ヤンキー・モンキー・ベイビー!

卯月うさぎ

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45.お前もかよ!byマルクス

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ゴルダに向かう道の先で、1本の竜巻が見えた。ベルナールがすぐに反応する。

「魔術だ!!」

全員に嫌な予感が走る。
グラン達は間に合わなかったのか?!間に合ってそれなのか?!皆が乗ってる馬に鞭を打つのが分かった。
猛突進でいち早く行くラムス閣下。もうそこには、先程のKYな男ではなく戦場の魔獣が居た。
ついて行けない俺達……。やっぱすごい人だと皆が思った。

ラムス閣下から数十分遅れて竜巻の所に到着すると、そこにグラン達が立っていた。事の詳細を閣下に話していたようで、もう一度俺達にもその内容を話す。
その間、ラムス閣下が必死に竜巻の中に入ろうと苦戦していた。
詳細を聞いた俺達も、竜巻に入ろうとするが跳ね返され怪我を負うばかりだった。焦る俺達……。

「くそっ!!」

誰とも言わずそんな声が上がった時、竜巻が突如と消えた。

「・・・。」

ギルスさんと俺は、引き攣る。
抱き合う2人。しかも、少年はトーカの胸辺りに顔を埋めてる。少年の頃、一度はやって見たい夢の胸パフだ!どういう経緯でそうなった?中で何があった?お互い聞きたい事は山ほどあるが、今の対処はこうだと判断する。

「がぁー、説明するからまずお前は、その少年から離れろ!今すぐ2m以上開けろ。でないとこいつ等の収拾がつかなくなるだろうが!!少年、お前も死にたくねぇだろ!?」


番認定者の鼻息が半端ない。俺の言葉でトーカから離れた少年。
その少年を見て、後5年もしたら流し目一つで、女にやりたい放題な男が出来上がると確信する。
しかも、トーカから離れる瞬間、番認定者を睨んだように見えたのは俺だけか?

そして、トーカに真実を話すため、少年に席を外してもらおうと目を向ける。それが分かったのか、その場から離れようとした少年。ポポも聞いたらええと言って呼び止めたトーカに、ゲル様は素性の知れない少年に聞かすような話ではないと言って、反対した。ローレリアが関わってる以上、ポポも聞く権利があると頑固に主張した為、仕方なく事の始まりと今置かれている状況を説明する。

説明が終ると、あんぐり顔の2人。まっ、正常な反応だなと思い、次に健太の秘密に移行する。この話はトーカだけが間抜けな顔で健太を見てた。その顔が、般若の顔に変わる。途端横に居た健太がいつの間にか俺の背後に回っていた。

嫌な予感がして、必死に声を出す。


「け、健太、離れろ!!俺は関係ないだろうが!!」
「酷いっす。今の今まで俺を頼ってたくせに、ここで俺を突き放すとか大人はずるいっすね」
『健太、そこに座れ!教育的指導したる!お前なめてるやろ。私を1年以上だましてたんやな?!』
「何処のこと言ってるっすか?」
「がぁー、だから二人羽おりみたいな位置から話すな!俺がやばいだろうが健太っ!!」
『お前、帰るとこがない言うてたやろうが!!』
「そこ?!そこっすか?竜人とか、迎えに来たとか、他にあるのにそこっすか?俺、今だに総長の頭の中読み切れてないっす……」
『がぁー!!!』
「あっバカ!お前一言多いんだよ!ひっ、寄るな、トーカ!俺は関係ねぇ。見えてるか……おい!」
『黙れ!』
「ぶへっ!!」「げっ!」


マルクスごと健太を吹っ飛ばす。
そこにいた全員が健太は自業自得。マルクスは……不運な男と思った。

ポポは、それを見て大笑いしていた。一回目の笑いの思い出になった。


***


「なぁ……」
『し・つ・こ・い。帰らへん!』
「だ・か・ら・健太も言ってただろうが!向うから迎えにこさせるって…。お前が動くと色んな意味・・・・・危ねぇんだ!!」
「僕が守りますよ」


