3 / 44
3 A級冒険者の冒険譚
ある時、兄は、全長5メートルを超える喋る魚『ぺちゃくちゃん』の湖に引き摺り込まれたらしい。
「おい、人間。水中で魚ちゃんに勝てるかなぁ?」
「筋肉だけの冒険者か?魚ちゃん」
「筋肉だけだな。ね?魚ちゃん。陸上でも勝てるよな?」
「誰が来ても同じだ。帰れ帰れ。ここは魚ちゃん達の湖だ。ねー、魚ちゃん?」
「湖の底にあるシャイニー・パレント・クリスタルは、魚ちゃんの物。あげないよ。帰れ、帰れ、筋肉冒険者。」
必死に泳ぐ兄に、ぺちゃくちゃん達が、口から、水鉄砲を吹き攻撃して来たんだって。
口撃も、ついてきたみたいだね。
「一人称は全員魚ちゃんなのか?ややこしいなぁ。全員同一人物で良いな。一蓮托生だ。」
その後、ぺちゃくちゃんを残らず、完膚なきまでに叩きのめした後、干物にして、シャイニー・パレント・クリスタルを全て頂き、1週間、湖を干上がらせたって言ってたなぁ。
シャイニー・パレント・クリスタルはとても貴重な水晶だけど、数年経てばまた、再生するんだって。
この、シャイニー・パレント・クリスタルを、僕は呪具と、呪いのアクセサリーを作る時に使うんだ。
兄は、温情から、ぺちゃくちゃんの卵だけは残したらしい。
その後、兄が、孵化させて、躾け、教育を徹底的に施したらしい。
今では、シャイニー湖には、礼儀正しいぺちゃくちゃんが、住んでいるらしい。
お兄ちゃん、、、僕、シャイニー湖が気になるよ、、、。
沈黙は金だよね、、、。お口はチャック。お兄ちゃんは、怒らせるとダメ、絶対!
それから、僕のために、砂漠に、新月の夜にだけ咲く『眠り草』を採りに行った時の事なんだけどね。
夢中になって採取している間に、砂嵐に遭い、帰り道を見失ったんだって。よりによって、そのタイミングで
「うまいムー。もっと食べさせるムー。」
砂漠の生物ムームーねずみが現れたんだ。
お兄ちゃんが、等間隔に置いていた、帰り道の目印の発光竹も、食べてしまったんだって。
「馬っ鹿、お前!この発光竹は食べ物じゃない。月の使者が降りてくる時にだけ手に入る貴重な竹なんだ。しかも、帰り道が分からなくなっただろうがぁ。」
そこで、お兄ちゃんは、体長1メートルもある、ムームーねずみのお腹を裂き、発光竹を回収して、残りを美味しく調理して、ありがたく頂き、生き延びたらしい。
「ガッてやって、ギュッてやって、こうだ。」
うーーーん?お兄ちゃんの話は、ちょっと分からない部分もあるんだよね。
その後は、どうにかオアシスに辿り着き、大型野鳥バートグリフィスに掴まり空から、帰り道を発見して、砂漠を脱出したんだってさ。
バートグリフィスって羽を広げると5メートルを超えるし、クチバシが、1メートルくらいあるんだよ。
絶対に、頭からカプッて、されるよぉ。怖いよぉぉ。
お兄ちゃん、ワイルドだねぇ。これで発情止めが作れるよ。
ありがとうございます。オメガって、面倒くさいねぇ~。
まだ発情止めは飲んでいないけど、もしもの時に備えて、いっぱい作ってあるよ。
そうそう、それに、お兄ちゃんが、幻の古代地図を読み解き、新大陸を発見した話は、新聞で知ったんだよ。
いつものように、朝ごはんを食べ終わり、コーヒーを飲みながら、新聞を読んでいると、
『新大陸発見、冒険者レオナルド氏 原住民と意思疎通に成功。平和的共存可能か?』
って記事を見つけたんだ。本当に驚いたぁ~。あるんだね。新大陸って。
お兄ちゃんが、原住民を説得し、交流を持てるまでに数年かかったって、言ってた。
「筋肉、スキ、ウホホホホォ」
「ナカマ、筋肉、ウホホホホォ」
「同じ、筋肉、ウホホホホォ」
「うーん。俺は、そんなに筋肉質か?自分では、細マッチョだと思っていたのになぁ?ウホホホホォ、、、。」
今では、新大陸は地図に載ったけど、そのまま、原住民の生活も維持できているって。良かったね。平和だね。
それでね、大陸の名前は、レオナルド大陸なんだよ。
毎回お兄ちゃんの話はドキドキ、ハラハラして、とっても楽しいんだ。
あなたにおすすめの小説
追放オメガ聖帝の幸せな結婚〜クールなスパダリ騎士に拾われて溺愛されるまで〜
あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
ノルディーナ王国の聖帝サーナは、教皇のありもしない嘘のせいで聖宮から追放されてしまう。
行く当てがないサーナが国境に向かうと、そこで隣国ルミルカ王国の騎士であるムーシュと出会う。ムーシュから諸事情により偽装結婚を提案されて、サーナは期限付きの偽装結婚ならばよいと承諾し、一時的に保護してもらうことに。
異国暮らしに慣れていく中で、やがてムーシュから溺愛されるようになり……?
