好感度が100%超えた魔物を人間化&武器化する加護がチートすぎるので、魔物娘を集めてハーレムパーティーを作ろうと思う

花京院 光

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第二章「王都編」

第五十六話「遂に戦いが始まりそうなので、さっさと終わらせて宴を始めようと思う」

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 手負いのケットシーを馬車に乗せてシュターナーに入る。
 フローラがヒールの魔法を使用してもケットシーの意識は戻らない。
 外傷は無いが、苦痛に顔を歪めている。
 何か特殊な呪いにでも掛かっているのだろうか。

「ラインハルト君! ドライアドの所に行ってくれ! この子はきっと呪いに掛かっているに違いない!」

 シュターナーの村の中央には巨大なシュルスクの木がある。
 恐らくこの村はシュルスクの大木を囲む様にケットシー達が住宅を建てたのだろう。
 赤い果実が生る美しい大木を目指して馬車を走らせる。

 ケットシー達は既にドライアドが宿るシュルスクの木の元に集まっていたのだろう。
 大勢の小さな猫達が武器を持って何やら話し合っている。
 ケットシーは黒の毛色の者だけではなく、灰色や白等、様々な毛色の者が居る。

 ケットシー達をかき分けて一人の美女が俺達の馬車に近付いてきた。
 意識を失っているケットシーを抱えて御者台から降りる。

 美女の年齢は二十代程。
 身長は百五十センチ程だろうか。
 緑色の長い髪にエメラルド色の瞳。
 恐らく彼女がBランク、地属性、木の精霊であるドライアドだろう。

「その者をこちらに」

 ドライアドが悲し気に俺を見上げた。
 俺はドライアドの足元にケットシーを寝かせると、エステルが俺の手を握った。

「エステル、この人間は信用出来るのか?」
「はい、精霊様。こちらの方はただの人間ではなく、炎の精霊なのです」
「馬鹿を言うな。どうして人間がイフリートなんだ?」

 緊急事態に村に入る人間が居れば警戒するのは当たり前だろう。
 誰がケットシーに呪いを掛けたのかも分からない状況なのだ。

 説明するよりも変化した方が早い。
 俺はイフリートの姿を脳裏に描いた。

「メタモールファシス!」

 瞬間、肉体が燃え上がり、俺はイフリートの姿に変化した。
 何度使用しても変化の瞬間には気分が高揚する。
 弱い人間の俺から、Sランクの炎の精霊に変わる瞬間は何とも心地が良い。

「人間が民を守るイフリートの姿に変化するとはな……創造神から精霊の姿の使用を許可された者なら十分に信用出来るだろう! 私は今からヘルガに掛けられた呪いを解除するために、生命の魔法陣を使用する。この魔法陣を使えば、村を守るために描き上げた聖域の魔法陣は効果を失う。だが、は早急に呪いを解除しなければならないからな……」

 きっとドライアドはケットシー達を守るために村全体に魔法陣を描いていたのだろう。
 急いでいたから気が付かなかったし、魔法陣が俺達を通してくれたから分からなかった。

 聖域の魔法陣は、魔法陣内に居る者を外部からの攻撃から守る効果がある。
 物理攻撃、魔法攻撃、呪い等。
 聖域の魔法陣の効果は術者の魔力によって異なる。

 俺は変化を解除し、ドライアドに歩み寄った。

「今から聖域の魔法陣を解除すれば村が無防備になるという事ですね?」
「そうだ。イフリートの姿を借りられる神聖な人間よ、どうか私が生命の魔法陣を使い、ヘルガの呪いを解除する間、ケットシー達を守ってはくれんか?」
「という事は、何者かが聖域の魔法陣が消滅した間に村を襲撃するとお考えですか?」
「無論。ヘルガが不用意に村の外に出た瞬間、呪いを掛けられたのだからな。恐らく、ブラックベアとサイクロプスを操る者が私の血を狙っているのだろう」
「そういう事でしたらお任せ下さい。冒険者ギルド・レッドストーン所属、サポーターのラインハルト・シュヴァルツが協力致します」
「ラインハルト・シュヴァルツ!? まさか、お前がソロモン王から加護を授かりし冒険者か!?」
「はい、そうですが……」
「道理でイフリートの様な高位の精霊の姿に変化出来る訳だ。ソロモン王が加護を授けた冒険者か。これは私達にも運が回ってきた様だ……私は今日の戦いを先延ばしにしていたが、やっとシュターナーを襲う敵を仕留められる機会が巡ってきた様だ……」

 ドライアドの言葉と共にケットシー達が頷いた。
 仲間達が周囲を警戒して見渡すと、エリカが俺を呼んだ。

「ラインハルト、いざとなったら私の封印を解除しろ。いいな? 決して無理はするな」
「分かったよ。危なくなったらエリカの力を借りる」
「べ、別に私はお前を心配している訳ではないが……お前の身に何かあればもちもちを用意する者が居なくなるからな!」
「エリカの中では俺はきな粉餅係になってるのか……?」
「ま、まぁ……お前は私の主だ。お前の命は私が守ってやる! だから、さっさと問題を解決して私に旨い料理でも作ってくれ」

 エリカが恥じらいながら俺の手を握ると、俺は戦闘の準備をする事にした。
 恐らく聖域の魔法陣の消滅と同時に敵が攻撃を仕掛けて来る。
 ケットシーを一人も死なせずにこの戦いを乗り切りたいものだ。

「エリカ・武装!」

 瞬間、エリカの体が炎に包まれ、黒い鞘に入った刀に変化した。
 黒竜刀を腰に差し、仲間を見つめる。

「アナスタシア、今回は俺の魔装としてではなく、人間のアナスタシアとしてケットシー達を守ってくれるかな?」
「お安い御用じゃ」
「フローラにはケットシー達の援護を任せても良いかな? 怪我人が出ればすぐに回復魔法を頼む」
「はい、お任せ下さい!」

 ギレーヌはレーネの背中に飛び乗り、エールを呷りながら俺を見下ろした。

「ラインハルト! あたしはレーネと共に戦うからな! 戦場を駆け回ってサンダーボルトを連発してやるから、お前さんは敵の大将を見つけ出して叩け!」
「わかったよ。くれぐれも気を付けて」
「あたしは毒も麻痺も効かない、怪我を負っても自己再生の力ですぐに完治する。多少無理をしても死にはしないさ」
「そうだけど、俺はギレーヌが心配だから」
「おいおい、いつからお前さんは酒呑童子を心配出来る程の冒険者になったんだ? だが、あたしはお前さんのそんな優しい性格が大好きなんだ。まぁ無理せずにサイクロプスをぶちのめしてやるよ。終わったらあたしとの約束を果たして貰うからな!」

 ギレーヌは愉快そうにエールを飲み、親指を立ててサムズアップのポーズ。
 それからドライアドに目配せすると、彼女は両手を頭上高く掲げた。

「聖域の魔法陣・解除!」

 瞬間、村の上空にドーム状の虹色の光が現れ、光が徐々に消滅した。
 これで聖域状態が解除されたという事だろう。

 それからドライアドは地面に魔法陣を描き始めた。
 ヘルガの体毛が次第に紫色に変化しつつある。
 呪いが肉体を蝕んでいるのだろう。
 これ程までに短時間で急激に肉体を変える程の呪いは一種類しかない。

 恐らくヘルガは死の呪いに掛かっている。
 デーモン系の悪魔だけが使用出来る闇属性の呪い。

 呪いを受けてから短時間で肉体の自由を失い、たちまち命を落とす。
 死後はゾンビと化して地上を彷徨い歩き、人間や魔物を見境なく襲う。

「敵襲だ!」

 ギレーヌが叫んだ瞬間、ブラックベアを引き連れたサイクロプスの群れが現れた……。
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