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第一章「王国編」
第十話「レッドストーン」
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テーブルに料理と葡萄酒が運ばれて来ると、俺は仲間達のために料理を小皿に盛った。サラダにステーキ、濃厚なクリームソースのスパゲッティに、色とりどりのフルーツ。
「そういえば、フローラは何歳なんですか? 葡萄酒が飲めるという事は、十五歳以上ですよね」
「私は十七歳ですよ」
「それじゃ俺と同じですね!」
「本当ですか? 同い年の友達が出来て嬉しいです!」
「はい、俺もフローラと出会えて嬉しいですよ」
「年も同じなので、敬語は使わないようにしましょう! ラインハルト」
「ああ、そうだね。フローラ」
俺はフローラのためにステーキを切ると、彼女は嬉しそうに微笑んで肉を食べ始めた。やはり目が見えないと食事もしづらいのだろう。早めにレッドドラゴンを倒し、不治の病をも治すレッドストーンを入手しなければならないな。
「ラインハルトはどうして私のギルドに入ってくれたの?」
「そうだね……規模が大きなギルドよりは、小さなギルドに入って、俺達の力で盛り上げようと思っていたんだ」
「それは頼もしいわ。ラインハルト、私の夢はいつかレッドストーンを手に入れてこの目を治す事なの。家庭の事情で一ヶ月程前から家を出る事になって、初めて一人暮らしをしていたから心細かったけど、ラインハルトが居てくれたらなんとかなりそう……」
「俺が出来る事なら何でも手伝うよ。一人で頑張らずに俺を頼るんだよ」
「本当にありがとう……」
フローラは俺の手を握り、小さく頭を下げた。俺はフローラの頭を撫でると、彼女は優しく微笑んだ。幻獣のレッドドラゴンに関する情報をすぐにでも調べよう。何だかフローラとは境遇が似ているみたいで、他人の様な気がしない。
俺は十七歳で魔王の加護を受け、第七代魔王として魔王城を出て、新たな人生を始めた。最初は外で生きる事も大変だったが、ヘンリエッテさんや仲間達が助けてくれから、どうにかこの町に辿り着く事が出来た。人生は助け合いなんだ。旅の間、魔物に襲われれば、俺は命を賭けてヘンリエッテさんを助けた。彼女は毎日俺達のために食事を作ってくれ、この世界の事を教えてくれた。
各々が得意な事で他人を助けながら生きれば良いんだ。冒険者を目指す俺と、冒険者の力を借りたいフローラの出会いは偶然ではないだろう。俺がレッドドラゴンを討ち、レッドストーンを手に入れよう。訓練を積めば幻獣をも上回る力を身に付けられる筈だ。明日からタウロスと戦闘訓練をしよう。
「ラインハルト、このお店の料理、美味しいね」
「ああ。ロビンもダリウスを沢山食べるんだよ」
「ラインハルトは本当に魔物が好きなのね」
「そうだね。旅の間、何度も仲間達に助けられたからね。俺はダリウスとロビンとヴォルフを自分の家族だと思ってるよ」
「ラインハルトも私と同様に、最近一人暮らしを始めたのね」
「ああ。俺の場合は家の掟によって、十七歳の誕生日の日に家を出たんだ」
「掟?」
「そう。代々受け継がれてきた力を使い、民を救う事。それが俺の家の掟なんだ」
勿論、民を救う掟があるというのは嘘だ。『代々受け継がれてきた魔王の加護を使い、大陸を支配する』これがイェーガー家の掟だ。勿論、このような忌々しい掟は俺の代で終わりにする。
「私の家も同じような掟があるわ。民のために尽くせる人間になる。今の私には難しいけどね……」
「俺達は本当に似たような境遇なんだね」
「そうね……ラインハルトと出会えて本当に良かったわ。私は一人では満足に掃除すら出来ないけれど、最高の冒険者ギルドを作り、民に貢献しながら生きていくと決めているの。これから沢山迷惑を掛けると思うけど、どうか私を見捨てないでね」
