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26.迷い人から迷惑人になる
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ザルビア国領土に入って暫くして、クロード皇太子自ら私達を迎えに来てくれた。というより、例の物を持ってきたと言うべきか・・・。
馬車にいる私を見ながら、それをゲルに渡すのが見えた。ゲルからそれを受け取るマルクス。当然私はマルクスの手の平に渡されたそれをガン見な訳だが・・・、小さすぎて分からない。
受け取ったマルクスがこちらにやって来て、ありえへんことを言いやがった。
「あそこにこれを塗れ」
思わず卒倒しそうだった。真っ赤になりながらパクパクと言葉が出せへん私に、小瓶を渡し無情にも扉を閉めたマルクス。
慌ててマルクスを呼び止めようと扉を開けたら、全員がこっちを見てた。
///恥ずかしすぎるぞ。なんや痔の薬を渡された感が半端なくする。開けた扉をすごすごと閉める私。
待たせれば待たせるほど中で何してやがる?などと要らぬ想像が広がりそうなので、仕方なく液体を塗る決心をする。
馬車内のカーテンを引き、中が見えんようにして下着をずらす。ずらした所で、こっちを向いて眠っているベルナールが気になった。念のため反対を向かせる。そして小瓶の蓋を開けた。
その瞬間、私は天国に旅だった。強烈などぶ川の匂いが立ち込めた。目がしばしばし、自然と涙が出た。そして、これ薄めて使うんかってぐらい強烈な匂いにのけぞった。
ベルさんも呼吸がしにくいように、ウーウー唸る。多分ベルさんは今、どぶ川に溺れてるなと察する。
躊躇すればするほど、蓋を開けたそこから悪臭を出しているため、意を決してそれを股間に塗った。そしてすぐに蓋をしめた。余りの臭さに耐えられず表に逃げる。馬車の中のベルさんはずっと、どぶ川に溺れたままだろう・・・。
地べたに手を付きぜぇぜぇしてたら、全員鼻を抓んでこっちへ来た。お前等ひどくね?涙目でやって来た全員を睨み付けると、マルクス以外が目を逸らした。何でマルクスは目を逸らさんかったかって言うたら、私のこの姿を見て笑うのを耐えていたからだ。
こいつ、いつかコロスと心に誓う。
そんな私の殺伐とした空気を変えようと、クロード皇太子が私の目の前に膝ま付いた。
「・・・ト、トーカ殿、よくぞザルビアに来られた。歓迎す・・うっ」
クロード皇太子のその歓迎の言葉も、鼻を抓んで最後に嘔吐かれたら、マルクスじゃないが私も笑いそうになった。
『ご迷惑をかけます・・・』
普通、お世話をかけるが宜しく頼むと言う言葉が出る所だが、今の心情そのままの言葉が出た。
そしてクロード皇太子率いる騎士隊の先導で王城に向かう。
その間、私の馬車内はどぶ臭さ充満だ。
3人は(1人は寝ながら)眉間に皺が寄ったまま早く王城に着くことを祈った。
ハンカチを鼻にあて、コチバの説明をするマルクス。
「コチバって森に生息してる木の実なんだけどな、実が割れて空気に触れるとこういう悪臭を放つ。それを利用して、よく農作物を荒らしにくる獣よけに使うんだ。ある種を除いて全の獣に効く優れものだ。盛りで我を忘れるぐらいの匂いもこの匂いが打ち消してくれる・・・というか、近寄りたくないって言った方がいいか。因みに風呂に入るまで、丸一日匂うからな!」
『///聞きにくねんけど、何であそこに塗んねん…。他の所でもええんちゃうんか?』
「///発信源に塗らなきゃ意味がねぇんだよ!なめんなよ、俺等の盛りを!そして、こいつ等の激しい盛りを!!!」
『・・・』
それから何とか王城に着き、夜も遅く各自用意された部屋に案内された。そして明朝に、ここザルビア国王と謁見となった。
私等を部屋を案内する人が、必死な顔でこの匂いを我慢しているのが分かった。鼻がパクパクと痙攣したかのように動く顔は笑いを誘う・・・。終いには、お前口で息してるやろがありありと見て取れた。
こんなんで王様に会えるんかって横に居たマルクスに聞くと、コチバを付けずに私と警護人のマルクスだけ別で会うって言われたらしい。だから、コチバは王との謁見が終ってから付けろって言われた。
そして、私等の後ろを見ると少し意識が回復しているのか、ここの騎士に肩を貸してもらいながら、ヨタヨタと歩きだしたベルさんに気づく。
近寄って声を掛ける。
『ベルナール、大丈夫か?意識戻ったんか?』
「む、む…む…臭い。此処は何処だ?…。まるで肥溜めの中にいるようだが…」
はっきりこの匂いをそう表現したベルさん。
その肥溜めを鬱陶しそうな目で見つめること数秒、「コチバか!」と叫んだ。
このコチバ、意識もうろうの人間も覚醒できるんか。恐るべしどぶ川、もとい肥溜め臭・・・。
「おっ、覚醒しても盛んなくなったな。コチバ様様だな、ベルナールよ」
「き・・き、貴様!また薬を使ったな!!」
元気になったベルナールが、マルクスに掴みかかった。慌てるザルビアの騎士を大丈夫と言う目で合図する私。
「お前、あれ使ってなかったら季節外れの"パパ"になってたぞ?・・ん、それとも何か、お前にとったらその方が良かったか?」
「///くっ!」
マルクスの勝ちってことで、その場が治まり用意された部屋に入る私等。
私が入る時、マルクスに五月蠅いぐらい言われる。
「もう一度言うが、コチバは風呂に入ったら効力が無くなるからな!風呂に入った後は、部屋から出るなよ!!」
『分かってるって。そこまでアホちゃうし!!』
だがその後、私がアホだと証明されることとなる・・・。
馬車にいる私を見ながら、それをゲルに渡すのが見えた。ゲルからそれを受け取るマルクス。当然私はマルクスの手の平に渡されたそれをガン見な訳だが・・・、小さすぎて分からない。
受け取ったマルクスがこちらにやって来て、ありえへんことを言いやがった。
「あそこにこれを塗れ」
思わず卒倒しそうだった。真っ赤になりながらパクパクと言葉が出せへん私に、小瓶を渡し無情にも扉を閉めたマルクス。
慌ててマルクスを呼び止めようと扉を開けたら、全員がこっちを見てた。
///恥ずかしすぎるぞ。なんや痔の薬を渡された感が半端なくする。開けた扉をすごすごと閉める私。
待たせれば待たせるほど中で何してやがる?などと要らぬ想像が広がりそうなので、仕方なく液体を塗る決心をする。
馬車内のカーテンを引き、中が見えんようにして下着をずらす。ずらした所で、こっちを向いて眠っているベルナールが気になった。念のため反対を向かせる。そして小瓶の蓋を開けた。
その瞬間、私は天国に旅だった。強烈などぶ川の匂いが立ち込めた。目がしばしばし、自然と涙が出た。そして、これ薄めて使うんかってぐらい強烈な匂いにのけぞった。
ベルさんも呼吸がしにくいように、ウーウー唸る。多分ベルさんは今、どぶ川に溺れてるなと察する。
躊躇すればするほど、蓋を開けたそこから悪臭を出しているため、意を決してそれを股間に塗った。そしてすぐに蓋をしめた。余りの臭さに耐えられず表に逃げる。馬車の中のベルさんはずっと、どぶ川に溺れたままだろう・・・。
地べたに手を付きぜぇぜぇしてたら、全員鼻を抓んでこっちへ来た。お前等ひどくね?涙目でやって来た全員を睨み付けると、マルクス以外が目を逸らした。何でマルクスは目を逸らさんかったかって言うたら、私のこの姿を見て笑うのを耐えていたからだ。
こいつ、いつかコロスと心に誓う。
そんな私の殺伐とした空気を変えようと、クロード皇太子が私の目の前に膝ま付いた。
「・・・ト、トーカ殿、よくぞザルビアに来られた。歓迎す・・うっ」
クロード皇太子のその歓迎の言葉も、鼻を抓んで最後に嘔吐かれたら、マルクスじゃないが私も笑いそうになった。
『ご迷惑をかけます・・・』
普通、お世話をかけるが宜しく頼むと言う言葉が出る所だが、今の心情そのままの言葉が出た。
そしてクロード皇太子率いる騎士隊の先導で王城に向かう。
その間、私の馬車内はどぶ臭さ充満だ。
3人は(1人は寝ながら)眉間に皺が寄ったまま早く王城に着くことを祈った。
ハンカチを鼻にあて、コチバの説明をするマルクス。
「コチバって森に生息してる木の実なんだけどな、実が割れて空気に触れるとこういう悪臭を放つ。それを利用して、よく農作物を荒らしにくる獣よけに使うんだ。ある種を除いて全の獣に効く優れものだ。盛りで我を忘れるぐらいの匂いもこの匂いが打ち消してくれる・・・というか、近寄りたくないって言った方がいいか。因みに風呂に入るまで、丸一日匂うからな!」
『///聞きにくねんけど、何であそこに塗んねん…。他の所でもええんちゃうんか?』
「///発信源に塗らなきゃ意味がねぇんだよ!なめんなよ、俺等の盛りを!そして、こいつ等の激しい盛りを!!!」
『・・・』
それから何とか王城に着き、夜も遅く各自用意された部屋に案内された。そして明朝に、ここザルビア国王と謁見となった。
私等を部屋を案内する人が、必死な顔でこの匂いを我慢しているのが分かった。鼻がパクパクと痙攣したかのように動く顔は笑いを誘う・・・。終いには、お前口で息してるやろがありありと見て取れた。
こんなんで王様に会えるんかって横に居たマルクスに聞くと、コチバを付けずに私と警護人のマルクスだけ別で会うって言われたらしい。だから、コチバは王との謁見が終ってから付けろって言われた。
そして、私等の後ろを見ると少し意識が回復しているのか、ここの騎士に肩を貸してもらいながら、ヨタヨタと歩きだしたベルさんに気づく。
近寄って声を掛ける。
『ベルナール、大丈夫か?意識戻ったんか?』
「む、む…む…臭い。此処は何処だ?…。まるで肥溜めの中にいるようだが…」
はっきりこの匂いをそう表現したベルさん。
その肥溜めを鬱陶しそうな目で見つめること数秒、「コチバか!」と叫んだ。
このコチバ、意識もうろうの人間も覚醒できるんか。恐るべしどぶ川、もとい肥溜め臭・・・。
「おっ、覚醒しても盛んなくなったな。コチバ様様だな、ベルナールよ」
「き・・き、貴様!また薬を使ったな!!」
元気になったベルナールが、マルクスに掴みかかった。慌てるザルビアの騎士を大丈夫と言う目で合図する私。
「お前、あれ使ってなかったら季節外れの"パパ"になってたぞ?・・ん、それとも何か、お前にとったらその方が良かったか?」
「///くっ!」
マルクスの勝ちってことで、その場が治まり用意された部屋に入る私等。
私が入る時、マルクスに五月蠅いぐらい言われる。
「もう一度言うが、コチバは風呂に入ったら効力が無くなるからな!風呂に入った後は、部屋から出るなよ!!」
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