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第一章『戦う少年少女たちの儚き青春』
Int.36:迷い道、しかして少女よ高潔であれ
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昼休みが訪れると、瀬那は相も変わらず一真や白井らと昼食に誘われたが、「すまぬ、少し所用がある故」と言ってそれを振り切ると、西條教官の元を訪ねていた。
やっとこさ士官学校に帰ってきたばかりといった風な西條を半分無理矢理引っ張り、いつも通り校舎二階の談話室に二人で籠もる。瀬那の神妙な顔で何かを察したらしい西條も顔をシリアスなものへと変え、二人分の珈琲を出すと瀬那の対面のソファにドカッと腰を落とした。
「さてと、単刀直入に訊こうか。――――瀬那、何があった?」
「うむ」と西條の言葉に瀬那は頷くと、
「……先日、土曜のことだ。私と、それに一真とが忍びの者に襲われた」
「っ……! 瀬那、冗談で言っているワケじゃないんだな?」
「無論だ」即答し、一度珈琲を啜る瀬那。
「私が叩き伏せ、それに霧香も影に潜んでいた故、大事には至らずに済んだのであるが」
「……大方、楽園派の差し金じゃないか?」
「私も霧香も、そう見立てておる」
ふぅ、と西條は溜息をつくと背中をソファの背もたれに押し当て、相変わらず羽織る白衣の懐から取り出したマールボロ・ライトの煙草を咥える。参ったような、辟易したような顔の近くでジッポー・オイルライターを灯し煙草に火を付けると、独特な香りを乗せて紫煙が談話室の中にふわふわと浮かぶ。
「これ、舞依よ。校内は禁煙であろう」
そんな西條を瀬那は見咎めるが、しかし西條はといえば「うるせー」とそれを一蹴し、
「こんな話題、ケムリの一本でも吸ってないとやってられんよ。ったく、それにしたって楽園派と来たか……」
「まだ確定したわけではない」
「かといって、瀬那を狙うような奴らなんて、今時アイツら以外に居ないだろう?」
「それは……やもしれぬが」
自信なさげにううむ、と唸りながら瀬那が頷く間、西條は大きな溜息をつきながら、目の前のテーブルに置いてあったデカい灰皿に煙草の灰を落とす。恐らくは彼女が独断で持ち込んだ私物だろう灰皿に灰が落ちると、再びマールボロ・ライトの煙草を咥え直した西條が目の前の瀬那に向き直る。
「まあ正直なところ、いつかは起こりうる事態だとは思っていたがね」
「それは私とて同じことだ。しかし……」
目を伏せる瀬那に呼応し「ああ」と西條は頷けば、
「――――あまりにも、早すぎる。そう言いたいんだろう?」
「うむ」頷く瀬那。「私の動きは舞依、其方が徹底的に隠匿したはずであろう?」
「勿論さね。苦労したんだよ? 瀬那を楽園派の奴らからも、それに綾崎家からも隠すのには。……尤も、結果的に両方にバレてしまった形になるが」
「いずれはこうなっていたことであろう。そう気にせずとも構わぬぞ、舞依。其方はよくやってくれている」
「はは、そう言って貰えれば幸せだね……。
――――それで? 君のことは、もう彼にも?」
苦笑いした後で顔付きを戻した西條が訊くが、しかし瀬那の方はと言うと「…………」と無言のまま、目を逸らすのみ。
「言えてない、か……」
「しっ、仕方ないであろう。一真には……言って良いものなのか、私とてまだ分からぬのだ」
「瀬那、君が迷うのもよく分かる。私には分かりすぎるし、それも結構だ。士官学校に居る以上、瀬那や周りの安全は私が保証する。
…………しかし、君が彼との関係を今まで通りに続けていくのなら、いずれ避けては通れぬ話だ。話すタイミングは瀬那に任せるが、間に合わなくなる前に話した方が良い……」
