【R18/完結】私のことは忘れてください〜できそこないの魔女は俺様な侯爵令息に溺愛される〜

河津ミネ

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四章 青空と太陽

5.-2

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 その日の晩、夕食も終えてソフィアが部屋に引き下がろうとしたところ、レオルドが強引に手を引いた。

「ソフィアはこっちだ」

「え?」

 レオルドはソフィアをさっさと自分の部屋に連れ込んだ。
 そこは最初に目が覚めた時にレオルドと共に寝ていた部屋で、今は衝立もすべて取り払われている。
 騎士団寮の部屋やレオルド商会の仕事部屋のように、派手な家具で飾られていてとてもレオルドらしい。

「もうカネス殿下の許可ももらったんだ。ソフィアは俺の婚約者だ。一緒に寝るぞ」

「え」

「次にこの屋敷に戻る時までには夫婦の寝室を用意させるが、それまでは俺の部屋で我慢してくれ」

「夫婦……」

 まさか本当にレオルドと結婚できるようになるなんて、ソフィアはまだ夢を見ているようだった。
 レオルドはソファに座ると、どこかぼんやりとしているソフィアを自分の膝の上に座らせた。
 レオルドの膝の上に座らされることにはもうすっかり慣れてしまったが、それでも二人きりの部屋でここまで身体を近づけるととさすがに緊張してしまう。
 レオルドの熱い身体と香りは初めて身体を重ねたあの夜を思い出させて、ソフィアの胸はうるさいくらいに高鳴った。

「ソフィアが腕の中にいると落ち着くな」

 レオルドは腕の中の水色の髪に顔を埋めて、ハァと息を吐いた。
 レオルドが身体の力を抜いたのを感じて、ソフィアもようやく緊張を解いて身体を預けるようにしてもたれかかる。
 レオルドが熱い手のひらでソフィアの水色の髪をなでた。

「あの、危ないことは無かったのですか?」

「あぁ。オーブリーもリベルもいたからな。ルーパス殿下の手の内と思われる者が襲ってきたところに、反王政派の手の者も混ざってきたが、まとめて捕らえて牢に放り込んできた。近いうちに王都に移送されて取り調べを受けることになるだろう」

「レオルド様がご無事で良かったです」

 スミレ色の目を潤ませて見つめると、レオルドは安心させるようにソフィアの額に口づけを落とした。

「このまま一度は王宮に戻るが、できるだけ早くこちらに越してこよう。あんな場所にソフィアを置いておきたくない。王都に着いたら王宮の部屋は引き払って、王都にあるエストーク侯爵家の屋敷に滞在するといい。侯爵家の者にはもう伝えてある」

 レオルドはソフィアが王都に戻ってからのこともしっかり考えていたようだ。

「それにしてもカネス殿下がこちらに寄ってくれて助かった。王宮に戻ってから謁見を願い出て……となるとだいぶ時間がかかったからな」

「あの、レオルド様はいつからこんなことを考えていたんですか?」

「こんなこと、とは?」

「えっと、結婚、とか……」

「ソフィアとの結婚ならば最初からだ」

「最初……?」

「あぁ」

 まるでこうなることが当たり前だったかのように言うが、いったいどこが最初だったというのだろうか。
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