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第二章「王都編」
第五十七話「村を襲う魔物と戦っていたら思いもよらぬ出会いがあった件について」
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ブラックベアとサイクロプスの群れが瞬く間に村を取り囲んだ。
村を囲う様に建つ木の柵はブラックベアの炎に焼かれて崩壊。
今までは聖域の魔法陣に守られていたからか、シュターナーの防衛力は極めて低い。
体長四メートルを超える一つ目の魔物が村に侵入を始めた。
灰色の皮膚をした筋骨隆々のサイクロプスが巨大な石の柱を担いでいる。
ストーンピラーの魔法で柱を作り上げたのだろう。
石の柱を振り回し、木造の民家をいとも簡単に叩き潰した。
ギレーヌは数十体のブラックベアの群れに突撃した。
レーネの背中に乗ったギレーヌは、戦場を駆け回って敵を引き付けている。
サンダーの魔法でブラックベアのヘイトを溜め、一か所に敵を集めてから雷撃を落とす。
やはりギレーヌは長年ゴブリンの軍団と戦い続けてきたからか、戦況の把握が上手い。
「ラインハルト! わらわはケットシーを守る! お主はサイクロプスを倒すのじゃ!」
「わかった!」
アナスタシアは石の壁を作り上げてケットシー達を守っている。
ケットシー達は壁に守られながら氷の槍を飛ばしている様だ。
サイクロプスがアナスタシアの壁を破壊しようとした瞬間、俺は左手に炎を溜めた。
「ヘルファイア!」
久しぶりに最高の魔法で攻撃を仕掛ける。
黒い炎がサイクロプスの左腕を消し去ると、俺は立て続けに魔法を放つ事にした。
壁を破壊しようと石の柱を振り上げるサイクロプスを食い止める。
「ロックストライク!」
上空に大岩を作り上げ、サイクロプスの脳天に落とす。
サイクロプスは痛みに悶えながら、俺に対して柱を叩きつけた。
敵の攻撃を瞬時に回避。
アナスタシアが得意とする連携でとどめを刺す。
「ソーンバインド!」
サイクロプスの下半身を茨で縛り、再び上空から大岩を落とす。
「ロックストライク!」
サイクロプスの群れは俺を先に殺す事に決めたのか、次々と攻撃を仕掛けてきた。
ケットシー達は俺を援護する様に壁の隙間から氷の塊を飛ばしている。
こぶし大の氷が雨の様にサイクロプスの皮膚を撃つ。
流石にケットシーはCランクの魔物だからか、魔法の威力は高い。
ギレーヌはレーネと共に戦場をかき乱し、雷撃を落とし続けている。
途中でエールやウィスキーを呷り、レーネから飛び降りてブラックベアを殴りつける。
あまりも力強い彼女の勇姿に思わず感動を覚える。
フローラはアナスタシアの傍からギレーヌに回復魔法を連発している。
ブラックベアの火炎がギレーヌを直撃しても、次の瞬間には怪我が完治している。
フローラの回復魔法がギレーヌの自己再生の力を高めているのだろう。
俺は黒竜刀を引き抜いて火の魔力を込めた。
爆発的な炎を纏わせた刀でサイクロプスのアキレス腱を断ち切る。
サイクロプスが地面に倒れた瞬間、俺は左手を上空に掲げた。
借りるぞ……酒呑童子の魔法。
「サンダーボルト!」
雷雲から雷を落としてサイクロプスの体を木っ端みじんに吹き飛ばす。
