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Sortie-01:黒翼の舞う空
第四章:嘘だらけの世界/03
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「――――まあ、レギオンに関することは、ひとまずこれぐらいで構わないだろう。ここから先は……恐らく君が一番気になっているだろうこと。空間戦闘機に関してのことを話すとしようか」
そう言って、要は敵性体……レギオンに関しての説明を大雑把なところでひとまず終え。次に空間戦闘機に関することを翔一に説明し始めた。
「といっても、空間戦闘機は君も実際に目の当たりにしているから、今更説明すべきことは少ないがね。天の方舟事件によって得られたオーヴァー・テクノロジー、ディーンドライヴを始めとする、地球外の技術を利用した……0G環境下、宇宙空間に於いても作戦行動が可能な戦闘機。それがアリサくんの≪グレイ・ゴースト≫のような空間戦闘機だ」
「それと、さっき見た≪ミーティア≫もね。アリサくんのに関しては完全にESP専用機だけれど、さっきの≪ミーティア≫は非ESPのパイロット……つまり、私みたいな普通の人間でも飛ばせるようになっているんだ。尤も、常時フルスペック・モードでディーンドライヴを動かせるESP専用機と比べれば、スペック面でも実際の戦闘能力でも、格段に劣ってしまうがね」
要の言葉に続き、やはり横から首を突っ込む形で霧子の注釈が飛んでくる。
どうやら……霧子の言う通り、空間戦闘機といってもその全てを自分やアリサのようなESP、つまり超能力者が操縦しているワケではないらしい。先刻、霧子が話していたディーンドライヴの大雑把な解説も踏まえると……ディーンドライヴを百パーセント使いこなせる、ESP専用の超兵器がアリサの乗っていたような機体で。それ以外の、普通の人間も扱える宇宙戦闘機が、さっき群れをなして離陸していったあのデルタ翼の機体ということになるのか。
どちらにせよ、翔一が何となく思っていたよりも普遍的な兵器らしい、空間戦闘機というモノは。
今までの説明から得られた情報を翔一が頭の中で整理していると、続けて要はこんなことを彼に話し始めた。
「空間戦闘機を語る上で外せないのが、『ブラックスワン計画』に関しての話だな」
「……と、いうと?」
「先に話した天の方舟事件、その際に得られたオーヴァー・テクノロジーの解析と実用化。それらを対レギオン戦に有効な兵器、ないしは科学技術へと転用することを目的とした、統合軍の極秘プロジェクト……。それがブラックスワン計画というものだよ、翔一くん」
「つまり、それがきっかけで空間戦闘機が?」
「そうなるな」と要は頷いた。「計画の成果がアリサくんの機体、YSF‐2/A≪グレイ・ゴースト≫であり、ディーンドライヴであり。それ以外にも量子コンピュータなどの成果もある。
まあ、全てに共通して言えることは……ブラックスワン計画で得られた超技術に超兵器、その全てが表世界に出ることのない、対レギオン戦に特化した技術であるということか」
「どうして、表に出さないんです?」
そんな翔一の素朴な疑問に答えたのは、霧子だった。
「簡単なことさ。空間戦闘機もディーンドライヴも、それ以外の技術も。本来、それら何もかもが人間の手には余る代物なんだよ」
「人間の、手に余る……?」
「ああ」と霧子が静かに頷き、肯定する。「人間という生物の大多数は愚かだ。愚かすぎて泣けてくるほどにね。だから空間戦闘機などの超兵器は、外敵に対して用いるならともかくとしてだ。同じ地球の中で、同じ人間同士で殺し合うのには……少しばかり、強すぎるのだよ」
「故に、国連統合軍とそれに属するオーヴァー・テクノロジーの利用は秘密裏の内に、対レギオン戦のみに限られている。その線引きは方舟事件の直後、各国が結んだ秘密協定の時点で既に明確化されている。もし何処か一国でもこれを破った場合……何となく予想は出来ているだろうが、それ以外の全ての地球国家から袋叩きだ」
