ゴクドウさんは救世主!?

ネル♦

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ゴクドウさんは救世主!?

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俺は不思議に思った。

学校中の喧騒や泣き声、暴力沙汰がいきなり減ったのだ。


学園長にその事を聞いてみると、「なんでだろうね?」と微笑み返されてしまった。

でも絶対あの人は知っている。
俺の知らないところで手を回しているのだろう。

その事が無性に気になった。
そしてもう1つ気になるのが、あの転校生が来てから学校中の騒ぎが減った事。

名前は…確か、
「三ケ島…一輝…だったか」

ボソリとその名前を呟く。
生徒の名前と容姿はこの俺が1番よく知っている。

生徒会長だから。

「アイツは何もんだ?」


と、その時だった。


横から「会長様!!!避けてください!!!」
と、涙混じりの悲鳴が飛び交った。


横を見るとどこから飛んできたのかは分からないが野球ボールが向かってきていた。

どこでボール遊びしてんだクソ!


けど動体視力が凄まじいので避けれると思っていた。


「こんなとこでボール遊びしてるの誰?」
目の前には野球ボールを片手で受け止めたあの三ケ島一輝が俺の盾になっていた。
後ろ姿だけでわかるとか俺天才だな。

サラサラとした黒髪に俺より10cmくらい身長が低い三ケ島。

顔は見えない。

三ケ島はそのまま受け止めたボールを飛んできた方向へ投げ返した。

めちゃくちゃ速い球。

奥の方で鈍い音がし、誰かに当たったのだと分かる。
恐らくボールを投げてきた犯人だろう。

三ケ島はスッと俺に振り返りペコッと頭を下げてゆっくりボールの進行方向へ向かっていった。

片目にかかった長めの前髪に、マスクをしていたので素顔は分からないが整った顔をしていると本能で分かった。


確か…庶民だと言っていたな。


ほんとにアイツは庶民か?



三ケ島が歩いていった方向を見つめながら考える。


俺の家は鷹司たかつかさグループといって、名の知れた有名な家系だった。

この学園は一ノ瀬グループが管理している。
一ノ瀬グループと鷹司グループは良好な関係を築いており、トップ3に入る権力の持ち主。

その中で1番上(トップ)を走るのは御門グループといって、知らない者はいない。

最初俺はきっとコイツらだって上でふんぞり返り威張っているのだろう。と内心思っていたが、それは外れ。
御門グループの者は皆、対応は真摯的しんしてきですごく丁寧。差別は全くせず平等だった。

どうやら子供はいないようなので、相続について話していたのを見た事ある。

しかし、御門グループのトップは「心配ねえよ。いつか発展するからな」ガハハと笑っていた。
その顔はほんとに何かがあるような、心配なぞいらない。といった顔だった。



…つーか…
アイツ絶対モテるな。

あんな事されたら惚れないヤツいねーだろ。
危うくこの俺がもっていかれそうになった。

実際、三ケ島が俺の前に出てきてボールを受け止めた時、周りで歓声が上がっていた。

あれで何人か落ちただろ。

庶民だと分かっていてもこれは惚れるだろ。顔はよくわからないが整っているだろうし。いつか素顔が見れたらアイツの弱みを握れるかもしれない。

訳ありで、顔を隠しているようにも見えたしな。


ってか、犯人の事忘れてた。
生徒会長なのに普通に三ケ島だけで行かせてしまった。



ハッとして三ケ島が歩いていった方向まで向かったが、もう既にアイツの姿は見えなかった。


「もしかしたら何か知れたかもしんねーのに!!くそっ!!」


俺がいた場所の隣に立つ大木の上の方に三ケ島がいた事など知らずに。



───
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