あまりにも強烈すぎる雷撃にサイクロプスがドン引きしている。
顔を引きつらせながら後退を始めた瞬間、上空から新手の魔物が現れた。
『デーモンのお出ましか……ラインハルト! 危なくなったら私の封印を解け!』
『大丈夫、何とかしてみるよ』
体長二メートル程の悪魔が上空を旋回しながら地面に着地。
頭部からは二本の黒い角が生えており、長く伸びた爪は刃物の様に鋭利だ。
漆黒の肌に紫色の瞳。
背中からは翼が生えており、まるで人間の肉体の様だが、筋肉は大きく発達している。
これが闇属性、Bランクのデーモンか。
デーモンは不敵な笑みを浮かべ、一気に距離を詰めてきた。
瞬時に黒竜刀を構えて敵の攻撃に備える。
デーモンが爪の一撃を放った瞬間、俺は黒竜刀で敵の攻撃を防いだ。
あまりにも重すぎる一撃に膝を着くや否や、デーモンが視界から消えた。
移動速度が速すぎて目で追う事すら出来ない。
瞬間、俺は背中に焼ける様な痛みを感じた。
デーモンが死の呪いを掛けたのだろうか。
三本爪が俺の背中を切り裂いたのか、あまりの痛みに意識が飛びかける。
『ラインハルト! 私の封印を解除しろ!』
「大丈夫だ……まだ戦える……」
『このままでは殺されるぞ! 意地を張るな! お前は私が守ってやる!』
「いつまでもエリカに守られているだけでは駄目なんだよ!」
背中に意識を集中させ、聖属性の魔力を全身に纏わせる。
「リジェネレーション!」
金色の光が全身を覆うと、背中の痛みが一瞬で引いた。
俺はソロモン王の加護により、あらゆる呪いを受け付けない体質に変わっている。
そしてギレーヌの加護により、自己再生の力を得た。
リジェネレーションの回復効果が飛躍的に上昇している様だ。
慌てて背中に触れると、傷が完治している事に気が付いた。
「何故だ……私の死の呪いを受け付けない者が居るのか……?」
デーモンは人間の言葉が分かるのだろう。
俺を見つめながら愕然とした表情を浮かべている。
「俺はソロモン王から加護を授かってるんでね。お前の呪いは俺には効かない。俺を殺したければ一撃で仕留めてみせろ!」
「面白い人間だ……良いだろう! 本気の一撃を見せてやる!」
デーモンが両手を上空に掲げ、闇の魔力を放出した。
周囲に黒い霧が立ち込め、霧の中に十字架状の刃が現れた。
「ブラッドクロス!」
敵の最高の魔法に対してブラックドラゴンの炎で対抗する。
「ヘルファイア!」
全魔力を込めた炎でデーモンの刃を受け止める。
空中で魔法同士が押し合い、ヘルファイアが敵の魔法を消滅させた。
同時に魔法は消滅し、俺とデーモンは全ての魔力を失った。
俺がBランクの魔物の一撃を真っ向から防いだのだ。
落ちこぼれだったサポーターの俺がデーモンとまともに戦っている事自体が奇跡。
いつの間に俺はこんなに強くなっていたのだろうか?
「人間……お前は何故この村を守る?」
「ケットシーを守る事に理由は必要ない。善良な魔物を狙う者が居れば俺が仕留めるまでだ」
「そうか……お前の様な強大すぎる力を持つ人間との勝負は、仕事の依頼内容には含まれてない。私はこれ以上お前との戦闘は望まない」
「依頼だと!?」
「そうだ……」
デーモンは懐から一枚の紙を取り出して眺めた。
依頼内容?