続けて要が言うと、翔一は「……大体のことは、分かりました」とひとまず納得する。
「ともかく、ブラックスワン計画を始めとした研究開発。それで得られた成果を元に、今も人類はレギオンと戦い続けている……と、ここまでが俺から君に話しておきたかったことだ」
そうしていれば、要はそう言って話を締め括りに掛かる。
「ここまで話を聞いて、感想としてはどうかね?」
と、壇上から見下ろす要に問われて。すると翔一はそれに対し「……正直、言葉にならないです」と、何処か絶句したような顔で呟いた。
「僕の知っている世界は、歴史は、全て虚構に塗り固められていて。何もかもが嘘だらけの世界で……。
正直に言って、本当に言葉になりませんよ。何を言えば良いのか、どう捉えれば良いのか。僕自身にも……今は、よく分かりません」
そんな翔一の反応に、要と霧子、そして部屋の隅で相変わらず腕を組んで目を伏せているアリサですらもが、無理もないといった風な反応を示していた。
それはそうだろう。翔一からしてみれば、衝撃的な事実の連続だ。今まさに宇宙人と戦争をしているというだけでも卒倒モノの話だっただろうに、それ以外にも国連統合軍の成り立ちだとか、空間戦闘機についてのことだとか……。色々聞かされすぎて、彼は混乱しているのだ。
要たちだって、統合軍に引き抜かれた直後……今まさに彼に話したのと同じ真実を、歴史の裏側を知らされた時は、翔一と同じような反応だった。だからこそ、彼がそういう風な反応を示すのも理解出来るのだ。他ならぬ、アリサ・メイヤードですらもが……だ。
「……翔一くん。ESPである君には、二つの選択肢がある」
だが、話を進めなければ始まらない。
要はそう思うと、目の前で頭を悩ませ続ける翔一に対し、そんな言葉を投げ掛けていた。
「選択肢……?」
「ああ。ひとつは我々とともに、空間戦闘機のパイロットとして……アリサくんと同じようなESPパイロットとして、レギオンと戦うか。或いは、何も知らなかったことにして、今までの生活に戻るか。二つに一つ、どちらを選ぶにせよ、我々は君の選択を最大限に尊重する」
「……もしも僕が協力しなかったら、口封じに僕を殺すんですか?」
ありがちな展開だ。協力しないと首を横に振れば、口封じの為に殺されるパターン。
それを思うと、翔一は我ながら意地が悪いと思いつつも……目の前の要に対し、そう訊き返さざるを得なかった。
だが要の反応は翔一の予想とは裏腹に、はっはっはという爽やかな高笑いで。とすると、彼は「そんな乱暴なことはしないさ」と笑顔で翔一の言葉を否定した。
「ただ、これを使わせて貰うだけだ」
と、その後で要が懐から取り出したのは……ボールペンのような形をした、金属質の何か。此処に来るまでの間、リニアの車内で霧子が同じような物を持っていた。確かアレは記憶消去装置……そう、名前はニューラライザー。
「映画で見たことはないか? これを君の目の前でピカッと光らせると、君の頭の中からは我々にとって都合の悪い記憶……つまり今まで俺たちが話した、レギオンや天の方舟事件、ブラックスワン計画なんかの記憶が、全て君の頭からすっぽりと消えてしまうというワケだ」
笑顔で要は語り掛けてくるが、しかし翔一の中にはひとつの疑問が浮かび上がっていた。
確か……リニアの中での会話を思い出す限りだと、あのニューラライザーは自分のような超能力者には効かなかったはずだ。明確な記憶は無いが、霧子とアリサの会話を思い出す限り……現に、翔一は一度あのニューラライザーで記憶消去を試みられていると思われる。
が、昨晩のことは今でも鮮明に思い出せる。ということは、ニューラライザーによる記憶消去は失敗に終わっているというワケだ。
あの時、不時着してきた≪グレイ・ゴースト≫と、それに乗っていたアリサ・メイヤードの記憶は……統合軍にとってかなり都合の悪い記憶に違いない。少なくとも、一般人である翔一が覚えているのなら。
