みを浮かべ、俺の前に立った。
 瞬間、彼女の尻から九本の尻尾が生えた。
 メタモールファシスの魔法で一時的に獣人化しているのだろう。

 次に頭部からは形の整った耳が生えた。
 銀色の体毛に包まれたモフモフの耳。
 どんな触り心地なのか、後で少し触らせて貰おう。

 アナスタシアはエリカに両手を向け、静かに精神を統一している。
 エリカがルビー色の三白眼を細めてアナスタシアを睨みつけた。
 普段は柔和な表情をしているが、戦闘時には非常に獰猛な魔物の雰囲気に豹変する。
 周囲に強烈な熱風が吹き荒れ、フローラは怯えて俺の背後に隠れた。

「ストーンシールド!」
「ファイアボール!」

 アナスタシアが巨大な石の盾を作り上げた時、エリカが炎の球を飛ばした。
 民家よりも巨大な、途方もない大きさの炎の球。
 エリカの本気の魔法に思わず顔が引き攣る。

 アナスタシアが魔法を防げなければ、確実に炎に焼かれて死ぬと悟った。
 これがエリカの全力の攻撃魔法なのか……。

 炎の球が石の盾を直撃すると、エリカの炎が盾を押した。
 アナスタシアは愕然とした表情を浮かべながら炎の球の軌道を反らした。

 これがAランク同士の攻防なのか。
 一般の冒険者では人生に一度も見る機会はないだろう。

 盾に軌道を反らされた炎の球は、木々をなぎ倒して遥か彼方まで飛んで行った。
 エリカは盾を破壊出来なかった事が悔しかったのだろう。
 目に涙を浮かべながら顎を突き上げ、両手を腰に添えた。

「私が本気で魔法を放てばお前を殺してしまうからな! 固有魔法は使わないでやったぞ」
「エリカは優しい娘じゃのう。わらわに手加減をしてくれるとはの」
「なかなか良い防御魔法だった。ラインハルト、アナスタシアから防御力魔法を教わるのだ! 攻撃魔法なら私が教えてやる。回復魔法はフローラから教われば良い。お前は魔物から戦い方を学び、ソロモンの様な最高の冒険者になれ」
「ああ、そのつもりだよ。皆から色々学ばせて貰うね」

 アナスタシアは満面の笑みを浮かべながら振り返った。
 緑と赤のオッドアイが何とも美しい。
 身長はエリカよりも高く、銀の体毛に包まれた、ふわふわした体つきが可愛らしい。

「これこれ、わらわに見とれるのは良いが、まずは魔法を学ぶのじゃぞ。魔法の訓練が終わればわらわを好きなだけモフモフすると良い」
「ありがとう、これからも色々学ばせて貰うよ」

 獣人化したアナスタシアが人間の姿に戻った。
 さっきまでは二足歩行する狐の様で愛らしかったが、人間の姿もまた美しい。

「ラインハルトや。防御魔法も良いが、九尾の狐の固有魔法を使ってみてはどうかの?」
「メタモールファシスの事? どんな姿にでも自在に変化出来るのかな?」
「それはないじゃろう。わらわの場合は獣人の姿にしかなれん。一度使ってみるが良い」

 人間に憧れていたアナスタシアはメタモールファシスで獣人化した。
 俺はどんな姿に変化すべきだろうか。
 やはりミノタウロスの様な図体の大きい魔物の姿が良いだろうか。

「ラインハルトさん、是非ゴールデンスライムに変化してみて下さい!」
「え? 俺がゴールデンスライムになるの?」
「はい! きっと素敵なゴールデンスライムになれると思いますよ」
「一度試してみようか」

 ゴールデンスライムの姿を脳裏に描く。
 アナスタシアのアドバイスによると、完成形を想像する事が重要らしい。

「メタモールファシス!」

 瞬間、俺の体が瞬く間に肥大した。
 まるで体重が百五十キロを超えている様な巨漢に変化したのだ。
 いや、巨漢というよりただの肥満体かもしれない。
 腹部だけが大きく膨れ上がって、人間でもスライムでもない姿に変わっている。
 エリカは俺を見て吹き出し、フローラは思考が停止したのか、呆然と立ち尽くしている。

「なかなか個性的な姿じゃな。その姿で森を歩けば冒険者に襲われる事は間違いないじゃろう。今のお主の姿を魔物で例えるなら……トロルかの」
「ト、トロルって……ラインハルトがトロルとは傑作だ……!」

 エリカは楽し気に笑い、俺は醜く肥大した腹をさすった。
 アナスタシアが馬車の家から鏡を持ってくると、俺は恐る恐る自分の姿を確認した。

「トロルだな……」

 腹だけが大きく肥大し、ゴールデンスライム特有の触り心地に変化している。
 これは参った。
 どうやら俺には九尾の狐の固有魔法は合わらないらしい。

 慌てて変化を解除すると、エリカが俺の手を握った。
 そしていつもの様に上目遣いで俺を見上げる。

「力の象徴と言えばブラックドラゴンだろう? 強さを求めるならブラックドラゴンに変化するのだ」
「いや、また気持ち悪い姿に変化したらどうするんだよ」
「さぁさぁ、私のために凛々しいブラックドラゴンに変化してみせるのだ!」
「わかったよ……」

 今度は失敗したくない。
 仲間にこれ以上格好悪い姿を見せたくないからだ。

 脳裏にエリカの本来の姿を思い浮かべる。
 黒い鱗に覆われた筋骨隆々の肉体に、背中から生えた黒い翼。
 鋭利な爪と牙に、頭部から生えた二本の黒い角。
 太くて長い尻尾。
 今度こそ成功させてみせる……。

「メタモールファシス!」

 瞬間、背中から翼が生え、頭部からは二本の角が伸びた。
 お尻からは長い尻尾が生え、爪は瞬く間に伸び、視力は格段に向上した。
 聴力と嗅覚もけた違いに強化されている。

「その姿はまさか……イフリート!?」

 エリカが歓喜の声を上げると、俺は慌てて鏡を見た。
 Sランク、火属性、ドラゴニュートとブラックドラゴンの中間種。
 俺は魔物図鑑でしか見た事が無いイフリートに変化していた……。
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