ヤンキー・モンキー・ベイビー!

卯月うさぎ

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52.やられたら、やり返すぞ!

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赤毛の言う通り、囮作戦で東へ向かう事になった。


私がバロンに乗ろうとしたら、ひょいっと赤毛に担がれる。


「嬢ちゃんはこっちだ」


そう言って、自分の馬に乗せた。納得のいかないポポがすぐに文句を言う。


「ホルスさんに僕の腕も直してもらいましたし、このバロンは馬並みな速さはありませんが、馬力は馬に引けをとりません。それに、僕は坊主ではありません。ポポという名前があります」

「敵が襲って来たら体高の低いロバで、しかも腕っぷしも魔術も俺らより下なポポちゃんで嬢ちゃんを守れるか?」


そう言われて、苦い顔をするポポに仕方なく私が謝っといた。




そんなこんなでジャージルを出て、3日。生理も終わった頃、土煙と共に見慣れた男共がこっちに来るのが見えた。

しかも、良く見たらうんこ付きであった・・・。


「漸く揃ったみたいだな」

「左様で」


赤毛とホルスさんが馬を止め、こいつ等が来るのを待ってたかのように言った。


ベルさんが着くなり早々、私に手を広げた。

こっちに来いと言う事だろう。赤毛を見ると、どうぞと言う具合に後ろから抱くようにしていた腕を緩めた。

その瞬間奪い返すように、ベルさんの方に引っ張られる。

馬から降ろされ、私を後ろに居たクロード達に渡す。



そして、ベルさんが赤毛に向きあった。



苦い顔をするポポに、仕方なく私が謝る。

そんなこんなでジャージルを出て、3日。生理も終わった頃、土煙と共に見慣れた男どもがこっちに来るのが見えた。

しかも、良く見たらうんこ付きであった・・・。


「漸く揃ったみたいだな」
「左様で」


赤毛とホルスさんが馬を止め、こいつ等が来るのを待ってたかのように言った。

ベルさんが着くなり早々、私に手を広げた。
こっちに来いと言う事だろう。赤毛を見ると、どうぞと言う具合に後ろから抱くようにしていた腕を緩めた。
その瞬間奪い返すように、ベルさんの方に引っ張られる。馬から降ろされ、私を後ろに居たクロード達に私を渡す。

そして、ベルさんが赤毛に向き合う。


「貴殿は誰だ」


ゲル達も赤毛を睨み付ける。
慌ててマルクスが経緯を説明をした。説明を聞き終わり、再度ベルさんが赤毛に向き合う。


「ジル殿は、トーカ殿を祖の王に会わすと言うが1つ疑問がある」
「何だ?」


ニヤニヤ笑う赤毛。
ベルさんの後ろ全員が何故か剣に手を置いていた。ホルスさんはそれを馬上でじっと見ていた。


「祖の王は、何故ローレリアの神官を止められない?……そして今、祖の王の立場は如何に!」


その問いを聞いた瞬間、ニヤニヤしていた赤毛が真顔になった。
暫くして、声を出して大笑いする赤毛。

その嫌な笑いに全員緊張が走る。
マルクスがポポに命令するのが聞こえた。


「ポポ、竜巻起こせ!」


その言葉が終らないうちにポポが竜巻を起こす。

だが、それをホルスさんがかき消す。
「ホルス!」そう赤毛が言った瞬間、私の目の前がぐにゃりと曲がって景色が無くなる。えっと思った瞬間、私の知らない城の中にジルとホルスさんの3人だけが立っていた。

