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17 鬼隊長とヒート間近な僕
ーーーんん?
隊長が、僕の前でお辞儀をし、ダンスを申し込んでる。
あれ?
僕たちは、庭園から、いつの間にか、室内の広間にいた。記憶が、途切れ途切れで、曖昧なんだ。
これって、オメガのヒートが来るのかなぁ?ソワソワ、ムズムズする。
記憶が、飛び、飛び、だぁ。、、、これは、、、マズイ???
「ラーラ、一曲お相手願えますか?」
目と目が合ったまま、手の甲にキスをされた。
宮廷楽団が、学園の広間で、荘厳な音楽を奏でている。
「一曲じゃなくて、、、全曲お相手します。、、、ううん。お相手させて下さい。」
彼の、春の日差しの様な匂いが、僕を酩酊させて、変な事を口走っていた。
帰らなきゃって、思いよりも、もっと一緒にいたい気持ちが、勝ってしまう。
ジュリアスの取り巻きの、しっかり者のアルト(A)が頭を抱えているのが見えた。
「ぷははっ嬉しいなぁ、じゃあ最後までお願いしようかなぁ。」
「貴方を独り占めしたら、会場中から怒られそうだね。良いのかな?」
いつもマイペースなベルナ(B)は友達と、ひたすら、ご飯を食べていた。目が合うとコチラに、笑って手を振ってくれた。
セペル(C)は、「僕とも踊って、僕も、僕も」と、僕たちの周りを、ウロウロした結果、アーロンに追い返された。
2人で息を合わせて、一つの動きを完成させるダンスって、達成感がすごいんだね。
僕、ダンスなんて、踊った事が無いから、アーロンに、抱きついて、音楽に合わせて、揺れていただけ、なんだけどね。
体も密着させて、体温を感じて、天国にいる気分なんだ。
「息が上がったか?少し休憩しましょうか?」
踊って(?)疲れた僕を、エスコートして、ソファーに座らせてくれ、すぐに飲み物も、手配してくれた。
何?この安心感。雛鳥の気分だぁ。
彼になら、全部任せて大丈夫って、思ったんだ。
激しくて、力強い踊りが、彼らしかったなぁ。最高の気分だよ。
硬い筋肉に覆われた腕で、エスコートされるの、最高なんだよね~。
くぅ~~~。
でもダメ。ダメ。僕はオメガを辞めるんだから。アルファには、なびかない。なびいちゃダメ。
「はぁ、はぁ、ダンスがとても上手なんだね。僕、すごく楽しかったよ。」
「あはは、俺も、久しぶりに踊ったよ。どちらかと言うと、室内のダンスより、外の庶民的なダンスが、好きなんだ。」
目線と顎で、学園の広間の外を指す。
「外のパーティに行くか?もう、取り巻き連中には見せつけたから。」
「行きたいです。」
YES以外の答えなんか無いよね~。やだなぁ。
オメガって、流されるぅ~。
「今度は、学園の他のやつらに、ラーラは、俺のだと、見せつけよう。」
楽しそうに、アーロン隊長は、僕の手を握り、夜会会場の広間を、抜け出した。
広間を抜けて、廊下を走り、手を握ったまま、たまに目を合わせて笑い、庭園広場を目指して、2人で駆けて行った。
広間を出た辺りで、『忙し人参』が数本、走って逃げてきた。
旬を迎えると、走り出す、扱いの難しい、美味しい人参なんだよ。
「お?コイツらも、庭に行きたいのか?」
後ろからは、新人のシェフが、包丁を持って、追いかけてきた。
「ふふふ、忙し人参は、追いかけちゃダメなんだよ。心を無にして、人参の芯を抜く感じで、、、コウ。」
指を3本くっつけて、忙し人参の上へかざし手首を上へあげる。
すると、人参達は大人しくなり、その場に座った。
「ラーラ凄いな。野菜の扱いが、上手いんだな。新人騎士の頃、誰もが、アレの確保に、駆り出されるんだよ。騎士科にいたら、ラーラが一位だよ。」
「そうなの?でも、騎士さん達なら、忙し人参に、追いつけそうだね?」
「はーー、はーー、はーー、ありがとうございます。学生さん。夜会を楽しんで下さい。」
お礼まで言われてしまった。ふふふ。シェフに、手を振って、アーロンと庭園広場を目指す。
100年カエルが鳴いている。機嫌が良いと鳴くカエルなんだよ。
「カッカックックッ、カッカックックッ」
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