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仲が縮まった途端、展開が急だろ?!!
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コン、コン。
「ナミ様、起きてらっしゃいますか?」
侍女さんが声をかけて入室したのも知らず、薬がぐっすり効いて寝ていた私。扉を開け私がぐっすり寝てるのを見て、訪ねてきたジークハルドに首を振った。
「・・・やはり寝ているか・・・。すまなかった。これをあいつに渡してくれ」
そう言って、街で買ってきた花…ではなく髪飾りの入った小箱を渡した。本来、花を持って来たかったのだが、マーク殿と被るためマーリンに相談すると…
「あの奇麗なストレートの黒髪にあう髪飾りにすれば?」と即決で言われた。
俺には花を買うよりハードルが高く、ましてどのようなものを買えばいいのかもわからない。
すぐにマーリンが選らんでくれと頼むと「それは、君が選ぶべきだよ」とけんもほろろに断られる。
結局、何時間もかけて髪飾りと睨みあった。マーリンの言う通り、あいつの髪は濡羽色だ。この世界では珍しい黒髪に肌は透けるように白かった。その白と黒の対比は、あいつ自身の存在感を浮き立たせた。矛盾にも生命力の方は存在感が薄いという真逆なものだが。
店の者に、若い女性が気に入るものはないかと言って見繕ってもらう。だが、俺自身が気に入るものがその中になかった。
あの綺麗な髪にどの髪飾りも陳腐に見えたからだ。
漸くこれかと思った髪飾りは東国のもので、樹液をただ単に木に塗って、貝殻の内側の真珠層で花の模様が施されていたものだった。
樹液なのに光沢があって金属製の髪飾りよりも綺麗に見えた。シンプルに黒と赤しかなかったが、黒髪に白い肌そして、赤いドレスのあいつを連想する。すぐに髪飾りを赤色のものにした。鮮やかな赤でなく渋みがかった赤。
幼顔のあいつがつけるには渋すぎるかと悩んだが、どうしてもそれから目が離せなかった。
自分の職場に戻る廊下を歩きながら、金や銀の細工でなく、ただの木で出来たあの髪飾りを気に入ってくれるだろうかと、渡した今になって心配になりだす。仕事をしていても、俺は何故店の者の言う通り、今流行りの髪飾りにしなかったんだと悔やんでいた。俺がつけるわけではないのに、自分が気にいったという理由で買ってしまった・・・。
「慣れないことはするものじゃないな。はぁー…」
そんな言葉が零れて、また溜息をついた。
***
夕方になって、あいつ付きの侍女が俺の職場に来た。
「お仕事中、申し訳ございません。ナミ様がどうしてもお礼が言いたいとの事です」
今の仕事が片付いたら伺うと伝言を頼む。
あの侍女の話ぶりからすると、気に入ってもらえたという事か?口が自然と綻ぶ。すぐに、今ある仕事の山を片付けるため手のスピードを上げた。
「お連れいたしました」
『・・・どうぞ、入ってもらって』
だいぶ調子がいいのか、ベッドから起き上がっていたナミ。
「・・・起き上がってもいいのか?」
『もう大丈夫よ。突発的な熱は、いつもこんな感じでよくなるのよ』
突発的と言われ、昨日の失態を思い出し少し話しづらくなる。
「そうか・・・」
『これ!ありがとう。この世界にも、向こうと同じ螺鈿があったんだと思ったら、嬉しくなっちゃって・・・』
「螺鈿というのか?それ」
『知らないで、くれたの?』
「///っつ!す、すまない。そういうものに疎いのだ。ただ、お前には赤が似合うと思って買ってきた」
『これね、正確には赤じゃなく朱なの。渋めの赤で、漆っていう樹液で加工されてる。それにこの花柄は桜っていう私の国の国花なのよ!』
「桜というのか、その花は・・・」
『満開の季節になると、その木の下で宴会したり・・・』
本当に嬉しかったのだろう、楽しそうによく喋ったナミ。そのため俺の方は、聞き役に徹した。
必死に身振り手振りで喋る姿が可愛くて、目を細める。すると、そんな俺に気が付いて頬が赤くなったナミ。熱がぶり返したかと思い、額に慌てて手を添え横に寝かしつける。
『///なっ、なに?』
「いや、顔が赤いのでまた熱が出たかと思って……」
『・・・。』
「ふっ…これではまるで、子を心配する親だな……すまん」
『・・・。』
「・・・なんだ?」
『あの時…そんな風に笑われて…心と身体がちぐはぐな自分が笑われ…』
「ちっ、違う!断じてお前をそういう意味で笑ったんじゃない。……これは、男の諸事情の問題だと思って聞いてくれ。その…なんだ…、お前が感じてるのを見て嬉しくってつい、笑ってしまった。事実、あれから何度も自分でぬかないと収まらないぐらい…興奮……していた」
ボンという言葉が合うぐらい、さっきよりも真っ赤になったナミ。湯気が出てそうだ。案の定、ベッドにうつ伏した。大丈夫かと思い手を差し伸べたら、突然その手をガシッと捕まれる。
そして・・・顔を上げたナミは、無表情でこう言った。
『盾よ。わらわに楔を打ち込め。そして、この者の生命をつなぎ留めよ・・・』