繋ぎの婚約を契約通り解消しようとしたら、王宮に溺愛軟禁されました
こたま
BL
エレンは子爵家のオメガ令息として産まれた。年上のアルファの王子殿下と年齢が釣り合うオメガ令息が少なく、他国との縁組も纏まらないため家格は低いが繋ぎとして一応婚約をしている。王子のことは兄のように慕っており、初恋の人ではあるけれど、契約終了時期か王子に想い人が現れた時には解消されるものと考えていた。ところが婚約解消時期の直前に王子宮に軟禁された。結婚を承諾するまでここから出さないと王子から溢れるほどの愛を与えられる。ハッピーエンドオメガバースBLです。毎日18時50分公開予定です
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
Seele―目が見えるようになったのは奇跡ではなく、罰だった―
真紀
BL
【完結まで執筆済み】「和はおまえが大嫌いだった。憎んでた。だからおまえに目をくれたんだよ」
死んだ弟の角膜で、光(コウ)は視力を得た。見えたのは、涙をこらえる親友の顔。光が歌をやめたのは、その日からだ。
あの人が泣きながら殴るたび、光は願う。「どうか明日は、早く壊れてしまえますように」と。
光は音楽を捨て、達哉は涙を隠せないまま、二人は同じ世界に立ち続ける。
これは、赦しのない世界で、それでも生きようとする者たちの物語。
《第一章》盲目の光が、最愛の弟を失うまでの日々を書いています。ブロマンス寄りですがBL好きな方に読んで欲しい作品です。「ノンケを堕とすノンケ」が好物の方、ぜひどうぞ。
当て馬に転生した俺、メインヒーローに懐かれすぎて物語が崩壊しています ~最強の騎士様、俺じゃなくてヒロインを追いかけてください!~
たら昆布
BL
処刑される元貴族に転生していたので婚約破棄して雑用係になった話
【8+2話完結】氷の貴公子の前世は平社員〜不器用な恋の行方〜
キノア9g
BL
氷の貴公子と称えられるユリウスには、人に言えない秘めた想いがある――それは幼馴染であり、忠実な近衛騎士ゼノンへの片想い。そしてその誇り高さゆえに、自分からその気持ちを打ち明けることもできない。
そんなある日、落馬をきっかけに前世の記憶を思い出したユリウスは、ゼノンへの気持ちに改めて戸惑い、自分が男に恋していた事実に動揺する。プライドから思いを隠し、ゼノンに嫌われていると思い込むユリウスは、あえて冷たい態度を取ってしまう。一方ゼノンも、急に避けられる理由がわからず戸惑いを募らせていく。
近づきたいのに近づけない。
すれ違いと誤解ばかりが積み重なり、視線だけが行き場を失っていく。
秘めた感情と誇りに縛られたまま、ユリウスはこのもどかしい距離にどんな答えを見つけるのか――。
プロローグ+全8話+エピローグ
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【本編完結】再び巡り合う時 ~転生オメガバース~
一ノ瀬麻紀
BL
前世で恋人を失い、自身も命を落とした僕は──異世界で双子の兄として転生した。
新たな出会いと、再び芽生える恋心。
けれど、オメガとしての運命は、この世界でも僕を翻弄していく。
これは、前世の記憶を抱えた僕が、二度目の人生を懸命に生きる物語。
✤✤✤
ハピエンです。Rシーンなしの全年齢BLです。
よろしくお願いします。