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2 のんびり西コルヌ王国のラーラ
この大陸には、高い山脈と川で隔てられた、2つの国がある。西コルヌ王国とコピアーナ王国だよ。
両国共に豊かで、仲は良く、人々は、穏やかに過ごしているんだよ。
西コルヌ王国は、国王も高齢で、旧態依然として、千年以上変わらずに伝統的な暮らしをしている人々が多い。
穏やかに、ゆったりと一日が過ぎているのどかな国なんだ。
対して、コピアーナ王国は、18歳の青年王が統治している。
前・国王夫妻が、世界旅行に出たから、王位を息子に譲渡しただけだけどね。
新しい魔術を次々と作り出して、新しい文化や仕事がどんどん広まっている変化が激しい国なんだ。
対照的だね~。
僕は、ラーラ。18歳。旧態依然の西コルヌ王国の中心部から、南東に少し行ったウィッチバレーに住んでいる。
魅了の力を持ったお母さんが安全に過ごせるように、何重にも保護の結界が張ってある森の中で育った。
過保護な父と、過保護な母と、過保護な兄に守られて、ウィッチバレーからは出た事がないんだ。
「闇夜茸を日光で乾燥させて、満月ミントを瓶詰めにして、そろそろ、ギガントガッロの乾燥肉を猛毒大根と煮込んでおこうかなぁ。精神安定に効くからね。」
家の木の扉を開けると、ドアに吊るされたどんぐりで出来た鈴がコロコロ、コロコロと鳴る。
「お母さん、猛毒大根って家にある?」
「もう、無いわよ。畑から採って来てくれる?ついでに、熱々キャベツの、1番大きい物も採って来てくれる?ラーラ、気をつけてね?」
「はーい。」
「猛毒大根は、棒で叩いて黙らせてから収穫よ、すぐに毒を吐くから気を付けてね。熱々キャベツは、耐熱手袋をして冷え冷え雪カブトの実を被せて収穫よ?忘れないでね。」
「大丈夫だよ~、任せて」
熱々キャベツは、何に使うのかなぁ、、、。夕飯用なのか、それとも、『惚れ薬』と反対の『冷め薬』の材料にするのか、どっちかねぇ、、、。
僕は、裏庭の広い畑を収穫カゴを持って行ったり来たりしていた。
ウィッチバレーは、中心部以外は、ほぼ、魔女の森で、とても静かで、のどかな土地なんだよ。
この森で、S級冒険者の父サー・シルベールと、推定100歳前後の美魔女の母リリーと、一緒に『魔女の薬』を作って、暮らしているんだ。
母は、とても100歳(前後)には見えないんだよ。40歳近い父より、若く見えるんだ。
お父さんは、魔物の討伐に出かけ、魔女の秘薬の材料を採って来てくれるんだよ。
さすがは、『ナイト』の称号を、王から賜った伝説の冒険者だね。
素材だけで売っても、ウィッチバレーの皆が喜ぶ物ばかりなんだよ。
深海に住む大鯨の心臓とか、竜の卵とか、地底にある発光クリスタルに、不死鳥ギャートラスの羽根に、発光コウモリの肝…。
どれも、とても貴重な物なんだよ。
たまに、お土産をいっぱい持って、A級冒険者の兄レオナルドも旅から帰って来る。
前回は、スノーウルフの牙と毛皮に、一角トカゲの角、人食い植物の蔦に、龍の鱗も持って帰って来てくれた。
それに、稀に、魔物を倒した後に採れる色とりどりに輝く、たくさんの魔石もくれる。
これらは、薬の材料にしたり、呪いアクセサリーの材料か、お守りにするんだよ。
何より、僕には行く事の出来ない、危険を伴う冒険の話を聞かせてくれるから、毎回楽しみにしているんだよ。
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