メンタル弱めのΩの僕は、鬼畜『鬼』隊長とは番えません

ニア。

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16 双子の騎士と、鬼隊長



 イルとエルは、庭園広場の、噴水が見えるパーゴラのベンチに、僕を座らせ、ピッタリと両サイドにくっついて座ってきた。

 なぜ?やっぱり、逃走防止なのかなぁ?

 「あ、あのぉ、、、」

 「個人情報かぁ、、、う~ん。何なら、教えてくれる?」

 「?」

 「好きな食べ物、教えてくれたら、パーティの、食事と飲み物を、持って来てあげるよ?何が好き?」

 「アルコールの、入っていない、飲み物が欲しいです。」

 「持って来よう。」サッと、立ち上がったのは、目つきの鋭い、エルだった。

 「勤務中じゃなかったの?」

 「え?気にしてくれるの?そうだね、、、勤務のような、参加者のような、、、ね?どっちが良い?ラーラ。」

 「え?どっちとは?」
 
 「勤務に戻って欲しいか、このままパーティーを、一緒に楽しみたいか、だよ?」

 「えぇ??」

 僕は、『帰る』という選択肢、一択しかないのになぁ。

 楽しむ?楽しみ方が、分からないよぉ。

 「えぇっと、、、んーーーん?」
 
 「ラーラが困っているじゃないか。やめろ、イル。」

 「へー、本当だ。可愛いオメガちゃんだね?俺はアーロン。君がラーラ?ジュリアス陛下が頑なに隠していた、レオナルド殿の弟かぁ。ふ~ん。よろしくね。」

 飲み物を取りにいったエルが、食事と飲み物の乗ったワゴンと、何故か、騎士団の部隊長アーロンまで連れて来てしまったようだった。
 
 「よ、よよよ、よろしくぅ?」

 二つ学年が上の、鬼畜のアーロン部隊長だった。

 たまに遠くから、盗み見していた相手が、こんなに近くで、僕を見つめている。

 嬉しくて、体温が跳ね上がる。


 アーロン隊長は、相変わらず、目つきが鋭く、『鬼畜』鬼・隊長の様子で、隙が無い。

 どの様に、よろしくするんだろ?

 射る様な目つきで、ジッと見つめられ、威圧感たっぷりに言われると、体がガタガタ震えている。

 あの、演習場での、彼の怒鳴り声が、頭の中で響く。


 まさか、この国の、『夜会早めに切り上げ罪』って、重罪なの?


 投獄とかは、嫌だよ、森に帰りたい。

 それに、僕この人を見ると、嬉しいけど、、、心臓が痛くなるんだよ。


 たまに、遠くから、そっと見るだけで良い。こんなに近いと、体に毒だよ。

 もう、胸がどくどくと、鼓動を打ち、呼吸が浅くなってきた。

 隊長と、この国、有数の腕を持つ、騎士2人に挟まれ、飲み物をアーロン隊長から受け取った。

 ここまでは、覚えているんだよね、、、。後は、ところどころ、、、。

 発情してしまって、記憶が、飛び飛びなんだよ、、、。

 


 隊長アーロン


 エルからの「可愛い子を見つけた。早く来い。」

 という報告で、いつもの庭園のパーゴラに行くと、本当に、可愛いオメガの魔術師が居た。

 ツヤツヤの黒髪、大きな瞳で、うすピンクの唇は、ぷるぷるだった。
 
 こんな子は、コピアーナ学園には、居なかった。

 ジュリアスが隠していた、あの子か?クッソ。ジュリアスめ。

 「可愛いね、ラーラ、君の事を教えて?」

 手に持ったジュースのグラスを渡す。

 ほんの少し指が触れ、可愛いラーラから、微かに、桃の様な甘い匂いがした。

 「ぼ、僕の、、、こと?」

 「そう、まずは、、、」

 「ま、まずは、、、?」


 「どのサンドイッチが食べたい?あーんして?あーんだよ。」

 「あーん???」

 「そうそう。いい子。ハムと、きゅうりと、ツナと、卵、どれが良い?」

 「ーーーえ?え?ハムかなぁ?」

 「オッケー。はい、あーん。、、、美味しい?ジュースも飲んでね。この後、しばらく食事が、出来ないかもしれないからね。」

 ラーラに、サンドイッチを、食べさせながら、自分も、食事を頬張る。

 「ーーー騎士団、忙しいの?」

 「ラーラと、俺がね」

 「?」


 「アーロン、ずるいよ~。僕たちが見つけたのに~。ーーーでもラーラちゃん、アーロンしか、見てないね。ふふふ、残念だ。」




 フェロモンも弱々なラーラ


 軽食をひと通り食べ終わると、アーロン隊長が、僕の腕を引いて言った。

 「ジュリアスの取り巻きに、見せつけてこよう。ラーラ、広間のダンス会場へ、行こう。」


 「僕、踊れるの?」

 「知らん。」

 「「、、、。」」


 あれ?お姫様抱っこで体が揺れる、、、。アーロン隊長の胸は、暖かくて、気持ち良いなぁ。

 なんて考えていた。アーロン隊長と居ると、頭がボーっとするんだ。

 体が、ほこほこしている。さっきから、心地の良い匂いが、アーロンから香る。



 今日は、ビッグムーンの日なんだね、、、。


 大きなオレンジ色の、半分の月が空にかかってる。


 僕は、豪華な窓から、夜空を見上げていた。



 「大丈夫か?」


 「うん、、、?」







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