その意味が理解できるまでに数十秒かかる。そして出た言葉は・・・・
「は?」
だった・・・・。
「ナミ様、起きてらっしゃいますか?」
侍女さんが声をかけて入室したのも知らず、薬がぐっすり効いて寝ていた私。扉を開け私がぐっすり寝てるのを見て、訪ねてきたジークハルドに首を振った。
「・・・やはり寝ているか・・・。すまなかった。これをあいつに渡してくれ」
そう言って、街で買ってきた花…ではなく髪飾りの入った小箱を渡した。本来、花を持って来たかったのだが、マーク殿と被るためマーリンに相談すると…
「あの奇麗なストレートの黒髪にあう髪飾りにすれば?」と即決で言われた。
俺には花を買うよりハードルが高く、ましてどのようなものを買えばいいのかもわからない。
すぐにマーリンが選らんでくれと頼むと「それは、君が選ぶべきだよ」とけんもほろろに断られる。
結局、何時間もかけて髪飾りと睨みあった。マーリンの言う通り、あいつの髪は濡羽色だ。この世界では珍しい黒髪に肌は透けるように白かった。その白と黒の対比は、あいつ自身の存在感を浮き立たせた。矛盾にも生命力の方は存在感が薄いという真逆なものだが。
店の者に、若い女性が気に入るものはないかと言って見繕ってもらう。だが、俺自身が気に入るものがその中になかった。
あの綺麗な髪にどの髪飾りも陳腐に見えたからだ。
漸くこれかと思った髪飾りは東国のもので、樹液をただ単に木に塗って、貝殻の内側の真珠層で花の模様が施されていたものだった。
樹液なのに光沢があって金属製の髪飾りよりも綺麗に見えた。シンプルに黒と赤しかなかったが、黒髪に白い肌そして、赤いドレスのあいつを連想する。すぐに髪飾りを赤色のものにした。鮮やかな赤でなく渋みがかった赤。
幼顔のあいつがつけるには渋すぎるかと悩んだが、どうしてもそれから目が離せなかった。
自分の職場に戻る廊下を歩きながら、金や銀の細工でなく、ただの木で出来たあの髪飾りを気に入ってくれるだろうかと、渡した今になって心配になりだす。仕事をしていても、俺は何故店の者の言う通り、今流行りの髪飾りにしなかったんだと悔やんでいた。俺がつけるわけではないのに、自分が気にいったという理由で買ってしまった・・・。
「慣れないことはするものじゃないな。はぁー…」
そんな言葉が零れて、また溜息をついた。
***
夕方になって、あいつ付きの侍女が俺の職場に来た。
「お仕事中、申し訳ございません。ナミ様がどうしてもお礼が言いたいとの事です」
今の仕事が片付いたら伺うと伝言を頼む。
あの侍女の話ぶりからすると、気に入ってもらえたという事か?口が自然と綻ぶ。すぐに、今ある仕事の山を片付けるため手のスピードを上げた。
「お連れいたしました」
『・・・どうぞ、入ってもらって』
だいぶ調子がいいのか、ベッドから起き上がっていたナミ。
「・・・起き上がってもいいのか?」
『もう大丈夫よ。突発的な熱は、いつもこんな感じでよくなるのよ』
突発的と言われ、昨日の失態を思い出し少し話しづらくなる。
「そうか・・・」
『これ!ありがとう。この世界にも、向こうと同じ螺鈿があったんだと思ったら、嬉しくなっちゃって・・・』
「螺鈿というのか?それ」
『知らないで、くれたの?』
「///っつ!す、すまない。そういうものに疎いのだ。ただ、お前には赤が似合うと思って買ってきた」
『これね、正確には赤じゃなく朱なの。渋めの赤で、漆っていう樹液で加工されてる。それにこの花柄は桜っていう私の国の国花なのよ!』
「桜というのか、その花は・・・」
『満開の季節になると、その木の下で宴会したり・・・』
本当に嬉しかったのだろう、楽しそうによく喋ったナミ。そのため俺の方は、聞き役に徹した。
必死に身振り手振りで喋る姿が可愛くて、目を細める。すると、そんな俺に気が付いて頬が赤くなったナミ。熱がぶり返したかと思い、額に慌てて手を添え横に寝かしつける。
『///なっ、なに?』
「いや、顔が赤いのでまた熱が出たかと思って……」
『・・・。』
「ふっ…これではまるで、子を心配する親だな……すまん」
『・・・。』
「・・・なんだ?」
『あの時…そんな風に笑われて…心と身体がちぐはぐな自分が笑われ…』
「ちっ、違う!断じてお前をそういう意味で笑ったんじゃない。……これは、男の諸事情の問題だと思って聞いてくれ。その…なんだ…、お前が感じてるのを見て嬉しくってつい、笑ってしまった。事実、あれから何度も自分でぬかないと収まらないぐらい…興奮……していた」
ボンという言葉が合うぐらい、さっきよりも真っ赤になったナミ。湯気が出てそうだ。案の定、ベッドにうつ伏した。大丈夫かと思い手を差し伸べたら、突然その手をガシッと捕まれる。
そして・・・顔を上げたナミは、無表情でこう言った。
『盾よ。わらわに楔を打ち込め。そして、この者の生命をつなぎ留めよ・・・』
その意味が理解できるまでに数十秒かかる。そして出た言葉は・・・・
「は?」
だった・・・・。
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