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棒
いつの間にか眠っていた。
慣れない肉体労働をしたせいだろう。暗くなった室内に、PCが薄ぼんやりと光っている。僕は起き上がりデスクライトを点ける。先程より幾分か開ける視界に、水でも飲もうかと立ち上がった。
そうだ。
今日は、穴を開けたか。
壁を壊して。
拳が入る程度に穴を拡げて。
そうして、隣へ、メモを──。
「──ッ」
……そこで硬直する。
薄暗い部屋の中。
僕自身が朝に空けた穴から。
勃起したペニスが……まるで謀ったように穴から挿し込まれて来たからだ。
「ッ──!」
流石に、狼狽えた。
壁に空いた穴からペニスが挿し込まれるという異常な状況は当然として、ペニスをこうして見るのもあまりに久々だったからだ。物心ついた頃に見た、父の物以来と言ってもいい。グロテスクで下品で俗物的な海綿体が壁から生えたように伸びている光景は、昨今官能小説でもお目にかかれないだろう。いや、むしろwebの素人小説なら幾つか該当作品は見当たりそうだ。
それでも実際にこの目で見る怪奇現象さながらの状態に、僕は息を呑む。これの差出人は間違いなく『隣』からのものだ。タイミングの良さはどう考えても僕を待ち構えていたとしか思えず、つまり相手は──隣人は──僕へこれを見せつけるために、ペニスを穴へと挿入したのだろう。
「ッ……♡」
自ら壁に空けた穴からペニスを挿入される、という格別の非日常に、嫌悪感を覚えるかと思っていた僕の感覚はまったく反対の反応を示す。……興奮だ。それは今まで「視られて」いたものと同じ分類の高揚で、つまり正しく、僕と彼の運命が廻り始めた証明のようなものだった。彼は動いた。動き出したのだ。僕へとそれを、示したのだ。僕に、これほど、こんなに勃起するほど──欲情しているのだと。
「っ、うぁ……ッ♡」
その理解に僕は目眩がするような心地を覚えながら、穴の前へとしゃがみ込む。真正面から視覚で認識するペニスはひくひくと脈動し、まるで生き物のようだ。一見では僕のものより大きい。長さ、太さ、形……経験に乏しいため断言はできないが、僕にとっては充分魅力的な雄の象徴に思えた。見ているだけで身体が反応し、まるで本能のように尻穴が疼いてくる。僕の身体は僕の知らない内に自らの手ですっかり「雌」へと変幻してしまったのだと、否応なく理解させられる感覚だった。
「ぁ、お゛♡ほぉ゛……ッ♡」
吸い寄せられるように陰茎へ鼻先を近づければ、饐えた臭いが鼻腔へと充満する。恐らく仕事上がりそのままの、洗浄していない状態だろう。強烈な臭気は僕の思考を麻痺させ、脳内は呆気なくこの屹立した海綿体への欲求で占められる。息を大きく吸い込めば、それだけで、恍惚の声が漏れた。
「んぁ♡はッ♡はぁ……ッ♡」
無意識に舌が伸びる。相手の視界には映らないのに媚びるように舌先を動かして、陰茎に這わせようとしてしまう。舐めたい。咥えたい。しゃぶりたい。このペニスで口腔を満たして、この雄を僕自身に刻み込みたい。
……嗚呼、発見だ。人間は極限まで欲情すると、呆気なく人間を捨ててしまえるらしい。駄目だ。こんなものを前にして、我慢など、できるわけがない……ッ♡
「ふ、う゛♡ぅう゛……んッ♡」
僕はひとつの躊躇いもなく、15年ぶりに相見える他者のペニスに吸い付いた。滑らかで円い、美しいフォルムの亀頭に唇を添えれば、ガタン、と向こう側で音が鳴る。そこで僕も自覚する。このペニスには間違いなく所有者が居ることを。そしてそれは、僕を視ていた男なのだと──。
嗚呼そうか、『君』も、欲情しているんだな……っ♡
「ふう゛、ぅ゛……ッ♡♡♡」
