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10.薬の効果

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 ブランはパチパチと瞬きをしてから、空いた片手で自分のあごをさすった。

 それから優雅な微笑みを浮かべた。

「どうやら薬の効果が切れたようですね」

「で、では、今日はこれで」

 ローズがなんとかブランの下から抜け出そうと拘束された腕をはずそうともがくと、剥き出しの胸がプルンと揺れた。

「ふむ、この状態で我慢ができるとお思いですか? ローズ姫、ちゃんと優しくして差し上げますよ」

 ブランは優雅な笑顔を浮かべながらもローズを放してはくれなかった。
 ブランはローズに覆いかぶさり、耳を喰みながら胸に手を置いてあらためて愛撫を再開した。
 カリカリと指先で胸の先端を引っかかれると、ローズはお腹の奥がもどかしくなって何度も腰を浮かせてしまったが、それでも必死になっていやいやと首を振った。

「い、いや!! お願い、やめて……」

「嫌と言われてももう止められません」

「違う、違うの! 違います!!」

 ローズの両手はまだブランの片手で頭の上でがっちり押さえられ、さらにブランの両足でローズの身体を挟むように押さえ込まれているので逃げるのは無理そうだったが、ローズはもう逃げたいわけではなかった。
 ローズは涙目になりながら上目遣いでブランを見つめる。

「私もすべてをお見せするので、ブラン王子も真の姿をお見せになって……」

「ローズ姫?」

 ブランはその美しい顔に優雅な微笑みを貼りつけながら首をわずかに傾げた。
 ローズは目をギュッとつぶると顔を真っ赤にさせてほんの小さな声で囁いた。

「……真の姿のブラン王子の方が……好き」

 ローズも『真の姿をさらけ出す薬』の効果が切れてしまったので素直に言うのはとても恥ずかしかったが、抱かれるならば優雅に微笑むブランではなく少し意地悪に笑う真の姿のブランに抱かれたかった。
 ローズのか細い声をきちんと聞きとどけたブランはグッと言葉を詰まらせると、ハァーッと長く息を吐いた。

「ブランだ」

「え?」

「ブランと呼べ」

「ブラン?」

「やっと手に入れたんだ。逃がさないからなローズ。言っただろう? 寝技は得意なんだ」

 ブランはローズの腕の拘束を解くと、深い口づけを落としながら両手を使ってローズの身体中をまさぐり始めた。
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