まるで独り言でも呟くように言いながら、西條は短くなったマールボロ・ライトの煙草を灰皿に押し付けた。火種が揉み消され、吸い殻だけがそこに転がる。
「……私と霧香のことに限っては、少しばかりだが一真にも話はした。だが…………」
「だから、タイミングは君に任せると言ったろ?」
言いながら、西條は新しい一本にジッポーで火を付ける。紫煙を燻らせながら、西條は白衣の懐へ無造作に右手を突っ込む。そこから取り出したのは――――自動拳銃だった。
ゴトリ、と確かな重みを伴う音を奏でながら、拳銃がテーブルの上に置かれる。日本国防軍の正式採用拳銃・グロック17のコンパクト版・グロック19だ。こちらも無論、正式採用品である。
「君が望むのなら、私が上手いこと処理してコイツを渡してやることも出来る」
「無用だ」瀬那が即答する。
「私には、これがある故にな」
そう言って、傍らに置いた己が打刀に瀬那の細い指が触れる。それを眺めながら西條はフッと小さく笑い、「……そうか」と頷くと、テーブルの上に置いたグロック19を白衣の左脇に隠したショールダー・ホルスターに戻す。
「しかし瀬那、君にはその刀があるからよっぽど良いだろうが、弥勒寺に関しては別だ」
「うむ、分かっておる。いずれ刻が来れば、舞依よ。其方の方から一真にそれを渡してやってくれ」
「はいはい。……と言っても、まだ銃火器訓練は一度も出来ちゃいない。89式に64式、それにグロックぐらいは目隠しで分解結合出来るようになって貰わないと、流石に弥勒寺にコイツを渡す訳にはいかないがね。扱いも知らぬ輩に渡すには、重すぎる」
とした頃に西條が左手首の腕時計を見ると、既に時刻は始業二十分前だった。午後からは今日もシミュレータ訓練があるから、時間に余裕があるとは言いづらい。
「おっと、もうこんな時間か……。そうだ瀬那、昼は良いのかい?」
「む、しまった。まだ摂っておらぬ。しかしこの時間ともなれば……」
ハッとした瀬那が参ったような顔で言えば、西條は「しょうがない」とひとりごちて、白衣のポケットから何かを出すとそれをテーブルの上に置き、瀬那の方に滑らした。
「舞依、これは?」
受け取った瀬那が、それをまじまじと眺めながら訊く。アルミ箔で包装された四角形の長い柱のようなソイツは、なんとなくビスケットか何かの類のように見える。
「救命糧食。TAMSや空軍の機体のサヴァイヴァル・キットに入ってるアレ……の、民間向け転用品って所か」
「良いのか?」
「構わんよ。次はシミュレータ訓練だ。飯抜きでぶっ倒れられたりでもしたら、こっちが敵わん」
ははは、と笑いながら、西條は三本目の煙草に手を付ける。彼女の昔から相変わらずなヘヴィー・スモーカーっぷりに辟易しつつ、しかし瀬那は西條から受け取った救命糧食……もどきを有り難く頂戴することにした。
中身は二種類で、クッキーのような固形物とゼリーの二種類だ。こんな小振りだが中身は相当なもので、流石にサヴァイヴァル・キットに組み込まれる緊急用食料だけあってカロリー数も半端じゃない。それだけのカロリーを摂取するのは瀬那にとっては少しばかり抵抗感があるところだが、どうせ次のシミュレータ訓練で全部燃やしきってしまうからと思い、有り難くそれを頂く。
「舞依はこれを、常に持ち歩いておるのか?」
「まあねえ」灰皿に灰を落としながら、肯定する西條。「ラクだし、腹持ち良いし、私みたいな多忙な人間にとっちゃ、生命線だよそれ」
「ううむ、よく分からぬ」
「分からない方が良いのさ、こんなことはね。特に瀬那、君のような人間には」
「そういうものであるのか?」
「そういうものだ」