一体何を言っているんだ。
「お前は自分の意思でシュターナーを襲っていた訳ではないのか?」
「無論。私はとある人間から依頼を受けて襲撃しているだけだ。だが、依頼内容はケットシー族の殲滅とドライアドの討伐のみ。ソロモン王の加護を持つ人間を仕留めるという契約は結んでいない。よって私はこの依頼を破棄する」
デーモンが契約書を破り捨てると、サイクロプスが攻撃の手を止めた。
それからデーモンはサイクロプスとブラックに退散を指示した。
魔物の群れが大人しくシュターナーから立ち去る。
全く何が起きているのか分からないが、兎に角戦いは終わった。
ケットシー達は誰一人大きな怪我を負っていない様だ。
問題が無事に解決したとは言えないが、村自体はさほど被害はない。
『よく敵の攻撃を恐れずに受け止めたな。私はお前を誇りに思うぞ。ラインハルト』
脳内にエリカの声が響くと、俺は彼女の武装を解除して人間の姿に戻した。
まずはデーモンと話し合い、魔物に破壊された柵を修復するとしよう……。
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今までは聖域の魔法陣に守られていたからか、シュターナーの防衛力は極めて低い。
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灰色の皮膚をした筋骨隆々のサイクロプスが巨大な石の柱を担いでいる。
ストーンピラーの魔法で柱を作り上げたのだろう。
石の柱を振り回し、木造の民家をいとも簡単に叩き潰した。
ギレーヌは数十体のブラックベアの群れに突撃した。
レーネの背中に乗ったギレーヌは、戦場を駆け回って敵を引き付けている。
サンダーの魔法でブラックベアのヘイトを溜め、一か所に敵を集めてから雷撃を落とす。
やはりギレーヌは長年ゴブリンの軍団と戦い続けてきたからか、戦況の把握が上手い。
「ラインハルト! わらわはケットシーを守る! お主はサイクロプスを倒すのじゃ!」
「わかった!」
アナスタシアは石の壁を作り上げてケットシー達を守っている。
ケットシー達は壁に守られながら氷の槍を飛ばしている様だ。
サイクロプスがアナスタシアの壁を破壊しようとした瞬間、俺は左手に炎を溜めた。
「ヘルファイア!」
久しぶりに最高の魔法で攻撃を仕掛ける。
黒い炎がサイクロプスの左腕を消し去ると、俺は立て続けに魔法を放つ事にした。
壁を破壊しようと石の柱を振り上げるサイクロプスを食い止める。
「ロックストライク!」
上空に大岩を作り上げ、サイクロプスの脳天に落とす。
サイクロプスは痛みに悶えながら、俺に対して柱を叩きつけた。
敵の攻撃を瞬時に回避。
アナスタシアが得意とする連携でとどめを刺す。
「ソーンバインド!」
サイクロプスの下半身を茨で縛り、再び上空から大岩を落とす。
「ロックストライク!」
サイクロプスの群れは俺を先に殺す事に決めたのか、次々と攻撃を仕掛けてきた。
ケットシー達は俺を援護する様に壁の隙間から氷の塊を飛ばしている。
こぶし大の氷が雨の様にサイクロプスの皮膚を撃つ。
流石にケットシーはCランクの魔物だからか、魔法の威力は高い。
ギレーヌはレーネと共に戦場をかき乱し、雷撃を落とし続けている。
途中でエールやウィスキーを呷り、レーネから飛び降りてブラックベアを殴りつける。
あまりも力強い彼女の勇姿に思わず感動を覚える。
フローラはアナスタシアの傍からギレーヌに回復魔法を連発している。
ブラックベアの火炎がギレーヌを直撃しても、次の瞬間には怪我が完治している。
フローラの回復魔法がギレーヌの自己再生の力を高めているのだろう。
俺は黒竜刀を引き抜いて火の魔力を込めた。
爆発的な炎を纏わせた刀でサイクロプスのアキレス腱を断ち切る。
サイクロプスが地面に倒れた瞬間、俺は左手を上空に掲げた。
借りるぞ……酒呑童子の魔法。
「サンダーボルト!」
雷雲から雷を落としてサイクロプスの体を木っ端みじんに吹き飛ばす。
あまりにも強烈すぎる雷撃にサイクロプスがドン引きしている。
顔を引きつらせながら後退を始めた瞬間、上空から新手の魔物が現れた。
