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第一章
1-3.ヴィルフレート
細い三日月が、森の中に佇む屋敷を蒼く照らしている。
ヴィルフレートたちは、屋敷の周りに隠れていた人間を全員「始末」し終えた。身に着けていたものから、全員が帝国軍所属であることが判明した。
「情報は正しかったようですね」
シルヴィア奪還のために構成された五名の精鋭中、最も年若い山猫の獣人が言った。
続いて、最年長の牛の獣人がヴィルフレートに進言する。
「殿下はマレクとともにここでお待ちください。姫様は、我々が必ずお救いいたします」
ヴィルフレートは彼をまっすぐ見た。隙のない双眸は忠臣に発言の真意を問うていた。
「悪名高き『クロ・エジェ』の屋敷……どのような仕掛けがあるかわかりません」
シルヴィアは屋敷の中にいる――ヴィルフレートは自身の嗅覚で確信している。
そして、先の情報が、この状況が、十中八九敵の罠であることにも気づいている。
だが、罠を承知でシルヴィアを助けに来たのだ。ファウナピア陣営の中には今回の救出作戦に反対した者たちもいたが、彼らを責めるつもりはない。彼らは指導者であるヴィルフレートの身を案じたからこそ、憎まれ役を買ったに過ぎないのだから。
「どうかお聞き入れください。我々は貴方様まで失うわけにはいかないのです」
「五人で進めば、作戦の成功確率も上がるだろう」
「殿下……!」
「妹ひとり救えぬ者に、民を救えるものか」
発言に迷いがない。
賢明な臣下たちは、王子に退く意思がないことを悟った。
「案ずるな。おまえたちの足手まといにはならぬ」
「それは……心配してはおりませんが……」
謙遜でもなんでもない。ヴィルフレート王子は奪還作戦のメンバーのみならず、ファウナピア陣営にとって最高戦力である。
五名は屋敷に侵入した。待ち構えていたように、屋敷中の燭台に火が灯った。
彼らの目の前に現れたのは、執事服を着た灰色の髪の女。見た目だけなら山羊の半獣人に見えるが、まとう気配が否定する。彼女もクロ・エジェと同じく魔族だろう。女の見た目がどれほど美しかろうが、戦士たちは警戒をとかなかった。一目見て、彼女が実力者であると看破したからだ。
「お待ちしておりました。ヴィルフレート殿下」
執事は恭しく挨拶する。
「旦那様がお待ちです。お連れの方々もどうぞ……」
執事が背を向ける。
周囲を警戒しつつ、部隊は彼女のあとに続いた。
案内されたのは応接間。そこにはシルヴィアと、クロ・エジェらしき白金の髪をした青年がいた。
「お初にお目にかかります、ヴィルフレート殿下。ボクの名はクロ・エジェ。しがない調教師です」
青年は芝居がかった台詞と仕草で恭しく礼をした。愛想はいいが、目が笑っていない。
「さあ、どうぞ、お好きな席に」
すすめた椅子に座る気配のない面々を見たクロ・エジェは肩をすくめた。
「ボクにはあなた方と戦う意思はありません。これからボクが提案する内容は、あなた方にとっても決して悪い話ではないはずです。……さあ、まずはお座りになってください」
丁寧だが、有無を言わせない声の響き。
屈強な男たちを相手に、逆らうことは得策ではないと思わせる絶対的な音色。
ヴィルフレートたちはすすめられた椅子に座る。
執事が人数分の紅茶を運んできた。配膳を終えると、彼女は部屋の隅に立つ。
「マリエッタ、席を外してくれ」
「……しかしながら」
「席を、外したまえ」
「…………かしこまりました」
執事が退出すると、クロ・エジェの隣に座っていたシルヴィアが立ち上がり、対面に座る兄のもとへ駆け寄った。
「お兄様……!」
クロ・エジェが彼女の一連の行動を制止しなかったことに臣下たちはぎょっとした。ヴィルフレートも驚きに目を見開いたが、自分を抱きしめる妹の華奢な身体を優しく抱きしめ返した。
「……どういうつもりだ。貴様は何を企んでいる」
そう言って、クロ・エジェの方に視線を戻したヴィルフレートは、目の前の奇妙な光景に眉をひそめた。