「当たり前じゃないか。俺達はレッドストーンのメンバーだからね。皆で最高の冒険者ギルドを作ろう」
再びゴブレットを合わせて乾杯をすると、店には雰囲気の悪い連中が入ってきた。冒険者だろうか、黒い防具で身を包んだ三人の男達は、店主の胸ぐらを掴むと、店のお酒を勝手に飲み始めた。腰には短剣を差しており、身長は俺よりも高い。冒険者にしては随分物騒な雰囲気だな……。
「何か揉め事が起きているの?」
「ああ。三人の男が店主に暴力を振るい、店のお酒を勝手に飲んでいるんだ……」
「それは放っておけないわね」
「え? フローラ?」
フローラはゆっくりと立ち上がると、男達の元に歩き始めた。まさかこんなに物騒な連中と喧嘩でもするつもりなのだろうか? これはすぐに止めなければいけないな。
「ダリウス、ロビン。ここで待っていてくれ。ヴォルフは俺と来てくれるかな」
俺はヴォルフを連れてフローラの元に走ると、三人の男がフローラを取り囲んだ。
「あなた達、どうか店内で暴れるのはやめて下さい」
「暴れる? 俺達はこの店主から金を巻き上げているだけだぞ? おい、小娘。俺達暗殺者ギルド・ブラッドソードに喧嘩を売るとは、いい根性だな」
「暗殺者ギルド?」
「この装備が見えないのか? 暗殺者の魔装。攻撃速度を大幅に上昇させる魔法道具だ。魔装すら知らないとは、世間知らずなガキだな」
「おい、こいつよく見たら上玉じゃねぇか。俺の女にしてやるよ。勿論、飽きたら殺すがな」
店内に居る冒険者達はフローラを助けようともしない。見て見ぬふりをしているのだ。暗殺者ギルドか……。とんでもない連中に目を付けられてしまったのだな。男がフローラの肩に手を置いた瞬間、フローラは力なくしゃがみ込んだ。俺は暗殺者達の暴挙を見ていると、何だか心の底から怒りが湧いてきた。町に来たばかりで揉め事を起こしたくはないが、フローラが絡まれているのだから、助けない訳にはいかない。
「暗殺者ギルドのお三方。俺の仲間に気安く触れないで下さい」
「なんだ? お前は。冒険者か?」
「はい。冒険者ギルド・レッドストーンのメンバー。ラインハルト・カーフェンです」
「レッドストーン? 聞いた事もねぇな」
「お前に用は無いんだよ。それとも、俺達に歯向かうつもりか?」
「ガキが女連れて酒場で食事とは、良い身分だな。そうだ、有り金全部出せや。そうしたら見逃してやるよ」
ダリウスとロビンが武器を構えて立ち上がったが、俺は彼等を静止した。きっと二人なら間違いなくこの三人を殺めてしまうだろう。町中で魔物が人間を殺すのは流石にまずい。
髭面の男は気味の悪い笑みを浮かべ、腰に差しているダガーを抜いた。ダガーには黒い魔力が纏わりついており、禍々しい魔力が店内に流れた。どうやら見た目以上の実力者らしい。アイゼンシュタインに来て一日目で、暗殺者ギルドから目を付けられる事になるとは、俺も相当運が悪いな……。
髭面の男がダガーを俺に向けた瞬間、俺は瞬時に魔剣を抜刀し、男の手首を切り落とした。相手に武器を向けるという事は、命を賭けて戦いに望むという事だろう。フローラを脅し、店主に暴行を振るうだけなら攻撃はしなかった。だが、俺に武器を向ける敵を許すつもりはない。
男は激痛に悶ながらのたうち回ると、残る二人の男がダガーを抜いた。ヴォルフは口を大きく開き、強烈な冷気を放つと、一瞬で男達の下半身が凍りついた。口程にも無い奴等だな……。暗殺者とはこれ程までに弱い者なのだろうか。
「さぁ、フローラに謝罪して貰おうか!」
魔剣を男に向けると、男は恐怖の余り気を失った。もう一人の背の高い男は、涙を流しながら、何度もフローラに謝罪した。ヴォルフが氷の魔法を解除すると、俺は男達を店の外に放り投げた。
