ヤンキー・モンキー・ベイビー!

卯月うさぎ

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57.エロじじい!!

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クロード達の人質解放から少しだけ、遡った頃のトーカ達──────。


「姫様、もっとフードを深く被ってください。何かあったのか、兵士達の数がすごいんです」
『ムムム・・深く被ったら前が見えん!』
「しっ!向うから神官がこちらに来ます。下を向いて会釈だけして下さい」

中年の小太りな男と兵士達がこちらに来るのが見えた。
下を向き、その男の足だけを見る。

「ロス、今は大事な役目の時間ではなかったか?!」
「役目はすぐに済みました。女日照り故…あまり深くは聞かないでください」
「///済まぬ。確かに長ければ良いというものではないな、恥をかかせた。役目ご苦労だったな。明日も頼むぞ。何としてもあの姫には、孕んでもらわなければ…。で、その後ろの者は?」
「今年入りました神官見習いです。私が姫様の夜伽役に命じられた時点で、私の世話役に付いた者です。少し体が汚れました故、湯あみの準備をさせる為この者と、今から大浴場に行くところです」
「そうか、足を止めさせてすまぬ。それと、あまり城内を出歩かないほうが良いぞ。今、あの姫の従者らしい者達が侵入して暴れておるそうだ。魔術を使える私も今から警備兵と一緒に見回りだ」
『!!』


フードの下で顔がにやけた。あいつ等来てくれたんや。

「なるほど…この兵士共はそういう事でしたか。では、急ぎ部屋に戻る為にもこれにて」


そう言って、小太りの男に会釈してその場を去った。
ばれずにすんでほっと胸を撫で下ろす。

ロスが前を歩きながら呟くように私に言う。

「これから起こる事に、あの方も含めて心が侵食されている神官達はどうするのでしょうか…。黒く染まった物を白くは出来ない…今の会話でそんな感じがします」
『なぁ、白が黒に侵食されるって悪い意味はあっても、逆のイメージが持てへんって言うのもおかしな話しやと思わんか?黒を白に侵食…。対極する色が混ざるんや、時間は掛かる。それに、簡単に変えれるんやったら、こんな状態になってへんやろ?侵食者を増やさない。それが今後のあんた等の仕事やと思うけど。ただ、若いあんた等では心もとない…。生きてたらええけどな、あんたが言うルビナス様とやらが……』
「・・・」


今私等が向かっているのは、元神官長ルビナスの所。私が立てた計画は、傀儡の解放やった。
ロスから事の詳細を全て聞き、傀儡の正体を聞いた時は、怒りが込み上げた。

そしてその傀儡が監禁塔、祖の王達の見張りをやらせてると聞いた私が、ひらめいた。


『アイザック神官長は聖騎士団達が攻めにくいようにわざと兵士ではなく元同僚の傀儡を配置してる。逆に言えば、傀儡を元に戻せたら、それは仇となる配置や。人質は元に戻った傀儡に解放されるし、味方も増える。ただ…問題が傀儡の術を解けるのは、やった本人だけやろ?他に術を解く方法はないんかな?それがクリア出来れば、事はこっちに優位に動くで!』


ロスがなるほどと言って考え出した。暫くして、元神官長のルビナスと言う名を出した。

ロスも噂だけで会った事がないらしいのだが、今の神官長と魔術レベルは同じ位かそれ以上で、傀儡の術を解く方法も知っているかもしれないという。

だがこの人、20年前の召喚失敗の責任を取らされ、幽閉。そして純粋な血ばかりに囚われた歴史に異議をずっと言っていた勇気あるご老人でもあるそうだ。

私の親父(兄王)もその人の事を大そう信用していたと付け加えた。血だけを大事にする今の神官長とよく揉めていた為、この20年間、生き地獄のような待遇であろうことは明白。だから生きてるかどうか…と言葉を濁したロスだった。


慌ただしく廊下を行き来する兵士を他所に、地下牢に向かう私等。
以外と簡単に地下牢までこれた理由に、ベルナール達が暴れてくれているおかげだなと感謝する。
数名の兵士を残し、地下にいた予備兵までも上に援軍で行ったからだ。その数名の兵士に縛りの術を掛け、立ち並んだ牢獄の廊下を2人歩く。

奥まで続く結構な部屋数に、横に居るロスに聞く。


『なぁ、そのルビナスって人の顔知らんのやろ』
「・・・私が入る前に幽閉されてるんで、知りませんね」
『ムムム…それって一々ここの牢に入ってる奴に、お前ルビナスかって聞くんか?俺や言うて嘘言われたらどうすんねん。ここ犯罪者もおるんやろ?』
「・・・」
『仕方ない、さっきの兵士にルビナスのとこ案内させるか』


そんなロスとのやり取りをしてたら、奥の部屋から声が聞こえた。

「儂の名が聞こえたが、誰じゃ?しかも女子の声がする…今の儂に女子を宛がってもらっても、勃つかのう?ちょびっとぐらいなら子種は出ると思うが、勢いはないぞ?ひゃっひゃっひゃ…」

じじい…存分に元気そうやな。しかも何やねんその気色悪い笑いは!