あの話をして、余計に東に行くと言って歩みを止めないトーカ。それを説得をする俺。その度にポポと言う少年が割って入った。


"やっぱり、お前もかよ!"って思うほどだ……。


他の番認定者は、もっか東に行く気満々になっているから、あてにならない。
そのきっかけを思い出す。

ベルナールが嬉しそうにトーカの手を取って、自分の馬に乗せようとした時ポポが声を掛けた。

「トーカさん、こっちに乗った方がいいですよ。この人達、ローレリアに連れて行く気なさそうですし」

そう言ってトーカを引っ張って、ロバに誘導するポポ。
慌ててベルナールがトーカの腕を引っ張るが、その時言われた言葉に番認定者の心が、矢じりの如く東に向いた。

『止めるような番はいらん!今は番を守れるような男が欲しい!!』

以上ギルスさんと俺が出る幕のない暴走への旅立ちが決定した瞬間だった。
横のガントが俺に話しかける。

「なぁ、あれの何処に魅力があるんだ?確かに見た目はいいが…性格があれだぞ?心に響くセリフを吐くと思えば、やる行動はバカそのもの…わっかんねぇって言うか分かりたくねぇというか……」

こいつとは気が合うと思った。横から何故か俺に懐いた健太が顔を出す。

「桃花さんに惹き込まれる人って共通点があるっす」

その言葉に食いつく俺とガント。何故か、ギルスさんまで馬を前に出して来た。
早く言えとばかりに、全員の馬で健太を挟み込む。

「健太様、今後の為にご教授を!!」
「いいっすよ、簡単っす」



"ゴーイングマイウェイな人っす"



その言葉に1人1人当てはめる。

ゲル様・・・オレ様なゴーイングマイウェイだ。
ラムス閣下・・・空気の読めないゴーイングマイウェイな人だ。
ベルナール・・・騎士道まっしぐらで融通の利かないゴーイングマイウェイな奴だ。
クロード皇太子はと思ってギルスさんを見ると、額に手をやり天を仰いでいた…。なるほど……

俺の今気になるを見る。あの歳(12歳)で、我が道を行っている……。

確実にゴーイングマイウェイだと認識した。


「「「・・・。」」」


全員の頭で整理が出来たところで、健太が続きを言う。

「それぞれバラバラなゴーイングさん達を、さっきガントさんが言った心に響く言葉で立ち止まらせたらどうなると思います?」

どうなるんだって顔で健太を見ると、そんな事も分からないのかってな顔をされた。
此処に居る大人全員を敵に回す健太。

「自分のポリシーが揺らいだら、揺らがせた張本人にその答えを求めるっす。でもその相手は全く揺らがせた事に気づいてなく、とことんゴーイングマイウェイに突き進む。答えを求めて桃花さんについて行って、いつの間にか桃花さんの我が道を歩いてるっていうオチっす」

健太の説明にあんぐり顔の3人。
恐る恐る、聞いてみる。


「ち、ち…因みに、ついて行った奴等の行きつく先は何だと思う?」
「う~ん…人生悟ったみたいに、平凡が一番幸せだったとしみじみと言うんじゃないっすか。あの豪快な人について行くんすよ?」

そう言って前を歩くモンキー娘を指さす。ガックリとギルスさんと2人肩を落とすとガントがカラカラと他人事のように笑った。そんなガントがモンキー娘をからかいに行く。

「よう、トーカ!それ・・でちんたら行くのもいいが、こっちにも乗れよ」

そう言って、トーカの前に馬をつけて、トーカに手を伸ばした。
その途端、それ・・に手を噛まれたガント…。


「いでっ!あっ、この野郎!!」


不細工な声でガントを威嚇するロバ。ガントが廻りこめばそちらに向き直り、上下の歯を打ち鳴らしカスタネット攻撃をしていた。
そこまでするロバに、違和感を感じる。そして、やり合うロバの股間に有るモノが見えた。


オス………………。


そして、トーカが大笑いして話したポポと同行した経緯を思い出す。


"何でか知らんけど、こいつ私に懐いてしもてな。はははは・・・"


ロバも性格は、ゴーイングマイウェイだ。


「お前もかよ!」と脱力しながら1人ごちた。



今だ、人ではない番認定者の一頭と戦っているガントに、知りたくない事実を見せられ、今後のお守りにまた1人(?)増えた事に、頭を悩ませるマルクスであった…………。
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