そんな具合に、後のやり取りは西條との他愛も無い雑談のみ。何だかんだ言いつつ西條も、渡した救命糧食もどきを瀬那が食べ終わるまで、延々煙草をチェーンしつつ付き合っていた。
やっとこさ士官学校に帰ってきたばかりといった風な西條を半分無理矢理引っ張り、いつも通り校舎二階の談話室に二人で籠もる。瀬那の神妙な顔で何かを察したらしい西條も顔をシリアスなものへと変え、二人分の珈琲を出すと瀬那の対面のソファにドカッと腰を落とした。
「さてと、単刀直入に訊こうか。――――瀬那、何があった?」
「うむ」と西條の言葉に瀬那は頷くと、
「……先日、土曜のことだ。私と、それに一真とが忍びの者に襲われた」
「っ……! 瀬那、冗談で言っているワケじゃないんだな?」
「無論だ」即答し、一度珈琲を啜る瀬那。
「私が叩き伏せ、それに霧香も影に潜んでいた故、大事には至らずに済んだのであるが」
「……大方、楽園派の差し金じゃないか?」
「私も霧香も、そう見立てておる」
ふぅ、と西條は溜息をつくと背中をソファの背もたれに押し当て、相変わらず羽織る白衣の懐から取り出したマールボロ・ライトの煙草を咥える。参ったような、辟易したような顔の近くでジッポー・オイルライターを灯し煙草に火を付けると、独特な香りを乗せて紫煙が談話室の中にふわふわと浮かぶ。
「これ、舞依よ。校内は禁煙であろう」
そんな西條を瀬那は見咎めるが、しかし西條はといえば「うるせー」とそれを一蹴し、
「こんな話題、ケムリの一本でも吸ってないとやってられんよ。ったく、それにしたって楽園派と来たか……」
「まだ確定したわけではない」
「かといって、瀬那を狙うような奴らなんて、今時アイツら以外に居ないだろう?」
「それは……やもしれぬが」
自信なさげにううむ、と唸りながら瀬那が頷く間、西條は大きな溜息をつきながら、目の前のテーブルに置いてあったデカい灰皿に煙草の灰を落とす。恐らくは彼女が独断で持ち込んだ私物だろう灰皿に灰が落ちると、再びマールボロ・ライトの煙草を咥え直した西條が目の前の瀬那に向き直る。
「まあ正直なところ、いつかは起こりうる事態だとは思っていたがね」
「それは私とて同じことだ。しかし……」
目を伏せる瀬那に呼応し「ああ」と西條は頷けば、
「――――あまりにも、早すぎる。そう言いたいんだろう?」
「うむ」頷く瀬那。「私の動きは舞依、其方が徹底的に隠匿したはずであろう?」
「勿論さね。苦労したんだよ? 瀬那を楽園派の奴らからも、それに綾崎家からも隠すのには。……尤も、結果的に両方にバレてしまった形になるが」
「いずれはこうなっていたことであろう。そう気にせずとも構わぬぞ、舞依。其方はよくやってくれている」
「はは、そう言って貰えれば幸せだね……。
――――それで? 君のことは、もう彼にも?」
苦笑いした後で顔付きを戻した西條が訊くが、しかし瀬那の方はと言うと「…………」と無言のまま、目を逸らすのみ。
「言えてない、か……」
「しっ、仕方ないであろう。一真には……言って良いものなのか、私とてまだ分からぬのだ」
「瀬那、君が迷うのもよく分かる。私には分かりすぎるし、それも結構だ。士官学校に居る以上、瀬那や周りの安全は私が保証する。
…………しかし、君が彼との関係を今まで通りに続けていくのなら、いずれ避けては通れぬ話だ。話すタイミングは瀬那に任せるが、間に合わなくなる前に話した方が良い……」
まるで独り言でも呟くように言いながら、西條は短くなったマールボロ・ライトの煙草を灰皿に押し付けた。火種が揉み消され、吸い殻だけがそこに転がる。
「……私と霧香のことに限っては、少しばかりだが一真にも話はした。だが…………」
