5 / 143
5.親愛なるあなたへ?
しおりを挟む
「結局、総長の遺体上がらないらしい…しかもバイクも見つかってねぇ…」
「何処までいっても、あの人らしい死に方っすね!」
花束を河川敷に供えて手を合わせ泣く俺の横で、ケラケラ笑いながら答える軽い男。
「健太は、悲しくないのかよ!!お前一応副総長だろうが!!」
「一応ってとこ突っ込んでもいいっすか?」
「…………俺、マジお前嫌いかも」
「奇遇っすね。俺も三上さんのこと嫌いっす」
「……殴っていいか」
「聞いて殴るんすか?俺、もちろん断りますよ?」
「・・・。」
「俺だって悲しいっすよ…」
「け、健太ー!お前強がってたんだな。ぐすっ、此処には俺だけだ。正直に吐露しろ!さぁ心のままに思いをゲロしろ!!」
「俺、3000円貰い損ねたっすよ!悲しいっす!!」
「・・・。」
「何すか?俺、正直な気持ちゲロしたっすよ?」
三上がユラリと健太に近づきおもむろに羽交い絞めをし耳元で囁く。
「昔、主人が死ぬと召使や従者も一緒に殉死したらしい…」
「って、何故に羽交い絞めして河に進むんすか!俺、死ぬの嫌っすからね!しかもそれいつの世の話しっすか!!」
「お前、何でそんなにケロッとしてんだよ!!一番、可愛がって貰ってたくせに!!」
その言葉にすぐ反論の言葉を吐きだした健太。
「冗談でプロレス技かけられて肋骨折られたり、根性だとか言って一緒に立ち入り禁止の崖を登らされてファイト一発的な事をさせられた俺に言います?」
「………やっぱ、恨んでたのか?」
「その可哀想な子を見る目、止めてもらえます?恨んでないっすよ。やった後のフォローが…可愛いというか何ていうか…恨めないというか…モゴモゴモゴ」
「やっぱ、お前殉死しろ」
「何でそうなるんすか!」
慌てて俺から遠のく健太。
実際あの総長は加減を知らない。というか、クルミを素手で割れるぐらいの握力を持っており、超人的な人間だと誰もが口を揃えて言う。あの人が加減して殴っても、それを受けた人間は真剣に受け身をとらないと病院送りだ…。
それでもあの総長の人柄は皆を和ませ、居心地のいいものにした。惚れていたかと聞かれれば、健太にしても、俺にしても微妙な所だった。健太は俺と総長の1個下の16才。本来俺が副総長と思っていた所にこいつが転がり込んで、副総長の座を横取りしやがった。飄々とした喋り口調で喧嘩も弱そうなくせに、攻撃が全然当たらないし、効かない。さっき羽交い絞めしたのだって、実際こいつにとったらいとも簡単に抜け出せたはず。
だが、唯一総長にだけはお手上げらしい。その総長も俺等にはじゃれた攻撃をしても、こいつには加減なしでやってる節がある。だからか余計にこいつは総長のお気に入りになった。何処に行くにも連れて行ったし、お互い言いたい放題の仲になった。そこに年上年下というの序列の尊敬は無く、同学年の親友のような関係に見えた。
だ・か・ら・だ!
