メンタル弱めのΩの僕は、鬼畜『鬼』隊長とは番えません

ニア。

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3 A級冒険者の冒険譚


 ある時、兄は、全長5メートルを超える喋る魚『ぺちゃくちゃん』の湖に引き摺り込まれたらしい。

 「おい、人間。水中でうおちゃんに勝てるかなぁ?」

 「筋肉だけの冒険者か?うおちゃん」

 「筋肉だけだな。ね?うおちゃん。陸上でも勝てるよな?」

 「誰が来ても同じだ。帰れ帰れ。ここはうおちゃん達の湖だ。ねー、うおちゃん?」

 「湖の底にあるシャイニー・パレント・クリスタルは、うおちゃんの物。あげないよ。帰れ、帰れ、筋肉冒険者。」

 必死に泳ぐ兄に、ぺちゃくちゃん達が、口から、水鉄砲を吹き攻撃して来たんだって。

 口撃も、ついてきたみたいだね。


 「一人称は全員うおちゃんなのか?ややこしいなぁ。全員同一人物で良いな。一蓮托生だ。」


 その後、ぺちゃくちゃんを残らず、完膚なきまでに叩きのめした後、干物にして、シャイニー・パレント・クリスタルを全て頂き、1週間、湖を干上がらせたって言ってたなぁ。

 シャイニー・パレント・クリスタルはとても貴重な水晶だけど、数年経てばまた、再生するんだって。

 この、シャイニー・パレント・クリスタルを、僕は呪具と、まじないのアクセサリーを作る時に使うんだ。

 
 兄は、温情から、ぺちゃくちゃんの卵だけは残したらしい。

 その後、兄が、孵化させて、躾け、教育を徹底的に施したらしい。

 今では、シャイニーレイクには、礼儀正しいぺちゃくちゃんが、住んでいるらしい。

 お兄ちゃん、、、僕、シャイニー湖が気になるよ、、、。

 
 沈黙は金だよね、、、。お口はチャック。お兄ちゃんは、怒らせるとダメ、絶対!



 それから、僕のために、砂漠に、新月の夜にだけ咲く『眠り草』を採りに行った時の事なんだけどね。

 夢中になって採取している間に、砂嵐に遭い、帰り道を見失ったんだって。よりによって、そのタイミングで

 「うまいムー。もっと食べさせるムー。」

 砂漠の生物ムームーねずみが現れたんだ。

 お兄ちゃんが、等間隔に置いていた、帰り道の目印の発光竹も、食べてしまったんだって。

 「馬っ鹿、お前!この発光竹は食べ物じゃない。月の使者が降りてくる時にだけ手に入る貴重な竹なんだ。しかも、帰り道が分からなくなっただろうがぁ。」

 そこで、お兄ちゃんは、体長1メートルもある、ムームーねずみのお腹を裂き、発光竹を回収して、残りを美味しく調理して、ありがたく頂き、生き延びたらしい。

 「ガッてやって、ギュッてやって、こうだ。」

 うーーーん?お兄ちゃんの話は、ちょっと分からない部分もあるんだよね。

 その後は、どうにかオアシスに辿り着き、大型野鳥バートグリフィスに掴まり空から、帰り道を発見して、砂漠を脱出したんだってさ。

 バートグリフィスって羽を広げると5メートルを超えるし、クチバシが、1メートルくらいあるんだよ。

 絶対に、頭からカプッて、されるよぉ。怖いよぉぉ。

 お兄ちゃん、ワイルドだねぇ。これで発情止めが作れるよ。

 ありがとうございます。オメガって、面倒くさいねぇ~。

 まだ発情止めは飲んでいないけど、もしもの時に備えて、いっぱい作ってあるよ。

 そうそう、それに、お兄ちゃんが、幻の古代地図を読み解き、新大陸を発見した話は、新聞で知ったんだよ。

 いつものように、朝ごはんを食べ終わり、コーヒーを飲みながら、新聞を読んでいると、

 『新大陸発見、冒険者レオナルド氏 原住民と意思疎通に成功。平和的共存可能か?』

 って記事を見つけたんだ。本当に驚いたぁ~。あるんだね。新大陸って。

 お兄ちゃんが、原住民を説得し、交流を持てるまでに数年かかったって、言ってた。

 「筋肉、スキ、ウホホホホォ」

 「ナカマ、筋肉、ウホホホホォ」

 「同じ、筋肉、ウホホホホォ」

 「うーん。俺は、そんなに筋肉質か?自分では、細マッチョだと思っていたのになぁ?ウホホホホォ、、、。」

 今では、新大陸は地図に載ったけど、そのまま、原住民の生活も維持できているって。良かったね。平和だね。

 それでね、大陸の名前は、レオナルド大陸なんだよ。

 毎回お兄ちゃんの話はドキドキ、ハラハラして、とっても楽しいんだ。



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