兵士から取り上げた鍵で、その声のした牢屋の扉を開ける。

中に入るとオールド・イングリッシュ・シープドッグのようなじじいが立っていた。ようは、ボサボサの髪の毛と髭の毛むくじゃらの顔だ。

もう後ろか前か分からんじじいに声を掛ける。


『あんたがルビナスさんか?』
「嬢ちゃんは誰だ?」


その質問にロスが膝まづいて答える。


「ルビナス様、私はロス。こちらは王が、20年前に向うの世界に残されてきた王の血をひく姫君です。この度、こちらの世界に召喚されたのです」
「何と!あのエロ王の子種か?!!」


ん?じじい…エロ王って言うたか?私の親父の事を?

ロスに目をやる。向うの空を見てた。

私の想像上の親父は、グランみたいなこてっ顔が似合う可愛い親父やった。エロがつく時点でアウトである。

そしてグランから、エロに一番近い奴の顔が浮かぶ…"ジル"しかも顔ではなく、何故かイチモツが浮かんだ。

『///がぁー!!ありえん!!しかもイチモツが浮かぶか?!!』
「ひゃっひゃっひゃ・・この姫、面白いのう」


苦悩する私に対して、じじいがまた気色悪い笑い声を上げた。
ロスだけが真面目に話を続ける。

「ル、ルビナス様、私達にお力をお貸しください。祖の王達が危ないのです!!」
「む…危険?世話のかかるエロ王じゃのう・・。ロスと言ったか、詳しく話せ。長くなるようじゃて、座らせてもらうぞ。ベットの方に行きたい、少し手を貸してくれるかのロスとやら」
「はい」

そしてロスが手を差し出すと、気色悪い事を言うじじい。


「若い者の手はすべすべしとるのう…。指に吸い付くようじゃ」


そう言って、親指でロスの手の甲を何度も円を描くように撫でまわした。
ロスが少し引き気味にじじいをベッドに座わらせる。

そしてロスが詳細を話す。黙ってそれを聞くじじい。


話しが終わり、じじいの言葉を待つ。
牢屋内がシ…ンとする中、2人の耳に寝息が聞こえてきた。

ボケ突込みの関西人ならではの条件反射で、思わずじじいの頭を叩く。

ロスがぎょっとした顔をしたが、問答無用で胸倉を掴みふざけたじじいに文句を言う。


『じじい、なめてんのか?!それともボケてんのか?!!』
「ひどいのう・・、か弱い老人の頭を叩きよって。仕返しじゃ、えい!」

そう言って、胸倉を掴んでいた私に抱き付き、思いっきり両手でお尻をモミモミされる。

「もうちっと、肉が欲しいのう。儂はお尻はむちっとした方が好みじゃ」
『///何さらすねん!!』

じじいを突き放そうとしたら、ピタッと体が止まる。

『あっ、この野郎!!縛りの術かけやがったな!!』
「胸は結構あるのう。若いだけあって張りがあってパフパフのしがいがあるのう」

そう言って胸に顔を埋める。
ロスが慌てて止めに入ろうとしたら、じじいが声を出した。

「ロス止まれ」

私と同じくピタッと体が止まる。
やりたい放題私の体を触るエロじじい。
米神に青筋が出来てるのが自分でも分かる。プルプル震えだす私に

「ん?姫さんイキそうなのか?」

その言葉にキレた。

『///コロス!!』

そう言って、じじいの胸倉を掴み持ち上げた。

「儂を殺したら、さっきの計画はおじゃんじゃな。姫さんについたあの男に今のうち謝っておくんじゃな。ほれ、謝れ。殴る前に謝れ」
『くっそー!!痛いとこつきよる。ロス、すまん!!恨まれてもいい、ボコボコにさせてくれ』

ロスが慌てて私とじじいの間に入って止めようと駆け寄る。じじいがまた、気色の悪い笑い声を上げる。


「ひゃっひゃっひゃ…。すごいのう、自分で縛りの術を解いた上に、ロスの術も解きよった…。しかも姫さん無自覚でやりよる。魔術を教えたら先が怖いのう。まっ、教える気はないがの。過分な力は利用されるからの。知らん方がええ」


あれ、縛りが確かに無くなってる。私が解いた?どうやって?
取りあえずじじいの胸倉を持ち上げていた手を離し解放しようとしたら、



「さてと、そろそろ行動に移るために、降ろしてもらうかの…下に降ろすレバーはこれかのう」



そう言って、私の乳首をむにゅっと引っ張った。



『///こ・・こ、このエロじじいーーー!!』
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