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12.二試合目

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「謝らないから……」

 ブランがローズのお腹に放った子種を丁寧に拭き取る間、ローズは拗ねたような顔してプイと横を向いた。
 ベッドの上ではブランの方がよっぽど好き勝手やっていたのに文句を言われるのは納得いかなかった。

「良い。それでこそ俺が欲した薔薇の姫だ」

 後始末を終えたブランがローズの隣に横たわり、ローズを抱き寄せた。

「元よりお前を縛るつもりはない。お前は好きなことをして自由にしていれば良い」

「良いの?」

「あぁ」

 ブランがローズを抱きしめながら薔薇色の髪を撫でた。

「プランタンにとんでもない薔薇の姫がいるという噂は聞いていたが、そのうちその名を逆手にとって『プリンセスローズ』という香水を作って売り始めたのには笑った。一度見てみたいと思いお忍びでプランタンに行ったら、カラテの大会で薔薇色の髪を揺らして大男どもを倒すお前を見た」

「あれを見てたの!?」

 王家主催のカラテ大会でローズは並み居る強豪をなぎ倒し優勝していた。

「このじゃじゃ馬を組み伏して、ベッドの上で俺がその薔薇色の髪を揺らしてみたいと思ったんだ」

 ブランがローズの薔薇色の髪を手に取り、指に絡め取ってキスをした。

「やだ、ひどいスケベ王子じゃない……」

「真の姿の俺の方が好きなんだろう?」

 ブランが美しい顔を意地悪く歪ませてニヤリと笑う。
 ローズはそんなブランの顔を見て頬を薔薇色に染めながら、人差し指をくりくりと動かしブランの胸板にのの字を書いた。

「あのね、私、自分より強い男の人と結婚したかったの。だからブランと結婚できて嬉しい」

 ブランは少し驚いた顔をした後、思いっきり顔をしかめた。

「……お前はほんと俺の思い通りにならないな」

「え?」

「我慢するつもりだったが、もう少しつきあってもらうぞ」

「えぇ?」

 ブランは起き上がると、ローズの上に覆いかぶさった。

「カラテで鍛えたこの身体なら耐えられるだろう。俺が満足するまで相手しろ」

 ブランの言葉に、今度はローズがニヤリと笑って応じた。

「あなたこそ! すぐに音を上げても知らないからっ!」

 そう言ってブランの身体をいなすと、ローズは上下を入れ替えてブランの上にまたがった。

「おい」

「今度は私がする!」

「こんのじゃじゃ馬め」

 それからしばらくの間、ブランの寝室からはきゃあという嬌声や笑い声、そして甘い喘ぎ声が絶え間なく上がりつづけていた。

 おとぎ話から抜け出たような白の王子と薔薇の姫が、半年後の予定だった結婚式を早めたり、お腹のゆったりしたドレスを用意することになるのはまた別のお話――。
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みんなの感想(1件)

おこ
2022.09.18 おこ

後半、甘々な内容がすごい😳❤️

相思相愛なハッピーエンドで
大満足です💖

ありがとうございました😊

河津ミネ
2022.09.18 河津ミネ

おこ様
満足していただけたならとても嬉しいです。

今後も、好き勝手やるローズ姫にブラン王子が楽しくふり回されるのだと思います。

感想ありがとうございました!

解除
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