先ほどまで涼しい顔をして場を支配していた青年が、顔中汗まみれにして紅茶をがぶ飲みしていたからだ。
「お兄様、彼はクロ・エジェではありません」
シルヴィアが兄たちに事情を説明した。
ハルキのこと。クロ・エジェのこと。
皇帝の目的を聞いたとき、山猫の獣人が激怒の声をあげた。仲間に咎められた後も、険しい表情はそのままだった。
「わたくしは、『ハルキ』は本当のことを話していると思ってます」
「……」
ヴィルフレートは妹の目をまっすぐ見た。目の光を見る限り、魔術の類で操られているわけではいないようだ。それに、シルヴィアはヴィルフレートの目を真正面から見つめ返せている。クロ・エジェや帝国軍の兵士たちに慰みもののような扱いは受けていない……それを確信し、兄は安堵した。
「マリエッタ……『クロ・エジェ』の執事は、僕が彼と入れ替わっていることを知りません。だから、これから彼女には内緒で、転送術であなたたちを森の外に送ります。……魔術自体、使うのは初めてなんだけど……たぶん、森の外くらいまでの距離なら大丈夫だと思います」
獣人たちは顔を見合わせた。転送術は大魔術だ。術者本人だけならともかく、複数人を送り出すともなれば、扱えるのは世界でも数人程度だと言われている。
「いや……転送術をできるできない以前に……俺たちはまだあんたを完全には信用できてない。飛ばされた先が帝国の牢獄だったらシャレにならん」
そう言ったのは熊の半獣人だ。
「それなら、僕がマリエッタの注意をなんとか逸らしますから、みなさんはその隙に屋敷を出てください」
「何故、そこまでする?」
これまで静かに話を聞いていたヴィルフレートが口を開いた。
「調教師としての信用を失うだけではない。皇帝は貴様の命を狙うだろう。……貴様は、何故そこまでして我々を助けようとする?」
「……あなたたちが、いい人だから……」
「……」
嘘をつくものは独特の臭いを放つ。この男からは嘘の臭いがしない。
「……皇帝の狙いが私の命ではなく、私自身ならば、これは使えるやもしれん」
「お兄様?」
「『クロ・エジェ』の調教を受け、完璧な奴隷になったと見せかけて……皇帝を殺す」
ヴィルフレートの作戦に、シルヴィアと臣下たち、それに『ハルキ』が驚愕する。
「殿下、それはあまりにも無謀すぎます!」
「この戦争は奴の死なくて終わることはない。臆病な奴が戦地に赴くのは、後がなくなった最終局面だろう。我々が戦いで負けるとは思っていない。だが……戦いが長引けば、それだけ犠牲も増える」
「ですが……仮にこの男の話が本当で、魂が異世界の者と入れ替わっているとして……いつ『クロ・エジェ』に戻るかもわからないのですよ!?」
「わかっている。ゆえに、私は『ハルキ』と『契約』を結ぶ」
「殿下!!」
老臣が心痛な叫びをあげた。
「──『ハルキ』、私の従魔になれ。私の死後、この魂は貴様の好きにしてかまわない。……『ハルキ』が『クロ・エジェ』と同じ魂だというならば、この契約はクロ・エジェにも有効なはずだ」
「お兄様……! 契約ならわたくしが……!」
「それは私が許さない。誰であれ、代役を名乗り出ることは許さん」
ヴィルフレートは『ハルキ』をまっすぐ見据える。青年の目は戸惑いで揺れている。クロ・エジェとして対峙したときとはまるで別人……いや、本当に「別人」なのだろう。今、自分たちの目の前にいるのは、『ハルキ』という異世界の存在。
「……ハルキ……本来ならば、異世界の住人であるおまえを、我々の戦争に巻き込みたくはない。だが、我々はこの戦争に必ず勝たねばならん。――どうか、力を貸してほしい」
ヴィルフレートは深く頭を下げた。民の命、仲間たちの命が少しでも多く助かるのなら、いくらでも地に額を擦りつけられる。
「……帝国軍から今回の依頼を受けたときに……あなたを調教している様子を記録しておけと言われました。あなたの作戦をもし本当に実行するのなら……僕は、『クロ・エジェ』のやり方であなたを調教しなくちゃならない」