だが、現にあの時のことは未だに覚えている。であるのならば、それは即ち……ニューラライザーが自分には効果がない、ということの証明になるのだ。
「…………そういう、ことですか」
頭の中でそう結論付けはしたものの、しかし下手なコトを言うべきではないとも思い。翔一は今まさに抱いていた疑問と、導き出した答えを口に出さぬまま。黙って要の話に耳を傾け、納得したように頷いてみせる。
とすると、要は「答えを急ぐ必要はない。ゆっくり考えればいいさ」と諭すように言い。そうすればその後で、彼は翔一に対しこうも言ってみせた。
「よし、なら良いものを見せてやろう。恐らく今、君が一番気になっているであろうモノだ」
「僕が、気になっているモノ……?」
「そうだ、翔一くん。アリサくんと共鳴現象を起こした君が、昨晩あの海岸で遭遇した空間戦闘機。YSF‐2/A≪グレイ・ゴースト≫をだ」
「……!? 司令! コイツに最高機密の塊を見せるなんて、幾らなんでも……!」
――――≪グレイ・ゴースト≫を見せてやる。
要が翔一に対しそう口走った途端、今まで沈黙を貫いていたアリサはハッと眼を見開き、驚いた顔で要に対しそう詰め寄る。しかし要は「構わんよ、それぐらい」と豪快な笑顔で返し、すると続けてアリサに対して……困惑する彼女に対して、まるで諭すような口調でこう続ける。
「もしも彼が、翔一くんが我々と違う、別の道に行く選択肢を取るのなら。その時はこのニューラライザーで全ての記憶を消すまでだ。ならば問題ないだろう、アリサくん?」
「しかし、流石にそれは……!」
アリサも翔一にニューラライザーが効かないことを知っているからこそ、尚も要に食い下がろうとしたが。しかし要はまた豪快に「はっはっは」と高笑いを上げると、有無を言わさぬといった調子でこう告げた。
「ともかく、百聞は一見に如かずだ。見せてやろう翔一くん。君が目撃したあの機体を、あの黒い翼を――――もう一度、君に」
(第四章『嘘だらけの世界』了)
そう言って、要は敵性体……レギオンに関しての説明を大雑把なところでひとまず終え。次に空間戦闘機に関することを翔一に説明し始めた。
「といっても、空間戦闘機は君も実際に目の当たりにしているから、今更説明すべきことは少ないがね。天の方舟事件によって得られたオーヴァー・テクノロジー、ディーンドライヴを始めとする、地球外の技術を利用した……0G環境下、宇宙空間に於いても作戦行動が可能な戦闘機。それがアリサくんの≪グレイ・ゴースト≫のような空間戦闘機だ」
「それと、さっき見た≪ミーティア≫もね。アリサくんのに関しては完全にESP専用機だけれど、さっきの≪ミーティア≫は非ESPのパイロット……つまり、私みたいな普通の人間でも飛ばせるようになっているんだ。尤も、常時フルスペック・モードでディーンドライヴを動かせるESP専用機と比べれば、スペック面でも実際の戦闘能力でも、格段に劣ってしまうがね」
要の言葉に続き、やはり横から首を突っ込む形で霧子の注釈が飛んでくる。
どうやら……霧子の言う通り、空間戦闘機といってもその全てを自分やアリサのようなESP、つまり超能力者が操縦しているワケではないらしい。先刻、霧子が話していたディーンドライヴの大雑把な解説も踏まえると……ディーンドライヴを百パーセント使いこなせる、ESP専用の超兵器がアリサの乗っていたような機体で。それ以外の、普通の人間も扱える宇宙戦闘機が、さっき群れをなして離陸していったあのデルタ翼の機体ということになるのか。
どちらにせよ、翔一が何となく思っていたよりも普遍的な兵器らしい、空間戦闘機というモノは。
今までの説明から得られた情報を翔一が頭の中で整理していると、続けて要はこんなことを彼に話し始めた。
「空間戦闘機を語る上で外せないのが、『ブラックスワン計画』に関しての話だな」
「……と、いうと?」