店内で傍観していた冒険者達が立ち上がり、俺とフローラを賞賛してくれた。フローラはゆっくりと立ち上がって俺の手を握ると、静かに涙を流した。敵の姿も見えないのに、悪事を働く男達を注意するとは。きっと不正を見逃せない性格なのだろう。俺が居たから助かったが、フローラが一人の時に暗殺者に絡まれていたら大変な事になっていただろう。
冒険者達は衛兵を呼んでくれ、フローラと店主は一部始終を衛兵に話すと、衛兵は俺に暗殺者ギルドの悪行を教えてくれた。暗殺者ギルド・ブラッドソードのメンバーは、辺境の村や町などを襲撃して金品を強奪したり、アイゼンシュタインの飲食店を回り、店主を脅して金品を巻き上げているらしい。
「レッドストーンの皆様。暗殺者ギルド・ブラッドソードには関わらない方が良いですよ。我々もブラッドソードの暗殺者を捕らえるために、常に町を巡回しているのですが、暗殺者達は我々の目をかい潜り、毎日の様に町で悪事を働いているのです」
「多分、もう関わらずに済ませる事は不可能でしょう」
一度喧嘩を売って来た相手が、素直に引き下がる訳が無い。ブラッドソードの暗殺者は店内で醜態を晒したのだ、きっと俺達を襲いに来るだろう。暫くはフローラの傍から離れない方が良さそうだな。
店主は俺達にお礼を言うと、今日の食事の代金を無料にしてくれた。奪われるはずの売上金が無事だったのが嬉しかったのか、俺とフローラに何度もお礼を言ってくれた。
父の話によると『悪党は負けたままでは引き下がらない。弱い者ほど、相手の実力も分からずに、執拗に狙い続ける』らしい。この際だからブラッドソードの暗殺者を探し出して捕らえようか。町にあんな物騒な連中が居るのでは、安心して眠る事も出来ないからな。
「フローラ。良かったら暫く一緒に居ても良いかな?」
「ええ。勿論良いわよ。ギルドの一階を使って頂戴。それから……ラインハルト。私を助けてくれてありがとう。本当に怖かったわ」
「フローラ。今度からあんな無茶な事をしたらだめだよ」
「ええ……ごめんなさい。気をつけるわね」
「ああ。レッドストーンに戻ろうか」
こうして俺達はレッドストーンの一階で寝泊まりをする事になった……。
「そういえば、フローラは何歳なんですか? 葡萄酒が飲めるという事は、十五歳以上ですよね」
「私は十七歳ですよ」
「それじゃ俺と同じですね!」
「本当ですか? 同い年の友達が出来て嬉しいです!」
「はい、俺もフローラと出会えて嬉しいですよ」
「年も同じなので、敬語は使わないようにしましょう! ラインハルト」
「ああ、そうだね。フローラ」
俺はフローラのためにステーキを切ると、彼女は嬉しそうに微笑んで肉を食べ始めた。やはり目が見えないと食事もしづらいのだろう。早めにレッドドラゴンを倒し、不治の病をも治すレッドストーンを入手しなければならないな。
「ラインハルトはどうして私のギルドに入ってくれたの?」
「そうだね……規模が大きなギルドよりは、小さなギルドに入って、俺達の力で盛り上げようと思っていたんだ」
「それは頼もしいわ。ラインハルト、私の夢はいつかレッドストーンを手に入れてこの目を治す事なの。家庭の事情で一ヶ月程前から家を出る事になって、初めて一人暮らしをしていたから心細かったけど、ラインハルトが居てくれたらなんとかなりそう……」
「俺が出来る事なら何でも手伝うよ。一人で頑張らずに俺を頼るんだよ」
「本当にありがとう……」
フローラは俺の手を握り、小さく頭を下げた。俺はフローラの頭を撫でると、彼女は優しく微笑んだ。幻獣のレッドドラゴンに関する情報をすぐにでも調べよう。何だかフローラとは境遇が似ているみたいで、他人の様な気がしない。
俺は十七歳で魔王の加護を受け、第七代魔王として魔王城を出て、新たな人生を始めた。最初は外で生きる事も大変だったが、ヘンリエッテさんや仲間達が助けてくれから、どうにかこの町に辿り着く事が出来た。人生は助け合いなんだ。旅の間、魔物に襲われれば、俺は命を賭けてヘンリエッテさんを助けた。彼女は毎日俺達のために食事を作ってくれ、この世界の事を教えてくれた。
