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18 僕のファーストヒート
アーロン隊長は、ずっと、僕の走る速さに、合わせてくれてたんだよね。
足元に、闇夜茸が光って見えた。
「こんな所に、闇夜茸?」
「あ?あぁ、この茸は、学園の南側の、雑木林に、たくさん生えてるぞ?」
「ええぇっ!すごい!」
澄んだ空気の場所にしか、生えない、希少な茸で、西コヌル王国では、とても貴重な茸なのにね。
キラキラと胞子まで飛ばして、僕を応援してくれている。
今度、収穫しに行こう。
外の庭園の会場では、ガスのランタンの灯りが、ゆらゆら会場を照らしていた。
学生以外の人も、ちらほら、いる。
会場では、大樽で、ワインが振る舞われている。騎士の皆さんが、学生に勧めている。
お肉や野菜を焼く屋台が出ていた。外の会場では、王宮のシェフではなく、下町のレストランの店主達が、食事を提供していた。
ギガントガッロの丸焼きを、切り分けて振る舞っているのも、見えた。美味しそうだなぁ。
良い香りが、あたりに漂っていた。
店主も、今日はお酒が入っているのか、顔が真っ赤で、笑っていた。
お酒を飲み、料理を食べ、語り合う学生が、楽しそうに微笑み、テーブルを囲んでいた。
「普段とは、違う雰囲気なんだね。なんだか、ドキドキしちゃう。」
ガーランドと花で飾り付けられた会場では、バイオリン、フルート、チェロ、ピアノで生演奏をバックに、男女入り乱れて大きな輪を、何重も作り、踊っていた。
僕達も、その輪に入り、手を叩き、見つめ合ったまま、ステップを踏み踊る。
酔ってふざけた騎士さんが、ふわふわスカートの踊り子のお姉さんを、強引に、踊りに誘う。
お姉さんは、慣れた様子で、踊りながら、肘鉄を食らわす。
周囲の学生も、笑ってる。いつもの事なのかなぁ?
曲調が変わり、右腕と右腕を組み、クルクル回りながら、会場を移動する。
途中、何度か相手を変えながら、クルクル回って、ジャンプ、反対にクルクル回ってジャンプを繰り返し、踊る。
会場にいる、踊っている学生も、見ている学生も、大笑いしながら手を叩き、はやし立てる。
「カッカッカッカックックックックッ、カッカックックッ」
軽快な音楽に乗せ、100年ガエルまで、笑っているみたい。
とても、楽しかったのに、慣れない僕は、あっという間に、目が回った。
ふらふらになって、ダンスの会場から、離脱してしまった。
周りには、酔って踊り、目が回った他の人も、笑いながら、座り込んでいた。
「大丈夫か?ラーラ?無理をさせてしまったかな?冷たいタオルを用意するか」
「あれ?僕何でアーロン隊長とこんな所で、話してるの?」
「あ~~~。さっきから、一緒に踊ってただろ?フェロモン薄いけど、もう、限界かなぁ?」
頬を人差し指で、ぽりぽりしてるアーロン隊長は、いつもと少し様子が違い、照れた様子にも見えたんだ。
何だか、可愛いその仕草に、今なら、言える気がした。
「僕ね、初めて会った日に、あなたの声を、もっと聞いていたい、そばに居たいって、思ったんだ。」
「ジュリアスが、意地で隠していた、あの時か、、、。俺も、早く気付けば、良かったな。」
明るい夜会の会場で、笑い声に包まれて、彼と2人の時間が、幸せすぎて、永遠に続けば良いのにと思っていた。
もしかして、あれは、発情期と、目が回っていた僕の、都合の良い、妄想だったかなぁ?
「少し座って食事にしよう。ラーラ歩けるか?、、、だめだな。首に、つかまって?、、、っよ。」
またまた、抱っこで、パーゴラのベンチに戻った。
「おい、ラーラは、どうしたんだ?発情しているのか?アーロン。匂いが、、、」
エルが、眉をひそめた。
その顔、傷つくなぁ~。オメガって嫌われちゃうね。
「ぐすん、ぐすん」
「うん、多分ね。俺と指が触れてから、表情が変わったんだよね。フェロモンも出てる。、、、意識は、飛び飛びだけど、、、あるのかな?」
隣に座った、ラーラの腰に、手を回して、俺の体に、寄り掛からせる。
すると、コテンと、体を預けて、抱きついて来た。
おや?気合いを入れて、口説こうと思ったのに、あっという間に、落ちてしまった。
「ちぇっ、何だよ。アーロンばっかり。」
「この子の発情香は、薄くて、分かりづらいな?でも、早く人が居ない場所に、行った方が良い。アーロン、騎士団の自室にするか?学園の宿泊室にするか?どうする?」
「もちろん、俺の自室だよ。イル、ジュリアス陛下に連絡を、『番と出会ったので、暫く自室に籠ります。呼び出すな。』と頼む。」
「ほーい、分かったよ。他は?」
「俺が、籠った後の、夜会を頼む。エル、俺の部屋まで、護衛をしてくれるか?」
「分かった。」
大切なオメガが、発情しているんだ。周りのアルファが襲って来たら、面倒くさいからな。
絶対に守り抜く。
ラーラを抱き上げ、自室に移動した。
そこからの3日間は、自室でラーラの全てを教えてもらった。
「ねぇ、ラーラ 気持ちいい?」
「 うん、きもち いい もっと もっとする 」
「ふふふ、もっと?」
「 うん もっとぉ 」
「かぁわいい~。分かってるよ。大丈夫。もっとね。それで、顔を隠す為に、守りの付いたローブを、いつも着ているんだね?」
「 うん はぁ、はぁ、はぁ 」
「今は、トレーダーズコーストの、夕凪通りで、魔法薬を売っているんだね。」
「 ふひ、ん、ん、そう 」
「最近、武器屋が、急に引っ越したのは、ラーラのお店が、入ったからかぁ。なるほどね、あの惚れ症、不動産のボンボンめ。」
発情で、朦朧としていた、ラーラだったけど、まぁ、大体聞き出せたかな。
出身地、両親の名前、実家の場所、今住んでいる、トレーダーズコーストの場所。
チェストの奥に、誰にも知られたく無い、秘密を隠している事と、学園のロッカーの暗証番号まで、教えてくれた。
「あぁ、可愛いな。ラーラ、結婚しようか?番の契約は…出来ないかぁ。首に守りのリボンを巻いてるの?ふふ、すごい過保護だね。君のお兄さん、レオナルドさんは。」
「う、うん あぁ ゔん」
「ふふふ、発情終わっても、覚えててよ?」
「う、ん はぁ、はぁ、はぁ、おぼえてりゅ」
可愛い番が見つかった。絶対に誰にも渡さない。
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