益々煽られた気持ちで、僕は陰茎への更なる接触を試みる。口淫など初めてだ。まったく勝手が分からない。だが僕だって男だ、ペニスは触れればどこでも性感を産み出すと知っている。より明確な性感帯は亀頭、裏筋、カリ首……。それなら、と亀頭全体を咥えるように、唾液で満たした口腔で全体を包んでいく。
「ふっ♡ふ♡ふぅ゛……ッ♡」
咥えると、口腔の全体へ臭気が溢れ、いよいよ脳内麻薬の分泌が止まらなくなるのを感じた。これは駄目だ。正真正銘の麻薬に等しい。尻が揺れる。いよいよ自身がただのはしたない雌と化していく。もっと欲しい。欲しい。欲しい……ッ♡
「ふぅ゛♡ん゛ふ♡ふぅぅ゛……ッ♡」
衝動に抗うことなく、僕はずるずると陰茎を奥まで咥え込んでいく。うまく陰茎に手を添えられずもどかしい。壁に手をついて、壁全体に身体をへばりつけるようにして必死に陰茎へむしゃぶりついてしまう。咥えたまま陰茎に舌を這わせ、上下に動かし、幾度も吸って刺激を与えていく。ガタ、ガタ、ガタと不規則に向こう側から鳴る音に、快感を与えている実感が満たされる。嗚呼、口を離せない、一生咥えていたい、ずっとこれを、味わっていたい……ッ♡ぁ゛♡うぁ♡な、なんだっ♡ふ、膨らんできたッ♡いッ♡陰茎全体が膨らんでッ♡ぉ゛♡ぁ゛ッ♡これ♡これ゛ッ♡
「! う゛ッ♡ん゛ぶぅ゛……ッ!♡♡♡」
瞬時の理解とともに全身が強張り、同時に、ペニスは射精した。僕の口腔は激しい勢いの射精で一瞬に全体が精液で満たされ、僕の粘膜を容赦なく犯していく。全身へと一気に巡る精子の臭い。それは間違いなく雄から雌へと賜われるなによりの褒章だと理解していたが、そのあまりの生臭さに耐えきれず、僕は反射的にえずき、それを畳へと吐き出してしまう。
「ん゛、ぶッ♡げッ♡ぅ゛、げぇ……ッ!♡」
ぼたぼたと畳に吐き出される精液は白濁を通り越して黄ばみ、固形物も混じっていて通常のそれより明らかに濃いと分かる。僕の口腔の中で着床も叶わず死んだ遺伝子達。それはあまりに滑稽で、しかしその無生産性が恐ろしく倒錯的に思え、興奮はまだ、止まらない。嗚呼、くそ。飲めずに、惜しい、ことをした……ッ♡
「うぁ゛ッ♡はッ♡はぁ゛ッ♡はあぁ゛……ッ♡♡♡」
吐き気を抑えるように口をぬぐい、呼吸を整えて顔を上げる。口淫。吐精。ひとりでは行えない未体験。それを噛みしめる僕の視界へ映るのは、まだ穴から覗いたままの、萎えたペニスだ。先程と違って頼りなく垂れ下がり、けれどまだ淫猥に僕の唾液でてらてらと光っている、僕が絶頂させた、僕が射精させた、雄、そのもの。
それを、まっすぐに、認識すれば。
「ぁ♡あ゛♡ぁあ……ッ♡」
……我慢など、できなかった。
「ふぅ゛ッ♡ふうぅ゛ッ♡♡♡」
僕は縋り付くように、再びその陰茎を咥え込んだ。それは先程よりも余程切実な、まったく本能に基づいた行為だった。ガタン!と今までのどれよりも激しい音が聴こえ、逃げるように腰が引く。けれど逃がす気などなかった。壁に爪を食い込ませ、ぢゅばぢゅばと全力で吸い上げながら壁に頭突きをするほど激しく、僕は前後に顔を動かしていく。
欲しい。欲しい。欲しい。欲しい。精子。精子。精子。精子。飲みたい、飲みたい。飲みたい。飲みたい。今度は。絶対に。この。雄の。精子を。身体に。染み込ませて。僕の。身体で。受精。させたい……ッ!♡
「ん゛ぶッ♡ぶッ♡ん゛ぐぅ゛……ッ!♡♡♡」
すぐだった。僕が無我夢中のままに行った口淫で呆気なく陰茎は勃起し、膨張し、射精が為され、僕が望んだように僕の口腔には、再び、精子が注がれた。
「ふッ♡んぶぅ゛……ッ!♡」
やはり臭い。そして不味い。けれどもう二度と吐き出す気にはなれず、僕は迎え入れるように射精を行う陰茎を自ら更に奥へと咥え込み、その吐精を受け止める。
うぁ♡す、ごいッ♡口ッ♡身体全体までッ♡濃い、雄の、臭いが、拡がって……ッ♡うぁ♡ぁ゛♡あぁ゛ッ♡の、喉に、精子が、引っか、かってッ♡ぁ♡熱いッ、精子が、食道から、胃、までッ♡ぉ゛♡な、なんだ、これッ♡ひっ♡ひッ♡ひぃ゛ッ♡