各々が得意な事で他人を助けながら生きれば良いんだ。冒険者を目指す俺と、冒険者の力を借りたいフローラの出会いは偶然ではないだろう。俺がレッドドラゴンを討ち、レッドストーンを手に入れよう。訓練を積めば幻獣をも上回る力を身に付けられる筈だ。明日からタウロスと戦闘訓練をしよう。
「ラインハルト、このお店の料理、美味しいね」
「ああ。ロビンもダリウスを沢山食べるんだよ」
「ラインハルトは本当に魔物が好きなのね」
「そうだね。旅の間、何度も仲間達に助けられたからね。俺はダリウスとロビンとヴォルフを自分の家族だと思ってるよ」
「ラインハルトも私と同様に、最近一人暮らしを始めたのね」
「ああ。俺の場合は家の掟によって、十七歳の誕生日の日に家を出たんだ」
「掟?」
「そう。代々受け継がれてきた力を使い、民を救う事。それが俺の家の掟なんだ」
勿論、民を救う掟があるというのは嘘だ。『代々受け継がれてきた魔王の加護を使い、大陸を支配する』これがイェーガー家の掟だ。勿論、このような忌々しい掟は俺の代で終わりにする。
「私の家も同じような掟があるわ。民のために尽くせる人間になる。今の私には難しいけどね……」
「俺達は本当に似たような境遇なんだね」
「そうね……ラインハルトと出会えて本当に良かったわ。私は一人では満足に掃除すら出来ないけれど、最高の冒険者ギルドを作り、民に貢献しながら生きていくと決めているの。これから沢山迷惑を掛けると思うけど、どうか私を見捨てないでね」
「当たり前じゃないか。俺達はレッドストーンのメンバーだからね。皆で最高の冒険者ギルドを作ろう」
再びゴブレットを合わせて乾杯をすると、店には雰囲気の悪い連中が入ってきた。冒険者だろうか、黒い防具で身を包んだ三人の男達は、店主の胸ぐらを掴むと、店のお酒を勝手に飲み始めた。腰には短剣を差しており、身長は俺よりも高い。冒険者にしては随分物騒な雰囲気だな……。
「何か揉め事が起きているの?」
「ああ。三人の男が店主に暴力を振るい、店のお酒を勝手に飲んでいるんだ……」
「それは放っておけないわね」
「え? フローラ?」
フローラはゆっくりと立ち上がると、男達の元に歩き始めた。まさかこんなに物騒な連中と喧嘩でもするつもりなのだろうか? これはすぐに止めなければいけないな。
「ダリウス、ロビン。ここで待っていてくれ。ヴォルフは俺と来てくれるかな」
俺はヴォルフを連れてフローラの元に走ると、三人の男がフローラを取り囲んだ。
「あなた達、どうか店内で暴れるのはやめて下さい」
「暴れる? 俺達はこの店主から金を巻き上げているだけだぞ? おい、小娘。俺達暗殺者ギルド・ブラッドソードに喧嘩を売るとは、いい根性だな」
「暗殺者ギルド?」
「この装備が見えないのか? 暗殺者の魔装。攻撃速度を大幅に上昇させる魔法道具だ。魔装すら知らないとは、世間知らずなガキだな」
「おい、こいつよく見たら上玉じゃねぇか。俺の女にしてやるよ。勿論、飽きたら殺すがな」
店内に居る冒険者達はフローラを助けようともしない。見て見ぬふりをしているのだ。暗殺者ギルドか……。とんでもない連中に目を付けられてしまったのだな。男がフローラの肩に手を置いた瞬間、フローラは力なくしゃがみ込んだ。俺は暗殺者達の暴挙を見ていると、何だか心の底から怒りが湧いてきた。町に来たばかりで揉め事を起こしたくはないが、フローラが絡まれているのだから、助けない訳にはいかない。
「暗殺者ギルドのお三方。俺の仲間に気安く触れないで下さい」
「なんだ? お前は。冒険者か?」
「はい。冒険者ギルド・レッドストーンのメンバー。ラインハルト・カーフェンです」
「レッドストーン? 聞いた事もねぇな」
