101 / 111
四章 青空と太陽
5.-2
しおりを挟む
その日の晩、夕食も終えてソフィアが部屋に引き下がろうとしたところ、レオルドが強引に手を引いた。
「ソフィアはこっちだ」
「え?」
レオルドはソフィアをさっさと自分の部屋に連れ込んだ。
そこは最初に目が覚めた時にレオルドと共に寝ていた部屋で、今は衝立もすべて取り払われている。
騎士団寮の部屋やレオルド商会の仕事部屋のように、派手な家具で飾られていてとてもレオルドらしい。
「もうカネス殿下の許可ももらったんだ。ソフィアは俺の婚約者だ。一緒に寝るぞ」
「え」
「次にこの屋敷に戻る時までには夫婦の寝室を用意させるが、それまでは俺の部屋で我慢してくれ」
「夫婦……」
まさか本当にレオルドと結婚できるようになるなんて、ソフィアはまだ夢を見ているようだった。
レオルドはソファに座ると、どこかぼんやりとしているソフィアを自分の膝の上に座らせた。
レオルドの膝の上に座らされることにはもうすっかり慣れてしまったが、それでも二人きりの部屋でここまで身体を近づけるととさすがに緊張してしまう。
レオルドの熱い身体と香りは初めて身体を重ねたあの夜を思い出させて、ソフィアの胸はうるさいくらいに高鳴った。
「ソフィアが腕の中にいると落ち着くな」
レオルドは腕の中の水色の髪に顔を埋めて、ハァと息を吐いた。
レオルドが身体の力を抜いたのを感じて、ソフィアもようやく緊張を解いて身体を預けるようにしてもたれかかる。
レオルドが熱い手のひらでソフィアの水色の髪をなでた。
「あの、危ないことは無かったのですか?」
「あぁ。オーブリーもリベルもいたからな。ルーパス殿下の手の内と思われる者が襲ってきたところに、反王政派の手の者も混ざってきたが、まとめて捕らえて牢に放り込んできた。近いうちに王都に移送されて取り調べを受けることになるだろう」
「レオルド様がご無事で良かったです」
スミレ色の目を潤ませて見つめると、レオルドは安心させるようにソフィアの額に口づけを落とした。
「このまま一度は王宮に戻るが、できるだけ早くこちらに越してこよう。あんな場所にソフィアを置いておきたくない。王都に着いたら王宮の部屋は引き払って、王都にあるエストーク侯爵家の屋敷に滞在するといい。侯爵家の者にはもう伝えてある」
レオルドはソフィアが王都に戻ってからのこともしっかり考えていたようだ。
「それにしてもカネス殿下がこちらに寄ってくれて助かった。王宮に戻ってから謁見を願い出て……となるとだいぶ時間がかかったからな」
「あの、レオルド様はいつからこんなことを考えていたんですか?」
「こんなこと、とは?」
「えっと、結婚、とか……」
「ソフィアとの結婚ならば最初からだ」
「最初……?」
「あぁ」
まるでこうなることが当たり前だったかのように言うが、いったいどこが最初だったというのだろうか。
「ソフィアはこっちだ」
「え?」
レオルドはソフィアをさっさと自分の部屋に連れ込んだ。
そこは最初に目が覚めた時にレオルドと共に寝ていた部屋で、今は衝立もすべて取り払われている。
騎士団寮の部屋やレオルド商会の仕事部屋のように、派手な家具で飾られていてとてもレオルドらしい。
「もうカネス殿下の許可ももらったんだ。ソフィアは俺の婚約者だ。一緒に寝るぞ」
「え」
「次にこの屋敷に戻る時までには夫婦の寝室を用意させるが、それまでは俺の部屋で我慢してくれ」
「夫婦……」
まさか本当にレオルドと結婚できるようになるなんて、ソフィアはまだ夢を見ているようだった。
レオルドはソファに座ると、どこかぼんやりとしているソフィアを自分の膝の上に座らせた。
レオルドの膝の上に座らされることにはもうすっかり慣れてしまったが、それでも二人きりの部屋でここまで身体を近づけるととさすがに緊張してしまう。
レオルドの熱い身体と香りは初めて身体を重ねたあの夜を思い出させて、ソフィアの胸はうるさいくらいに高鳴った。
「ソフィアが腕の中にいると落ち着くな」
レオルドは腕の中の水色の髪に顔を埋めて、ハァと息を吐いた。
レオルドが身体の力を抜いたのを感じて、ソフィアもようやく緊張を解いて身体を預けるようにしてもたれかかる。
レオルドが熱い手のひらでソフィアの水色の髪をなでた。
「あの、危ないことは無かったのですか?」
「あぁ。オーブリーもリベルもいたからな。ルーパス殿下の手の内と思われる者が襲ってきたところに、反王政派の手の者も混ざってきたが、まとめて捕らえて牢に放り込んできた。近いうちに王都に移送されて取り調べを受けることになるだろう」
「レオルド様がご無事で良かったです」
スミレ色の目を潤ませて見つめると、レオルドは安心させるようにソフィアの額に口づけを落とした。
「このまま一度は王宮に戻るが、できるだけ早くこちらに越してこよう。あんな場所にソフィアを置いておきたくない。王都に着いたら王宮の部屋は引き払って、王都にあるエストーク侯爵家の屋敷に滞在するといい。侯爵家の者にはもう伝えてある」
レオルドはソフィアが王都に戻ってからのこともしっかり考えていたようだ。
「それにしてもカネス殿下がこちらに寄ってくれて助かった。王宮に戻ってから謁見を願い出て……となるとだいぶ時間がかかったからな」
「あの、レオルド様はいつからこんなことを考えていたんですか?」
「こんなこと、とは?」
「えっと、結婚、とか……」
「ソフィアとの結婚ならば最初からだ」
「最初……?」
「あぁ」
まるでこうなることが当たり前だったかのように言うが、いったいどこが最初だったというのだろうか。
1
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる