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やだ…わたしの所属勢力、弱すぎ?
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「勇者どのが出発されてから間もなく、西方の戦線から連絡があり、黒龍の大攻勢で先鋒隊が敗走、勇者どのも亡くなられ、西側がだいぶ戦端を後退させまして…」
なるほど、地図上西側の黒いポーンもちょっと王城に近くなってるようだ。
「王城に大分近づきましたが、バルツ城塞都市でなんとか一時撃退、戦線は一旦落ち着いたとの事でした」
「大分マズイね。だったらわたし、そっち行った方が南に行くより良さそうか」
「単純な戦力の差だけを考えれば、まあ、その」
「いや、一人二人で戦局変わらんわボケって言ってくれていいのよ」
わたしも大分自信その他が過剰になっていたなと我ながら呆れる。
軍隊が敗北した先に一人突っ込むとか、相当ヒロイックな「Jおつかいロールプレイング」でもないわ。
「わたしの好き勝手を継続して黙認してもらえるなら西に行くわ、ってとこだね」
「そうですね…たしかに、こちらからお願いすべき事やお任せしたい戦場があるのならそれをお伝えすべきですしね。」
文官くんは何度も頷く。
「本式の戦争は騎士団の方々にお任せ、我々ガチャからドロップした戦力はせいぜい撹乱がいいとこ!正直、それが一番だと思うわ。いや、我々の中に超優秀な軍略家でもいるなら話は別だろうけど。」
「戦局全体を見通すのは我ら王国の正規戦力がやっております。そして、そういう意味では、既に王命はあなたに下されておりますし」
だいぶ過去のことのようで昨日の話。
「…巨赤龍討伐かぁ。確かにそうだね。正面戦力としての期待をされてない以上、見えてるラスボス倒してもらう方がありがたい、ってのは正しいわ。わたしが巨赤龍の「巨」の字にも到達できてないのが問題なだけで」
「巨赤龍は一度、北方の城塞都市クオルが陥落した際に攻撃に参加しただけで、しかも以降クオル跡地に居座った訳でもなく…行方は知れません。ただあの陥落が今回の一連の対龍族戦役の始まりですので陛下のおっしゃりようもごもっともでして」
「北が怪しい、って訳でもないのね」
「はい。巨赤龍に関して言えば、次に積極的に寄せ手に参加するとすれば…」
文官くんの目は地図の中心…王城を見ていた。
「最終戦て事か。確かに、その局面だろうと敵のラスボスがそいつならワンチャン逆転もあり得るかもね」
「そうです…かね。いえ、もうそうなっちゃってると…言いたくありませんがもうほぼ詰みかなーって」
「いや、野球は九回裏二死満塁フルカウントからじゃよ。スコア差からは目を離して!」
「なんか追い詰められてる感じは伝わって来ますね」
「せやろ」
なんの解決にもならないがまあ言うだけ言ったという勢いだけである。
「ほ、ほらその城地下深くの隠し球がなんかいい感じで全て蘇らせてくれたり」
「まあ…ないでしょうね。勇者どのお気遣いなく。我々別にあなたがたを責めるつもりは毛頭ありませんゆえ。ただ、我らは我らで生き延びる道を探すだけです」
「まあ…せやよな」
なんか悲壮な空気になってきたな…
「よし、まあわたしまで落ち込んでもしゃーないな!文官くん!わたしは西を見に行ってみようと思う。バルツ城塞都市とやらで敵を偵察してくる!」
「は。では陛下にもお伝えを…」
「失礼します」
部屋の前に誰か来たようだ。
文官くんが扉を開けると、若い兵士が立っていた。
「ガチャ教教主ペイルガン猊下より、勇者どのとお会いしたいとの仰せです」
噂の、王と同等の権力者か…
文官くんも目を丸くして驚いているようだ。
「なぜ勇者どのと?…そもそもこの名無しのねーちゃんの事を猊下がご存知なので?」
「おい名前ねーからって本音丸出し過ぎやめろや」
「す、すみません!普段はちっともそんなことは考えていないのにおかしいな」
文官くんは後でちょっと話があるとして確かになんか違和感がある気がする。
まーガチャから排出されたガチャ勇者はガチャ宗教的には情報把握してる、とかそういう事なのだろうか。
「わたくしは構いません。日取りはいつになりましょうか」
文官くんを引き締める意味も込め、よそ行きのトーンで兵士に聞き返す。
「は。明日正午に大聖堂へお越し頂きますよう、と仰せつかっております」
「わかりました。役目大義です。勇者…ぇえと…キングオブソーズの勇者、参上しますとお伝えを」
名前名乗ろうとして突っかかったのを見て吹き出しやがったな文官ェ…
「承知致しました」
兵士は下がっていった。
「ぷっ…し、失礼しました」
「お前マジ空気読めよな…次は許さねぇからなぁ?…ま、いーけど。んで、この御招待はどんな意味が?」
「いえ…ちょっと正直分かりかねまふ。ひほほふはははほほへふふひはははほ…」
両頬を伸びるだけ伸ばす。結構伸びるな…いずれにせよ何か素直に乗るような話ではなさそうに思えていた。
なるほど、地図上西側の黒いポーンもちょっと王城に近くなってるようだ。
「王城に大分近づきましたが、バルツ城塞都市でなんとか一時撃退、戦線は一旦落ち着いたとの事でした」
「大分マズイね。だったらわたし、そっち行った方が南に行くより良さそうか」
「単純な戦力の差だけを考えれば、まあ、その」
「いや、一人二人で戦局変わらんわボケって言ってくれていいのよ」
わたしも大分自信その他が過剰になっていたなと我ながら呆れる。
軍隊が敗北した先に一人突っ込むとか、相当ヒロイックな「Jおつかいロールプレイング」でもないわ。
「わたしの好き勝手を継続して黙認してもらえるなら西に行くわ、ってとこだね」
「そうですね…たしかに、こちらからお願いすべき事やお任せしたい戦場があるのならそれをお伝えすべきですしね。」
文官くんは何度も頷く。
「本式の戦争は騎士団の方々にお任せ、我々ガチャからドロップした戦力はせいぜい撹乱がいいとこ!正直、それが一番だと思うわ。いや、我々の中に超優秀な軍略家でもいるなら話は別だろうけど。」
「戦局全体を見通すのは我ら王国の正規戦力がやっております。そして、そういう意味では、既に王命はあなたに下されておりますし」
だいぶ過去のことのようで昨日の話。
「…巨赤龍討伐かぁ。確かにそうだね。正面戦力としての期待をされてない以上、見えてるラスボス倒してもらう方がありがたい、ってのは正しいわ。わたしが巨赤龍の「巨」の字にも到達できてないのが問題なだけで」
「巨赤龍は一度、北方の城塞都市クオルが陥落した際に攻撃に参加しただけで、しかも以降クオル跡地に居座った訳でもなく…行方は知れません。ただあの陥落が今回の一連の対龍族戦役の始まりですので陛下のおっしゃりようもごもっともでして」
「北が怪しい、って訳でもないのね」
「はい。巨赤龍に関して言えば、次に積極的に寄せ手に参加するとすれば…」
文官くんの目は地図の中心…王城を見ていた。
「最終戦て事か。確かに、その局面だろうと敵のラスボスがそいつならワンチャン逆転もあり得るかもね」
「そうです…かね。いえ、もうそうなっちゃってると…言いたくありませんがもうほぼ詰みかなーって」
「いや、野球は九回裏二死満塁フルカウントからじゃよ。スコア差からは目を離して!」
「なんか追い詰められてる感じは伝わって来ますね」
「せやろ」
なんの解決にもならないがまあ言うだけ言ったという勢いだけである。
「ほ、ほらその城地下深くの隠し球がなんかいい感じで全て蘇らせてくれたり」
「まあ…ないでしょうね。勇者どのお気遣いなく。我々別にあなたがたを責めるつもりは毛頭ありませんゆえ。ただ、我らは我らで生き延びる道を探すだけです」
「まあ…せやよな」
なんか悲壮な空気になってきたな…
「よし、まあわたしまで落ち込んでもしゃーないな!文官くん!わたしは西を見に行ってみようと思う。バルツ城塞都市とやらで敵を偵察してくる!」
「は。では陛下にもお伝えを…」
「失礼します」
部屋の前に誰か来たようだ。
文官くんが扉を開けると、若い兵士が立っていた。
「ガチャ教教主ペイルガン猊下より、勇者どのとお会いしたいとの仰せです」
噂の、王と同等の権力者か…
文官くんも目を丸くして驚いているようだ。
「なぜ勇者どのと?…そもそもこの名無しのねーちゃんの事を猊下がご存知なので?」
「おい名前ねーからって本音丸出し過ぎやめろや」
「す、すみません!普段はちっともそんなことは考えていないのにおかしいな」
文官くんは後でちょっと話があるとして確かになんか違和感がある気がする。
まーガチャから排出されたガチャ勇者はガチャ宗教的には情報把握してる、とかそういう事なのだろうか。
「わたくしは構いません。日取りはいつになりましょうか」
文官くんを引き締める意味も込め、よそ行きのトーンで兵士に聞き返す。
「は。明日正午に大聖堂へお越し頂きますよう、と仰せつかっております」
「わかりました。役目大義です。勇者…ぇえと…キングオブソーズの勇者、参上しますとお伝えを」
名前名乗ろうとして突っかかったのを見て吹き出しやがったな文官ェ…
「承知致しました」
兵士は下がっていった。
「ぷっ…し、失礼しました」
「お前マジ空気読めよな…次は許さねぇからなぁ?…ま、いーけど。んで、この御招待はどんな意味が?」
「いえ…ちょっと正直分かりかねまふ。ひほほふはははほほへふふひはははほ…」
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