「ふ♡ふぅ゛ッ♡ん゛ぶぅ゛……ッ!♡♡♡」
……そのまま、僕は。
射精をされた状態で──絶頂、した。
ペニスを触らず、アナルも触らず、「精子で肉体を犯された」感覚だけで、達してしまった。驚きだった。肉体ではなく精神の刺激でエクスタシーを感じるなど幻想だと思っていたのに、事実僕はその状態で果てたのだ。スウェットの下に穿いた下着が熱く濡れていくのを感じる。僕が、僕でなくなってしまうように、感じる。
「ん、ふッ♡ふ♡ふ、ぁ゛……ッ♡」
ペニスから口を離す。どうしても名残惜しく、吸い上げながら陰茎を舌で撫でさする。カタ、カタ、と小刻みに鳴る音へ口を窄ませて、最後に亀頭へ口づけながら唇を離すと、唾液がつう、と陰茎から伸びた。
「は、ぁ゛……ッ♡」
再び視界へ晒される萎えた陰茎に、また、すぐに、むしゃぶりつきたくなる。こんなものが、今まで、隣で、僕を、執拗に、視ていた、なんて。嗚呼……ッ♡カラダ、がッ♡疼いて、とまら、ない……ッ♡ほしいっ♡ほし、いッ♡ちんぽッ♡ほしいぃ……ッ♡
「……あっ」
けれど僕の欲望が形になる前にペニスは穴から抜かれ、穴はすぐに、なにか黒いもので塞がれた。手を伸ばして触れると、木の板のようだ。固定されているようで、こちら側から押しても動く様子はない。
「──、」
まるで幻のような一瞬から引き戻され、僕は塞がれた穴を見つめたまま、ぼんやりと座り尽くす。幻視。幻覚。幻想。幻惑。どの単語も等しく当てはまる先程の時間はまるで手触りがなく。
「ッ──♡」
けれど口に残る生臭い精子の味と、下着の中に残る射精の不快感に僕は幻夢を超えた現実を理解し、願わくばもっと正確かつ的確に隣へ棲む雄を誘惑できるようにと、穴に背を向け、上階、いやこの建物全体にまで響くように大きく声を上げ、ディルドでの自慰を開始した。
慣れない肉体労働をしたせいだろう。暗くなった室内に、PCが薄ぼんやりと光っている。僕は起き上がりデスクライトを点ける。先程より幾分か開ける視界に、水でも飲もうかと立ち上がった。
そうだ。
今日は、穴を開けたか。
壁を壊して。
拳が入る程度に穴を拡げて。
そうして、隣へ、メモを──。
「──ッ」
……そこで硬直する。
薄暗い部屋の中。
僕自身が朝に空けた穴から。
勃起したペニスが……まるで謀ったように穴から挿し込まれて来たからだ。
「ッ──!」
流石に、狼狽えた。
壁に空いた穴からペニスが挿し込まれるという異常な状況は当然として、ペニスをこうして見るのもあまりに久々だったからだ。物心ついた頃に見た、父の物以来と言ってもいい。グロテスクで下品で俗物的な海綿体が壁から生えたように伸びている光景は、昨今官能小説でもお目にかかれないだろう。いや、むしろwebの素人小説なら幾つか該当作品は見当たりそうだ。
それでも実際にこの目で見る怪奇現象さながらの状態に、僕は息を呑む。これの差出人は間違いなく『隣』からのものだ。タイミングの良さはどう考えても僕を待ち構えていたとしか思えず、つまり相手は──隣人は──僕へこれを見せつけるために、ペニスを穴へと挿入したのだろう。
「ッ……♡」
自ら壁に空けた穴からペニスを挿入される、という格別の非日常に、嫌悪感を覚えるかと思っていた僕の感覚はまったく反対の反応を示す。……興奮だ。それは今まで「視られて」いたものと同じ分類の高揚で、つまり正しく、僕と彼の運命が廻り始めた証明のようなものだった。彼は動いた。動き出したのだ。僕へとそれを、示したのだ。僕に、これほど、こんなに勃起するほど──欲情しているのだと。
「っ、うぁ……ッ♡」