「先に話した天の方舟事件、その際に得られたオーヴァー・テクノロジーの解析と実用化。それらを対レギオン戦に有効な兵器、ないしは科学技術へと転用することを目的とした、統合軍の極秘プロジェクト……。それがブラックスワン計画というものだよ、翔一くん」
「つまり、それがきっかけで空間戦闘機が?」
「そうなるな」と要は頷いた。「計画の成果がアリサくんの機体、YSF‐2/A≪グレイ・ゴースト≫であり、ディーンドライヴであり。それ以外にも量子コンピュータなどの成果もある。
まあ、全てに共通して言えることは……ブラックスワン計画で得られた超技術に超兵器、その全てが表世界に出ることのない、対レギオン戦に特化した技術であるということか」
「どうして、表に出さないんです?」
そんな翔一の素朴な疑問に答えたのは、霧子だった。
「簡単なことさ。空間戦闘機もディーンドライヴも、それ以外の技術も。本来、それら何もかもが人間の手には余る代物なんだよ」
「人間の、手に余る……?」
「ああ」と霧子が静かに頷き、肯定する。「人間という生物の大多数は愚かだ。愚かすぎて泣けてくるほどにね。だから空間戦闘機などの超兵器は、外敵に対して用いるならともかくとしてだ。同じ地球の中で、同じ人間同士で殺し合うのには……少しばかり、強すぎるのだよ」
「故に、国連統合軍とそれに属するオーヴァー・テクノロジーの利用は秘密裏の内に、対レギオン戦のみに限られている。その線引きは方舟事件の直後、各国が結んだ秘密協定の時点で既に明確化されている。もし何処か一国でもこれを破った場合……何となく予想は出来ているだろうが、それ以外の全ての地球国家から袋叩きだ」
続けて要が言うと、翔一は「……大体のことは、分かりました」とひとまず納得する。
「ともかく、ブラックスワン計画を始めとした研究開発。それで得られた成果を元に、今も人類はレギオンと戦い続けている……と、ここまでが俺から君に話しておきたかったことだ」
そうしていれば、要はそう言って話を締め括りに掛かる。
「ここまで話を聞いて、感想としてはどうかね?」
と、壇上から見下ろす要に問われて。すると翔一はそれに対し「……正直、言葉にならないです」と、何処か絶句したような顔で呟いた。
「僕の知っている世界は、歴史は、全て虚構に塗り固められていて。何もかもが嘘だらけの世界で……。
正直に言って、本当に言葉になりませんよ。何を言えば良いのか、どう捉えれば良いのか。僕自身にも……今は、よく分かりません」
そんな翔一の反応に、要と霧子、そして部屋の隅で相変わらず腕を組んで目を伏せているアリサですらもが、無理もないといった風な反応を示していた。
それはそうだろう。翔一からしてみれば、衝撃的な事実の連続だ。今まさに宇宙人と戦争をしているというだけでも卒倒モノの話だっただろうに、それ以外にも国連統合軍の成り立ちだとか、空間戦闘機についてのことだとか……。色々聞かされすぎて、彼は混乱しているのだ。
要たちだって、統合軍に引き抜かれた直後……今まさに彼に話したのと同じ真実を、歴史の裏側を知らされた時は、翔一と同じような反応だった。だからこそ、彼がそういう風な反応を示すのも理解出来るのだ。他ならぬ、アリサ・メイヤードですらもが……だ。
「……翔一くん。ESPである君には、二つの選択肢がある」
だが、話を進めなければ始まらない。
要はそう思うと、目の前で頭を悩ませ続ける翔一に対し、そんな言葉を投げ掛けていた。
「選択肢……?」
「ああ。ひとつは我々とともに、空間戦闘機のパイロットとして……アリサくんと同じようなESPパイロットとして、レギオンと戦うか。或いは、何も知らなかったことにして、今までの生活に戻るか。二つに一つ、どちらを選ぶにせよ、我々は君の選択を最大限に尊重する」
「……もしも僕が協力しなかったら、口封じに僕を殺すんですか?」
ありがちな展開だ。協力しないと首を横に振れば、口封じの為に殺されるパターン。