「かまわない」
覚悟はとうにできている。
ヴィルフレートたちは、屋敷の周りに隠れていた人間を全員「始末」し終えた。身に着けていたものから、全員が帝国軍所属であることが判明した。
「情報は正しかったようですね」
シルヴィア奪還のために構成された五名の精鋭中、最も年若い山猫の獣人が言った。
続いて、最年長の牛の獣人がヴィルフレートに進言する。
「殿下はマレクとともにここでお待ちください。姫様は、我々が必ずお救いいたします」
ヴィルフレートは彼をまっすぐ見た。隙のない双眸は忠臣に発言の真意を問うていた。
「悪名高き『クロ・エジェ』の屋敷……どのような仕掛けがあるかわかりません」
シルヴィアは屋敷の中にいる――ヴィルフレートは自身の嗅覚で確信している。
そして、先の情報が、この状況が、十中八九敵の罠であることにも気づいている。
だが、罠を承知でシルヴィアを助けに来たのだ。ファウナピア陣営の中には今回の救出作戦に反対した者たちもいたが、彼らを責めるつもりはない。彼らは指導者であるヴィルフレートの身を案じたからこそ、憎まれ役を買ったに過ぎないのだから。
「どうかお聞き入れください。我々は貴方様まで失うわけにはいかないのです」
「五人で進めば、作戦の成功確率も上がるだろう」
「殿下……!」
「妹ひとり救えぬ者に、民を救えるものか」
発言に迷いがない。
賢明な臣下たちは、王子に退く意思がないことを悟った。
「案ずるな。おまえたちの足手まといにはならぬ」
「それは……心配してはおりませんが……」
謙遜でもなんでもない。ヴィルフレート王子は奪還作戦のメンバーのみならず、ファウナピア陣営にとって最高戦力である。
五名は屋敷に侵入した。待ち構えていたように、屋敷中の燭台に火が灯った。
彼らの目の前に現れたのは、執事服を着た灰色の髪の女。見た目だけなら山羊の半獣人に見えるが、まとう気配が否定する。彼女もクロ・エジェと同じく魔族だろう。女の見た目がどれほど美しかろうが、戦士たちは警戒をとかなかった。一目見て、彼女が実力者であると看破したからだ。
「お待ちしておりました。ヴィルフレート殿下」
執事は恭しく挨拶する。
「旦那様がお待ちです。お連れの方々もどうぞ……」
執事が背を向ける。
周囲を警戒しつつ、部隊は彼女のあとに続いた。
案内されたのは応接間。そこにはシルヴィアと、クロ・エジェらしき白金の髪をした青年がいた。
「お初にお目にかかります、ヴィルフレート殿下。ボクの名はクロ・エジェ。しがない調教師です」
青年は芝居がかった台詞と仕草で恭しく礼をした。愛想はいいが、目が笑っていない。
「さあ、どうぞ、お好きな席に」
すすめた椅子に座る気配のない面々を見たクロ・エジェは肩をすくめた。
「ボクにはあなた方と戦う意思はありません。これからボクが提案する内容は、あなた方にとっても決して悪い話ではないはずです。……さあ、まずはお座りになってください」
丁寧だが、有無を言わせない声の響き。
屈強な男たちを相手に、逆らうことは得策ではないと思わせる絶対的な音色。
ヴィルフレートたちはすすめられた椅子に座る。
執事が人数分の紅茶を運んできた。配膳を終えると、彼女は部屋の隅に立つ。
「マリエッタ、席を外してくれ」
「……しかしながら」
「席を、外したまえ」
「…………かしこまりました」
執事が退出すると、クロ・エジェの隣に座っていたシルヴィアが立ち上がり、対面に座る兄のもとへ駆け寄った。
「お兄様……!」
クロ・エジェが彼女の一連の行動を制止しなかったことに臣下たちはぎょっとした。ヴィルフレートも驚きに目を見開いたが、自分を抱きしめる妹の華奢な身体を優しく抱きしめ返した。
「……どういうつもりだ。貴様は何を企んでいる」
そう言って、クロ・エジェの方に視線を戻したヴィルフレートは、目の前の奇妙な光景に眉をひそめた。
先ほどまで涼しい顔をして場を支配していた青年が、顔中汗まみれにして紅茶をがぶ飲みしていたからだ。