その理解に僕は目眩がするような心地を覚えながら、穴の前へとしゃがみ込む。真正面から視覚で認識するペニスはひくひくと脈動し、まるで生き物のようだ。一見では僕のものより大きい。長さ、太さ、形……経験に乏しいため断言はできないが、僕にとっては充分魅力的な雄の象徴に思えた。見ているだけで身体が反応し、まるで本能のように尻穴が疼いてくる。僕の身体は僕の知らない内に自らの手ですっかり「雌」へと変幻してしまったのだと、否応なく理解させられる感覚だった。
「ぁ、お゛♡ほぉ゛……ッ♡」
吸い寄せられるように陰茎へ鼻先を近づければ、饐えた臭いが鼻腔へと充満する。恐らく仕事上がりそのままの、洗浄していない状態だろう。強烈な臭気は僕の思考を麻痺させ、脳内は呆気なくこの屹立した海綿体への欲求で占められる。息を大きく吸い込めば、それだけで、恍惚の声が漏れた。
「んぁ♡はッ♡はぁ……ッ♡」
無意識に舌が伸びる。相手の視界には映らないのに媚びるように舌先を動かして、陰茎に這わせようとしてしまう。舐めたい。咥えたい。しゃぶりたい。このペニスで口腔を満たして、この雄を僕自身に刻み込みたい。
……嗚呼、発見だ。人間は極限まで欲情すると、呆気なく人間を捨ててしまえるらしい。駄目だ。こんなものを前にして、我慢など、できるわけがない……ッ♡
「ふ、う゛♡ぅう゛……んッ♡」
僕はひとつの躊躇いもなく、15年ぶりに相見える他者のペニスに吸い付いた。滑らかで円い、美しいフォルムの亀頭に唇を添えれば、ガタン、と向こう側で音が鳴る。そこで僕も自覚する。このペニスには間違いなく所有者が居ることを。そしてそれは、僕を視ていた男なのだと──。
嗚呼そうか、『君』も、欲情しているんだな……っ♡
「ふう゛、ぅ゛……ッ♡♡♡」
益々煽られた気持ちで、僕は陰茎への更なる接触を試みる。口淫など初めてだ。まったく勝手が分からない。だが僕だって男だ、ペニスは触れればどこでも性感を産み出すと知っている。より明確な性感帯は亀頭、裏筋、カリ首……。それなら、と亀頭全体を咥えるように、唾液で満たした口腔で全体を包んでいく。
「ふっ♡ふ♡ふぅ゛……ッ♡」
咥えると、口腔の全体へ臭気が溢れ、いよいよ脳内麻薬の分泌が止まらなくなるのを感じた。これは駄目だ。正真正銘の麻薬に等しい。尻が揺れる。いよいよ自身がただのはしたない雌と化していく。もっと欲しい。欲しい。欲しい……ッ♡
「ふぅ゛♡ん゛ふ♡ふぅぅ゛……ッ♡」
衝動に抗うことなく、僕はずるずると陰茎を奥まで咥え込んでいく。うまく陰茎に手を添えられずもどかしい。壁に手をついて、壁全体に身体をへばりつけるようにして必死に陰茎へむしゃぶりついてしまう。咥えたまま陰茎に舌を這わせ、上下に動かし、幾度も吸って刺激を与えていく。ガタ、ガタ、ガタと不規則に向こう側から鳴る音に、快感を与えている実感が満たされる。嗚呼、口を離せない、一生咥えていたい、ずっとこれを、味わっていたい……ッ♡ぁ゛♡うぁ♡な、なんだっ♡ふ、膨らんできたッ♡いッ♡陰茎全体が膨らんでッ♡ぉ゛♡ぁ゛ッ♡これ♡これ゛ッ♡
「! う゛ッ♡ん゛ぶぅ゛……ッ!♡♡♡」
瞬時の理解とともに全身が強張り、同時に、ペニスは射精した。僕の口腔は激しい勢いの射精で一瞬に全体が精液で満たされ、僕の粘膜を容赦なく犯していく。全身へと一気に巡る精子の臭い。それは間違いなく雄から雌へと賜われるなによりの褒章だと理解していたが、そのあまりの生臭さに耐えきれず、僕は反射的にえずき、それを畳へと吐き出してしまう。
「ん゛、ぶッ♡げッ♡ぅ゛、げぇ……ッ!♡」
ぼたぼたと畳に吐き出される精液は白濁を通り越して黄ばみ、固形物も混じっていて通常のそれより明らかに濃いと分かる。僕の口腔の中で着床も叶わず死んだ遺伝子達。それはあまりに滑稽で、しかしその無生産性が恐ろしく倒錯的に思え、興奮はまだ、止まらない。嗚呼、くそ。飲めずに、惜しい、ことをした……ッ♡