それを思うと、翔一は我ながら意地が悪いと思いつつも……目の前の要に対し、そう訊き返さざるを得なかった。
だが要の反応は翔一の予想とは裏腹に、はっはっはという爽やかな高笑いで。とすると、彼は「そんな乱暴なことはしないさ」と笑顔で翔一の言葉を否定した。
「ただ、これを使わせて貰うだけだ」
と、その後で要が懐から取り出したのは……ボールペンのような形をした、金属質の何か。此処に来るまでの間、リニアの車内で霧子が同じような物を持っていた。確かアレは記憶消去装置……そう、名前はニューラライザー。
「映画で見たことはないか? これを君の目の前でピカッと光らせると、君の頭の中からは我々にとって都合の悪い記憶……つまり今まで俺たちが話した、レギオンや天の方舟事件、ブラックスワン計画なんかの記憶が、全て君の頭からすっぽりと消えてしまうというワケだ」
笑顔で要は語り掛けてくるが、しかし翔一の中にはひとつの疑問が浮かび上がっていた。
確か……リニアの中での会話を思い出す限りだと、あのニューラライザーは自分のような超能力者には効かなかったはずだ。明確な記憶は無いが、霧子とアリサの会話を思い出す限り……現に、翔一は一度あのニューラライザーで記憶消去を試みられていると思われる。
が、昨晩のことは今でも鮮明に思い出せる。ということは、ニューラライザーによる記憶消去は失敗に終わっているというワケだ。
あの時、不時着してきた≪グレイ・ゴースト≫と、それに乗っていたアリサ・メイヤードの記憶は……統合軍にとってかなり都合の悪い記憶に違いない。少なくとも、一般人である翔一が覚えているのなら。
だが、現にあの時のことは未だに覚えている。であるのならば、それは即ち……ニューラライザーが自分には効果がない、ということの証明になるのだ。
「…………そういう、ことですか」
頭の中でそう結論付けはしたものの、しかし下手なコトを言うべきではないとも思い。翔一は今まさに抱いていた疑問と、導き出した答えを口に出さぬまま。黙って要の話に耳を傾け、納得したように頷いてみせる。
とすると、要は「答えを急ぐ必要はない。ゆっくり考えればいいさ」と諭すように言い。そうすればその後で、彼は翔一に対しこうも言ってみせた。
「よし、なら良いものを見せてやろう。恐らく今、君が一番気になっているであろうモノだ」
「僕が、気になっているモノ……?」
「そうだ、翔一くん。アリサくんと共鳴現象を起こした君が、昨晩あの海岸で遭遇した空間戦闘機。YSF‐2/A≪グレイ・ゴースト≫をだ」
「……!? 司令! コイツに最高機密の塊を見せるなんて、幾らなんでも……!」
――――≪グレイ・ゴースト≫を見せてやる。
要が翔一に対しそう口走った途端、今まで沈黙を貫いていたアリサはハッと眼を見開き、驚いた顔で要に対しそう詰め寄る。しかし要は「構わんよ、それぐらい」と豪快な笑顔で返し、すると続けてアリサに対して……困惑する彼女に対して、まるで諭すような口調でこう続ける。
「もしも彼が、翔一くんが我々と違う、別の道に行く選択肢を取るのなら。その時はこのニューラライザーで全ての記憶を消すまでだ。ならば問題ないだろう、アリサくん?」
「しかし、流石にそれは……!」
アリサも翔一にニューラライザーが効かないことを知っているからこそ、尚も要に食い下がろうとしたが。しかし要はまた豪快に「はっはっは」と高笑いを上げると、有無を言わさぬといった調子でこう告げた。
「ともかく、百聞は一見に如かずだ。見せてやろう翔一くん。君が目撃したあの機体を、あの黒い翼を――――もう一度、君に」
(第四章『嘘だらけの世界』了)
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「神典日月神示(しんてんひつきしんじ)真実の物語」
どうぞ、お楽しみ下さい。
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