「お前に用は無いんだよ。それとも、俺達に歯向かうつもりか?」
「ガキが女連れて酒場で食事とは、良い身分だな。そうだ、有り金全部出せや。そうしたら見逃してやるよ」
ダリウスとロビンが武器を構えて立ち上がったが、俺は彼等を静止した。きっと二人なら間違いなくこの三人を殺めてしまうだろう。町中で魔物が人間を殺すのは流石にまずい。
髭面の男は気味の悪い笑みを浮かべ、腰に差しているダガーを抜いた。ダガーには黒い魔力が纏わりついており、禍々しい魔力が店内に流れた。どうやら見た目以上の実力者らしい。アイゼンシュタインに来て一日目で、暗殺者ギルドから目を付けられる事になるとは、俺も相当運が悪いな……。
髭面の男がダガーを俺に向けた瞬間、俺は瞬時に魔剣を抜刀し、男の手首を切り落とした。相手に武器を向けるという事は、命を賭けて戦いに望むという事だろう。フローラを脅し、店主に暴行を振るうだけなら攻撃はしなかった。だが、俺に武器を向ける敵を許すつもりはない。
男は激痛に悶ながらのたうち回ると、残る二人の男がダガーを抜いた。ヴォルフは口を大きく開き、強烈な冷気を放つと、一瞬で男達の下半身が凍りついた。口程にも無い奴等だな……。暗殺者とはこれ程までに弱い者なのだろうか。
「さぁ、フローラに謝罪して貰おうか!」
魔剣を男に向けると、男は恐怖の余り気を失った。もう一人の背の高い男は、涙を流しながら、何度もフローラに謝罪した。ヴォルフが氷の魔法を解除すると、俺は男達を店の外に放り投げた。
店内で傍観していた冒険者達が立ち上がり、俺とフローラを賞賛してくれた。フローラはゆっくりと立ち上がって俺の手を握ると、静かに涙を流した。敵の姿も見えないのに、悪事を働く男達を注意するとは。きっと不正を見逃せない性格なのだろう。俺が居たから助かったが、フローラが一人の時に暗殺者に絡まれていたら大変な事になっていただろう。
冒険者達は衛兵を呼んでくれ、フローラと店主は一部始終を衛兵に話すと、衛兵は俺に暗殺者ギルドの悪行を教えてくれた。暗殺者ギルド・ブラッドソードのメンバーは、辺境の村や町などを襲撃して金品を強奪したり、アイゼンシュタインの飲食店を回り、店主を脅して金品を巻き上げているらしい。
「レッドストーンの皆様。暗殺者ギルド・ブラッドソードには関わらない方が良いですよ。我々もブラッドソードの暗殺者を捕らえるために、常に町を巡回しているのですが、暗殺者達は我々の目をかい潜り、毎日の様に町で悪事を働いているのです」
「多分、もう関わらずに済ませる事は不可能でしょう」
一度喧嘩を売って来た相手が、素直に引き下がる訳が無い。ブラッドソードの暗殺者は店内で醜態を晒したのだ、きっと俺達を襲いに来るだろう。暫くはフローラの傍から離れない方が良さそうだな。
店主は俺達にお礼を言うと、今日の食事の代金を無料にしてくれた。奪われるはずの売上金が無事だったのが嬉しかったのか、俺とフローラに何度もお礼を言ってくれた。
父の話によると『悪党は負けたままでは引き下がらない。弱い者ほど、相手の実力も分からずに、執拗に狙い続ける』らしい。この際だからブラッドソードの暗殺者を探し出して捕らえようか。町にあんな物騒な連中が居るのでは、安心して眠る事も出来ないからな。
「フローラ。良かったら暫く一緒に居ても良いかな?」
「ええ。勿論良いわよ。ギルドの一階を使って頂戴。それから……ラインハルト。私を助けてくれてありがとう。本当に怖かったわ」
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相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
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