何故、健太はその総長が死んだというのに、平然といられるのかが不思議でならない。
紅蓮の仲間が供えただろう花束の山を見ながら、横に立つ健太をじっと見た。その視線に気が付いた健太が俺に呟いた。
「……実際、遺体が上がってないって事は、何処かで生きてますって…。殺してもあの人絶対死にませんから…。あの人人間じゃないですからね」
やけに真面目口調で言った言葉に引っかかりを覚えたが、こいつの気持ちも見えた気がした。
「何処までいっても、あの人らしい死に方っすね!」
花束を河川敷に供えて手を合わせ泣く俺の横で、ケラケラ笑いながら答える軽い男。
「健太は、悲しくないのかよ!!お前一応副総長だろうが!!」
「一応ってとこ突っ込んでもいいっすか?」
「…………俺、マジお前嫌いかも」
「奇遇っすね。俺も三上さんのこと嫌いっす」
「……殴っていいか」
「聞いて殴るんすか?俺、もちろん断りますよ?」
「・・・。」
「俺だって悲しいっすよ…」
「け、健太ー!お前強がってたんだな。ぐすっ、此処には俺だけだ。正直に吐露しろ!さぁ心のままに思いをゲロしろ!!」
「俺、3000円貰い損ねたっすよ!悲しいっす!!」
「・・・。」
「何すか?俺、正直な気持ちゲロしたっすよ?」
三上がユラリと健太に近づきおもむろに羽交い絞めをし耳元で囁く。
「昔、主人が死ぬと召使や従者も一緒に殉死したらしい…」
「って、何故に羽交い絞めして河に進むんすか!俺、死ぬの嫌っすからね!しかもそれいつの世の話しっすか!!」
「お前、何でそんなにケロッとしてんだよ!!一番、可愛がって貰ってたくせに!!」
その言葉にすぐ反論の言葉を吐きだした健太。
「冗談でプロレス技かけられて肋骨折られたり、根性だとか言って一緒に立ち入り禁止の崖を登らされてファイト一発的な事をさせられた俺に言います?」
「………やっぱ、恨んでたのか?」
「その可哀想な子を見る目、止めてもらえます?恨んでないっすよ。やった後のフォローが…可愛いというか何ていうか…恨めないというか…モゴモゴモゴ」
「やっぱ、お前殉死しろ」
「何でそうなるんすか!」
慌てて俺から遠のく健太。
実際あの総長は加減を知らない。というか、クルミを素手で割れるぐらいの握力を持っており、超人的な人間だと誰もが口を揃えて言う。あの人が加減して殴っても、それを受けた人間は真剣に受け身をとらないと病院送りだ…。
それでもあの総長の人柄は皆を和ませ、居心地のいいものにした。惚れていたかと聞かれれば、健太にしても、俺にしても微妙な所だった。健太は俺と総長の1個下の16才。本来俺が副総長と思っていた所にこいつが転がり込んで、副総長の座を横取りしやがった。飄々とした喋り口調で喧嘩も弱そうなくせに、攻撃が全然当たらないし、効かない。さっき羽交い絞めしたのだって、実際こいつにとったらいとも簡単に抜け出せたはず。
だが、唯一総長にだけはお手上げらしい。その総長も俺等にはじゃれた攻撃をしても、こいつには加減なしでやってる節がある。だからか余計にこいつは総長のお気に入りになった。何処に行くにも連れて行ったし、お互い言いたい放題の仲になった。そこに年上年下というの序列の尊敬は無く、同学年の親友のような関係に見えた。
だ・か・ら・だ!
何故、健太はその総長が死んだというのに、平然といられるのかが不思議でならない。
紅蓮の仲間が供えただろう花束の山を見ながら、横に立つ健太をじっと見た。その視線に気が付いた健太が俺に呟いた。
「……実際、遺体が上がってないって事は、何処かで生きてますって…。殺してもあの人絶対死にませんから…。あの人人間じゃないですからね」
やけに真面目口調で言った言葉に引っかかりを覚えたが、こいつの気持ちも見えた気がした。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
【完結】帝国滅亡の『大災厄』、飼い始めました
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
ファンタジー
大陸を制覇し、全盛を極めたアティン帝国を一夜にして滅ぼした『大災厄』―――正体のわからぬ大災害の話は、御伽噺として世に広まっていた。
うっかり『大災厄』の正体を知った魔術師――ルリアージェ――は、大陸9つの国のうち、3つの国から追われることになる。逃亡生活の邪魔にしかならない絶世の美形を連れた彼女は、徐々に覇権争いに巻き込まれていく。
まさか『大災厄』を飼うことになるなんて―――。
真面目なようで、不真面目なファンタジーが今始まる!
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
※2022/05/13 第10回ネット小説大賞、一次選考通過
※2019年春、エブリスタ長編ファンタジー特集に選ばれました(o´-ω-)o)ペコッ
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【R18】熱い夜の相手は王太子!? ~婚約者だと告げられましたが、記憶がございません~
世界のボボブラ汁(エロル)
恋愛
激しい夜を過ごしたあと、私は気づいてしまった。
──え……この方、誰?
相手は王太子で、しかも私の婚約者だという。
けれど私は、自分の名前すら思い出せない。
訳も分からず散った純潔、家族や自分の姿への違和感──混乱する私に追い打ちをかけるように、親友(?)が告げた。
「あなた、わたくしのお兄様と恋人同士だったのよ」
……え、私、恋人がいたのに王太子とベッドを共に!?
しかも王太子も恋人も、社交界を騒がすモテ男子。
もしかして、そのせいで私は命を狙われている?
公爵令嬢ベアトリス(?)が記憶を取り戻した先に待つのは── 愛か、陰謀か、それとも破滅か。
全米がハラハラする宮廷恋愛ストーリー……になっていてほしいですね!
※本作品はR18表現があります、ご注意ください。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる