ベイビー!マイプリンス

GARAM

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プロローグ

1番前の彼

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「っ……」

 今……笑った……?

 授業中、1番前に座る彼の背中を見ていた。いつからこうして見ているのか、なんて聞かれればハッキリとは答えられないけど、彼に惹かれたあの日は忘れない。

 恋なんて、一度意識してからは早いものだ。

 流れるように堕ちていく感情が心地よくて、勝手な好意を抱いている。

相手は男。
ましてや自分も。

打ち明けるつもりはなかった。ただ、ひっそりと彼の背中を見つめる事を毎日の糧にしながら。迷惑にならないように、と。
そんな風に生活していたのに。

 その日。視線に気付いた彼はチラリと此方に振り向いて、薄く唇に弧を描いた。

──やばい。

どうしよう。
あの人は、俺の好意に気付いている……

体中の体温が熱くて、心臓が煩い。
 
 御影 蒼斗(ミカゲ アオト)。
神様、彼は思っていたよりずっと……
意地悪みたいです……

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