「お兄様、彼はクロ・エジェではありません」
シルヴィアが兄たちに事情を説明した。
ハルキのこと。クロ・エジェのこと。
皇帝の目的を聞いたとき、山猫の獣人が激怒の声をあげた。仲間に咎められた後も、険しい表情はそのままだった。
「わたくしは、『ハルキ』は本当のことを話していると思ってます」
「……」
ヴィルフレートは妹の目をまっすぐ見た。目の光を見る限り、魔術の類で操られているわけではいないようだ。それに、シルヴィアはヴィルフレートの目を真正面から見つめ返せている。クロ・エジェや帝国軍の兵士たちに慰みもののような扱いは受けていない……それを確信し、兄は安堵した。
「マリエッタ……『クロ・エジェ』の執事は、僕が彼と入れ替わっていることを知りません。だから、これから彼女には内緒で、転送術であなたたちを森の外に送ります。……魔術自体、使うのは初めてなんだけど……たぶん、森の外くらいまでの距離なら大丈夫だと思います」
獣人たちは顔を見合わせた。転送術は大魔術だ。術者本人だけならともかく、複数人を送り出すともなれば、扱えるのは世界でも数人程度だと言われている。
「いや……転送術をできるできない以前に……俺たちはまだあんたを完全には信用できてない。飛ばされた先が帝国の牢獄だったらシャレにならん」
そう言ったのは熊の半獣人だ。
「それなら、僕がマリエッタの注意をなんとか逸らしますから、みなさんはその隙に屋敷を出てください」
「何故、そこまでする?」
これまで静かに話を聞いていたヴィルフレートが口を開いた。
「調教師としての信用を失うだけではない。皇帝は貴様の命を狙うだろう。……貴様は、何故そこまでして我々を助けようとする?」
「……あなたたちが、いい人だから……」
「……」
嘘をつくものは独特の臭いを放つ。この男からは嘘の臭いがしない。
「……皇帝の狙いが私の命ではなく、私自身ならば、これは使えるやもしれん」
「お兄様?」
「『クロ・エジェ』の調教を受け、完璧な奴隷になったと見せかけて……皇帝を殺す」
ヴィルフレートの作戦に、シルヴィアと臣下たち、それに『ハルキ』が驚愕する。
「殿下、それはあまりにも無謀すぎます!」
「この戦争は奴の死なくて終わることはない。臆病な奴が戦地に赴くのは、後がなくなった最終局面だろう。我々が戦いで負けるとは思っていない。だが……戦いが長引けば、それだけ犠牲も増える」
「ですが……仮にこの男の話が本当で、魂が異世界の者と入れ替わっているとして……いつ『クロ・エジェ』に戻るかもわからないのですよ!?」
「わかっている。ゆえに、私は『ハルキ』と『契約』を結ぶ」
「殿下!!」
老臣が心痛な叫びをあげた。
「──『ハルキ』、私の従魔になれ。私の死後、この魂は貴様の好きにしてかまわない。……『ハルキ』が『クロ・エジェ』と同じ魂だというならば、この契約はクロ・エジェにも有効なはずだ」
「お兄様……! 契約ならわたくしが……!」
「それは私が許さない。誰であれ、代役を名乗り出ることは許さん」
ヴィルフレートは『ハルキ』をまっすぐ見据える。青年の目は戸惑いで揺れている。クロ・エジェとして対峙したときとはまるで別人……いや、本当に「別人」なのだろう。今、自分たちの目の前にいるのは、『ハルキ』という異世界の存在。
「……ハルキ……本来ならば、異世界の住人であるおまえを、我々の戦争に巻き込みたくはない。だが、我々はこの戦争に必ず勝たねばならん。――どうか、力を貸してほしい」
ヴィルフレートは深く頭を下げた。民の命、仲間たちの命が少しでも多く助かるのなら、いくらでも地に額を擦りつけられる。
「……帝国軍から今回の依頼を受けたときに……あなたを調教している様子を記録しておけと言われました。あなたの作戦をもし本当に実行するのなら……僕は、『クロ・エジェ』のやり方であなたを調教しなくちゃならない」
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