理解が出来なくぼーっと立ってる私に、


「嬢ちゃん、悪いな。騙したんだわ」


そう言って笑って首に何かを刺した赤毛。そして、私はそこで意識が無くなった。


***


「やられた!!」

ガントの荒げた声に皆が苦虫を潰した顔をした。ベルナールは怒りで、地面を蹴っている。そんなベルナールに疑問をぶつける。

「何であいつが怪しいって分かった?!」
「簡単だ」

そう言って怒りで興奮しているベルナールの代わりに後ろに居たゲル様が答えた。

「お前達を追跡するのに、ジャージルに入った途端トーカの例の匂いがした。普通、国中におふれが出ているのであれば、あれが何の匂いでそれを放つのは迷い人となるだろう。それなのに、ジャージルの兵士も傭兵もトーカを捕獲しなかった。これは、どういうことだと思い、ジャージルで少し調べた・・・」

そう言ったゲル様の言葉にクロード皇太子がその先を言う。

「出ていないんだよ。そんなおふれは」
「はぁ?!でも、ターベルもザルビアもそのおふれでトーカを捕まえようとしたんじゃないのか?」

意味が分かんねぇ…そう呟くガント達。今度はその疑問にギルスさんが答えた。

「おふれが出ていたのは、私達の国だけだったんです。先程マルクス殿の説明を聞き、全員に疑問が出た。グランの質問にあのジルという男は "国中にローレリアの神官からおふれが出てるのは知っている" その言葉はおかしいと感じたんですよ。それに祖の王の為の騎士だと言っただけで、トーカ様の味方ではない。それでベルナール殿が祖の王の立場は如何にと聞いたんです」

「・・・。」

あいつを信用した自分に腹が立ってギリリ・・と唇を噛んだ。


「なぁ、何でババ将軍達も一緒なんだ?」


もう1つの疑問をビリーが聞いた。確かに、何でお前等も居るんだ?俯いた居た俺も顔を上げる。


「ジャージルでクロード様達と会い、事の真相を聞き申した。早まった事態にならない為にも、ターベルとザルビアに、伝令を飛ばしましたぞ。我等は取りあえずトーカ殿の御身が大切かと思い馳せ参じたまで」


事の真相が分かっても、此処にモンキー娘がいねぇんじゃ意味がねぇ。

どうすんだって感じで全員が黙り込んだ。



そんな俺達の後ろで、健太やラムス閣下が座り込んで何かをして盛り上がっていた。


「おぉー!ポポさんすげぇっす」

「ポポ殿は天才でござるな!」


こんな時に何が凄いんだと思い覗いてみる。


凄いと言われたポポから紐みたいなものが出てた。それが、どんどんそれが大きくなってる。



そして、それが綱ぐらいの大きさになった時、グイッと引っ張って強度を確かめ、にんまりと笑ったポポ。



「さぁ、皆さん!トーカさんが連れていかれた所に転移魔術で行きますよ。すぐに準備して下さい」


慌てて俺がポポに聞く。


「転移魔術って、ローレリアの一部の人間しか出来ないだろう?」
「転移はね。でも追跡魔術は僕にでもできますよ。あいつ等が転移する瞬間、トーカさんに追跡の術を掛けたんですよ。焦ってやったから術が薄かったために、糸みたいだったんですけど念を送って綱ぐらいにしてみました。これで、向うと此処はまだつながっていますから、綱を縮めて僕等も向うに行けるってことです」


そこに居た全員がポポを拝んだ。

ベルナールが騎士数名をそこに残し、ポポの追跡の魔術の綱を持つ。
ポポが、重量オーバーで無理と断ったが、全員がトーカを助けるのだと言って譲らなかった。

仕方なく、ポポは時間の限り術の綱を太くする。全員の支度が出来、ベルナールが声を上げた。


「やられたら、やり返すぞ!」


その言葉に全員が、おぉーと声を揃えた。


「行きますよ。皆さん綱に掴まって下さい」


ポポがそう言うと、綱が空間の中に引き込まれる。綱を持った人間がぐにゃりとその空間に入って行った。綱が一方向に向かって引っ張られて行く。目の前に出口の光が見え、皆が行ける!と思った瞬間、ポポが残念そうに呟いた。


「やっぱり重量オーバーだ・・・」



そう言った途端プツンと綱が切れ、皆がバラバラと空間の間に落ちて行った……。

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