『デーモンのお出ましか……ラインハルト! 危なくなったら私の封印を解け!』
『大丈夫、何とかしてみるよ』
体長二メートル程の悪魔が上空を旋回しながら地面に着地。
頭部からは二本の黒い角が生えており、長く伸びた爪は刃物の様に鋭利だ。
漆黒の肌に紫色の瞳。
背中からは翼が生えており、まるで人間の肉体の様だが、筋肉は大きく発達している。
これが闇属性、Bランクのデーモンか。
デーモンは不敵な笑みを浮かべ、一気に距離を詰めてきた。
瞬時に黒竜刀を構えて敵の攻撃に備える。
デーモンが爪の一撃を放った瞬間、俺は黒竜刀で敵の攻撃を防いだ。
あまりにも重すぎる一撃に膝を着くや否や、デーモンが視界から消えた。
移動速度が速すぎて目で追う事すら出来ない。
瞬間、俺は背中に焼ける様な痛みを感じた。
デーモンが死の呪いを掛けたのだろうか。
三本爪が俺の背中を切り裂いたのか、あまりの痛みに意識が飛びかける。
『ラインハルト! 私の封印を解除しろ!』
「大丈夫だ……まだ戦える……」
『このままでは殺されるぞ! 意地を張るな! お前は私が守ってやる!』
「いつまでもエリカに守られているだけでは駄目なんだよ!」
背中に意識を集中させ、聖属性の魔力を全身に纏わせる。
「リジェネレーション!」
金色の光が全身を覆うと、背中の痛みが一瞬で引いた。
俺はソロモン王の加護により、あらゆる呪いを受け付けない体質に変わっている。
そしてギレーヌの加護により、自己再生の力を得た。
リジェネレーションの回復効果が飛躍的に上昇している様だ。
慌てて背中に触れると、傷が完治している事に気が付いた。
「何故だ……私の死の呪いを受け付けない者が居るのか……?」
デーモンは人間の言葉が分かるのだろう。
俺を見つめながら愕然とした表情を浮かべている。
「俺はソロモン王から加護を授かってるんでね。お前の呪いは俺には効かない。俺を殺したければ一撃で仕留めてみせろ!」
「面白い人間だ……良いだろう! 本気の一撃を見せてやる!」
デーモンが両手を上空に掲げ、闇の魔力を放出した。
周囲に黒い霧が立ち込め、霧の中に十字架状の刃が現れた。
「ブラッドクロス!」
敵の最高の魔法に対してブラックドラゴンの炎で対抗する。
「ヘルファイア!」
全魔力を込めた炎でデーモンの刃を受け止める。
空中で魔法同士が押し合い、ヘルファイアが敵の魔法を消滅させた。
同時に魔法は消滅し、俺とデーモンは全ての魔力を失った。
俺がBランクの魔物の一撃を真っ向から防いだのだ。
落ちこぼれだったサポーターの俺がデーモンとまともに戦っている事自体が奇跡。
いつの間に俺はこんなに強くなっていたのだろうか?
「人間……お前は何故この村を守る?」
「ケットシーを守る事に理由は必要ない。善良な魔物を狙う者が居れば俺が仕留めるまでだ」
「そうか……お前の様な強大すぎる力を持つ人間との勝負は、仕事の依頼内容には含まれてない。私はこれ以上お前との戦闘は望まない」
「依頼だと!?」
「そうだ……」
デーモンは懐から一枚の紙を取り出して眺めた。
依頼内容?
一体何を言っているんだ。
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「無論。私はとある人間から依頼を受けて襲撃しているだけだ。だが、依頼内容はケットシー族の殲滅とドライアドの討伐のみ。ソロモン王の加護を持つ人間を仕留めるという契約は結んでいない。よって私はこの依頼を破棄する」
デーモンが契約書を破り捨てると、サイクロプスが攻撃の手を止めた。
それからデーモンはサイクロプスとブラックに退散を指示した。
魔物の群れが大人しくシュターナーから立ち去る。
全く何が起きているのか分からないが、兎に角戦いは終わった。
ケットシー達は誰一人大きな怪我を負っていない様だ。
問題が無事に解決したとは言えないが、村自体はさほど被害はない。
『よく敵の攻撃を恐れずに受け止めたな。私はお前を誇りに思うぞ。ラインハルト』
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