「だから、タイミングは君に任せると言ったろ?」
言いながら、西條は新しい一本にジッポーで火を付ける。紫煙を燻らせながら、西條は白衣の懐へ無造作に右手を突っ込む。そこから取り出したのは――――自動拳銃だった。
ゴトリ、と確かな重みを伴う音を奏でながら、拳銃がテーブルの上に置かれる。日本国防軍の正式採用拳銃・グロック17のコンパクト版・グロック19だ。こちらも無論、正式採用品である。
「君が望むのなら、私が上手いこと処理してコイツを渡してやることも出来る」
「無用だ」瀬那が即答する。
「私には、これがある故にな」
そう言って、傍らに置いた己が打刀に瀬那の細い指が触れる。それを眺めながら西條はフッと小さく笑い、「……そうか」と頷くと、テーブルの上に置いたグロック19を白衣の左脇に隠したショールダー・ホルスターに戻す。
「しかし瀬那、君にはその刀があるからよっぽど良いだろうが、弥勒寺に関しては別だ」
「うむ、分かっておる。いずれ刻が来れば、舞依よ。其方の方から一真にそれを渡してやってくれ」
「はいはい。……と言っても、まだ銃火器訓練は一度も出来ちゃいない。89式に64式、それにグロックぐらいは目隠しで分解結合出来るようになって貰わないと、流石に弥勒寺にコイツを渡す訳にはいかないがね。扱いも知らぬ輩に渡すには、重すぎる」
とした頃に西條が左手首の腕時計を見ると、既に時刻は始業二十分前だった。午後からは今日もシミュレータ訓練があるから、時間に余裕があるとは言いづらい。
「おっと、もうこんな時間か……。そうだ瀬那、昼は良いのかい?」
「む、しまった。まだ摂っておらぬ。しかしこの時間ともなれば……」
ハッとした瀬那が参ったような顔で言えば、西條は「しょうがない」とひとりごちて、白衣のポケットから何かを出すとそれをテーブルの上に置き、瀬那の方に滑らした。
「舞依、これは?」
受け取った瀬那が、それをまじまじと眺めながら訊く。アルミ箔で包装された四角形の長い柱のようなソイツは、なんとなくビスケットか何かの類のように見える。
「救命糧食。TAMSや空軍の機体のサヴァイヴァル・キットに入ってるアレ……の、民間向け転用品って所か」
「良いのか?」
「構わんよ。次はシミュレータ訓練だ。飯抜きでぶっ倒れられたりでもしたら、こっちが敵わん」
ははは、と笑いながら、西條は三本目の煙草に手を付ける。彼女の昔から相変わらずなヘヴィー・スモーカーっぷりに辟易しつつ、しかし瀬那は西條から受け取った救命糧食……もどきを有り難く頂戴することにした。
中身は二種類で、クッキーのような固形物とゼリーの二種類だ。こんな小振りだが中身は相当なもので、流石にサヴァイヴァル・キットに組み込まれる緊急用食料だけあってカロリー数も半端じゃない。それだけのカロリーを摂取するのは瀬那にとっては少しばかり抵抗感があるところだが、どうせ次のシミュレータ訓練で全部燃やしきってしまうからと思い、有り難くそれを頂く。
「舞依はこれを、常に持ち歩いておるのか?」
「まあねえ」灰皿に灰を落としながら、肯定する西條。「ラクだし、腹持ち良いし、私みたいな多忙な人間にとっちゃ、生命線だよそれ」
「ううむ、よく分からぬ」
「分からない方が良いのさ、こんなことはね。特に瀬那、君のような人間には」
「そういうものであるのか?」
「そういうものだ」
そんな具合に、後のやり取りは西條との他愛も無い雑談のみ。何だかんだ言いつつ西條も、渡した救命糧食もどきを瀬那が食べ終わるまで、延々煙草をチェーンしつつ付き合っていた。
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