ヤンキー・モンキー・ベイビー!

卯月うさぎ

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51.面白れぇな!

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お互い握っていたモノから手を離す。
思わず直でソレを握った感触に手をニギニギすると、赤毛が私の耳元でまた余計な事を言った。

「スケベ」

腹が立ったので、巨大マツタケをもぎるように下に倒した。
そのまま崩れるようにうつ伏す赤毛。健太がそれを見て十字を切ったのが見えた。

ジル様と呼んでた男が慌てて赤毛の股間に回復魔術を掛ける。
ポポはそれを見て大笑いだ。

ポポに痺れ薬と媚薬を飲まされた事を言うと、今だ悶絶うつ赤毛を殺す勢いで睨んだ。
そして自分の巾着から私に薬を渡す。


「これを飲んで下さい。火照りが収まります。痺れはもう少ししたら治まると思いますから、我慢して下さい」

そう言って○露丸のような物を渡され、それを飲んだ。暫くして、体の火照りがなくなる。
私の火照りも無くなった頃、赤毛も復活していて、魔術師らしい男と話していた。

「はぁー、大変な目にあった・・・。さてと・・これで全員か?」
「まだ他にいますが、今はこれだけです」


それをぽけっと見てたら赤毛と目が合い、にやっと笑われる。
そして、健太に向き合う赤毛。

「俺は、ジル・ヴァインズ。ケンダロス、お前の父君の使いだ。そこの嬢ちゃんを迎えに来た」
「えっ、俺、赤毛さんのこと全く知らないっすよ。だから、信じられないっす」
「証明できるものは、あるのか?!」


ガントが赤毛に聞く。
すると赤毛が横の男に目配せをした。男が私達に映像を見せる。

ポポがそれを見て感動していた。何でもこの映像魔術は特S級クラスの人間しか出来ないらしい。
映像には中年の男性が急ぎ早にメッセージを残していた。


"ジルに、お前とモーカ様をお守りするよう頼んだ。だから…ローレリアに無事に来い、待っているぞ。ケンダロスよ…お前がこのメッセージを見る頃には、私はもうしん…くそっ、もうだめか……ガタン…何をっ!………"


黒装束の男達の影が見え、そこで映像は途切れた。
父親の最後の言葉・・・。皆が、項垂れる健太を見てた。


「これで信じたか?」


全員が無言だ。そんな中ポポが赤毛を睨みながら質問する。

「じゃ、何故貴方はトーカさんをレイプしようとしたんです!?」

確かに!私を迎えに来たはずのお前が何故襲う?!被害者の私が再度訊ねてみる。

『おい、赤毛。説明してもらおうか。っていうか、いい加減それしまえ!ようよう考えたら、決めポーズの下はフルちんって恥ずかしないか?』
「嬢ちゃんの方が、言ってて恥ずかしくないか?」

そう言ってベットのシーツを腰に巻く赤毛。そして上半身はそのままで私に説明を始めた。

「最初はからかい半分でやったんだが、途中でちょっとマジになった。媚薬は軽いやつだったんだが、嬢ちゃんにはきつかったみたいだな」
『からかい半分のわりに、下半身はやる気満々やったけどなっ!』
「それは、男の生理現象だ。嬢ちゃん、逆に萎えられるよりいいだろ?」
『・・・・。もうひとつ、お前何であの男殺した?!』

私等にちょっかい出してきた男をぶった切った事に腹が立ってこうなった。その原因の理由を問う。


「んー、さっきも言ったが俺等は嬢ちゃんを迎えに来たんだが、先行隊で様子を見に行かせてた部下から、嬢ちゃん達がもうこっちまで来てるって連絡が来た。それじゃ此処で待ってるかって事になったんだが、治安の悪い此処で滞在してる間、あの男の行動にキレてたんだわ。あの男達、この街で女犯しまくってるゲス野郎でな、人殺しも闇討ちも何でもあり。嬢ちゃん達がちょうど絡まれてたから、これはチャンスと思って天罰で殺したまでだ。それに嬢ちゃんは俺の獲物だって知らしめるのに、いい演出になるしな。暫くは此処の傭兵共も嬢ちゃんには手を出せない。一石二鳥だ!」


そう言って笑う赤毛。


「私からも質問する。国中にローレリアの神官からおふれが出たと聞いた。それでも、貴殿等は我らの味方か?!」

グランが、一番ネックな事を聞いた。

「愚問だな。俺達は、祖の王直属の騎士隊だ。国中にローレリアの神官からおふれが出てるのは知っている。だが俺達は神官共の下僕じゃない。祖の王の為の騎士だ」
「では、貴殿等は聖騎士団の者か!」
「そういう事だ。宜しくな、モ?・・モモウガ様?」

赤毛がそう言うと、そこに居た屋敷の連中が私に膝まづいた。
さっき映像を見せた男が赤毛の足りない言葉を言う。

「モーウカ様、私はホルスと申します。ジル様の悪戯をお許し願いたい…。お止めしたのですが、面白い事が大好きな方でして…本当に申し訳ございません。再度、お詫び致します」


突っ込みは2個あるな。さっきの健太の親父もそうやけど、誰一人私の名前を正確に言うてない。
ほんでもって、楽しい事って何やねん。しかもあれを悪戯って言うたな?今後、赤毛の悪戯は要注意と心にメモる。

『もう言いにくそうやしトーカでええ。それと…、迎えに来てくれたんはいいけど、この人数目立つやろ?敵に教えてるようなもんちゃうか?』
「嬢ちゃん、そこだ。おい、ロッカ!」
「はい。こちらに・・・」

そう言って、侍女さんが出て来た。
さっき、私の生理の服とかをちゃっちゃとしてくれはった人や。

「俺達は、囮と本体に別ける。ロッカが囮で聖騎士隊を伴う。で、俺とホルスだけお前のお茶らけ隊に入る。言い筋書きだろ?」
「その女性に危険は?」

グランが侍女さんを気遣う。
何て紳士やと思っている横で、失礼な会話が耳に入り拳を握る。


「桃花さんより、ボインっす?見た目でアウトっすね!」
「布を巻いて押さえてもらうには確かにでかすぎるな…。それに、こっちのバカ猿とオーラが全く違うじゃねぇか」
「未熟と成熟ってとこだな」

ぎゃははは・・・と笑い合う健太とマルクス、そしてガント。が、次の瞬間そこに居た全員が石になった。




「心配すんな、こいつ男だ」



チ──ンと仏壇のりんが鳴った。
グランがふらついたのを後ろにいたディオが受け止める。


『ちょっと待てやー!!私の生理も…この人にみ、見られ……///がぁー!!』
「気にすんな。俺等も騎士だ。血は見飽きてる」
『お前等が気にしんでも私が気にするわ!それに何で乳あんねん。男やったらぺったんこやろ!!』
「ドレスの中に綿を詰めてんだよ。襟首の詰まったドレスなら全く分からんだろ?脱げば正真正銘の男の身体。立派な竿が下についてんぞ。しげしげまた見るか?」
『///がぁー!!精神的に穢されたー!もう立ち直られへん…今日は厄日やーー!』
「この嬢ちゃん、やっぱりいいなっ!これは面白れぇ旅になりそうだぞホルス!」



「ジル様・・相手は存分に嫌がっておいでですが・・・」

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