「うぁ゛ッ♡はッ♡はぁ゛ッ♡はあぁ゛……ッ♡♡♡」
吐き気を抑えるように口をぬぐい、呼吸を整えて顔を上げる。口淫。吐精。ひとりでは行えない未体験。それを噛みしめる僕の視界へ映るのは、まだ穴から覗いたままの、萎えたペニスだ。先程と違って頼りなく垂れ下がり、けれどまだ淫猥に僕の唾液でてらてらと光っている、僕が絶頂させた、僕が射精させた、雄、そのもの。
それを、まっすぐに、認識すれば。
「ぁ♡あ゛♡ぁあ……ッ♡」
……我慢など、できなかった。
「ふぅ゛ッ♡ふうぅ゛ッ♡♡♡」
僕は縋り付くように、再びその陰茎を咥え込んだ。それは先程よりも余程切実な、まったく本能に基づいた行為だった。ガタン!と今までのどれよりも激しい音が聴こえ、逃げるように腰が引く。けれど逃がす気などなかった。壁に爪を食い込ませ、ぢゅばぢゅばと全力で吸い上げながら壁に頭突きをするほど激しく、僕は前後に顔を動かしていく。
欲しい。欲しい。欲しい。欲しい。精子。精子。精子。精子。飲みたい、飲みたい。飲みたい。飲みたい。今度は。絶対に。この。雄の。精子を。身体に。染み込ませて。僕の。身体で。受精。させたい……ッ!♡
「ん゛ぶッ♡ぶッ♡ん゛ぐぅ゛……ッ!♡♡♡」
すぐだった。僕が無我夢中のままに行った口淫で呆気なく陰茎は勃起し、膨張し、射精が為され、僕が望んだように僕の口腔には、再び、精子が注がれた。
「ふッ♡んぶぅ゛……ッ!♡」
やはり臭い。そして不味い。けれどもう二度と吐き出す気にはなれず、僕は迎え入れるように射精を行う陰茎を自ら更に奥へと咥え込み、その吐精を受け止める。
うぁ♡す、ごいッ♡口ッ♡身体全体までッ♡濃い、雄の、臭いが、拡がって……ッ♡うぁ♡ぁ゛♡あぁ゛ッ♡の、喉に、精子が、引っか、かってッ♡ぁ♡熱いッ、精子が、食道から、胃、までッ♡ぉ゛♡な、なんだ、これッ♡ひっ♡ひッ♡ひぃ゛ッ♡
「ふ♡ふぅ゛ッ♡ん゛ぶぅ゛……ッ!♡♡♡」
……そのまま、僕は。
射精をされた状態で──絶頂、した。
ペニスを触らず、アナルも触らず、「精子で肉体を犯された」感覚だけで、達してしまった。驚きだった。肉体ではなく精神の刺激でエクスタシーを感じるなど幻想だと思っていたのに、事実僕はその状態で果てたのだ。スウェットの下に穿いた下着が熱く濡れていくのを感じる。僕が、僕でなくなってしまうように、感じる。
「ん、ふッ♡ふ♡ふ、ぁ゛……ッ♡」
ペニスから口を離す。どうしても名残惜しく、吸い上げながら陰茎を舌で撫でさする。カタ、カタ、と小刻みに鳴る音へ口を窄ませて、最後に亀頭へ口づけながら唇を離すと、唾液がつう、と陰茎から伸びた。
「は、ぁ゛……ッ♡」
再び視界へ晒される萎えた陰茎に、また、すぐに、むしゃぶりつきたくなる。こんなものが、今まで、隣で、僕を、執拗に、視ていた、なんて。嗚呼……ッ♡カラダ、がッ♡疼いて、とまら、ない……ッ♡ほしいっ♡ほし、いッ♡ちんぽッ♡ほしいぃ……ッ♡
「……あっ」
けれど僕の欲望が形になる前にペニスは穴から抜かれ、穴はすぐに、なにか黒いもので塞がれた。手を伸ばして触れると、木の板のようだ。固定されているようで、こちら側から押しても動く様子はない。
「──、」
まるで幻のような一瞬から引き戻され、僕は塞がれた穴を見つめたまま、ぼんやりと座り尽くす。幻視。幻覚。幻想。幻惑。どの単語も等しく当てはまる先程の時間はまるで手触りがなく。
「ッ──♡」
けれど口に残る生臭い精子の味と、下着の中に残る射精の不快感に僕は幻夢を超えた現実を理解し、願わくばもっと正確かつ的確に隣へ棲む雄を誘惑できるようにと、穴に背を向け、上階、いやこの建物全体にまで響くように大きく声を上げ、ディルドでの自慰を開始した。
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