世界に輝く未来を

きなこ

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プロローグ

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どっくんどっくんと心臓がなる。私は人生で初めて緊張している。
「鈴木美奈香さん。」
「⋯はい」
精一杯出したつもりだったが、思ったよりも掠れた声は、その場に響くことはなかった。
 今日は大学の入学式。私の年齢はあまり大きな声では言えないが、確実に大学生の年齢では無い。あの戦いがあったせいで、日本は随分と遅れているのだ。
 私がこれから青春を謳歌しようとしている舞台は、心理学を主に学ぶ場所だった。この物語は、私が心理学を学ぼうと思ったきっかけとなる出来事を書き記したものだ。心理学者となった私が、あの子の想いを正論だけで固められた世の中に伝えるために。
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