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20 ガッロライスの朝ごはん
僕は、本当に、なんて事をしてしまったんだ。
初めての発情が来てしまったら、人生計画が崩れてしまうのに。
意識が途切れ途切れになってると、気付いた時に直ぐに家に帰れば良かったのに……出来なかった。
僕が見つけた、性転換をしたオメガの少年の手記では、ファーストヒートが来る前に、ベータの年齢の近い数人の少年から、血液提供を受け、血液を入れ替えたみたいなんだ。
血液を入れ替えながら、頸にオメガ封印の呪いをかけた様なんだよね……。ここまでは、分かっているんだ。
まだ、この呪いの詳しい事は分からないんだけどね。
それに、何より、鬼のアーロン隊長を3日間も僕の発情に付き合わせてしまった事が、とても心苦しかった。
あぁ~どうしよう……。
しかも、この人の事、全然知らないんだよ、僕……。
発情して交尾してしまった事が悔やまれる。ファーストヒートの後、反省が、次から次へと、頭をよぎる。
匂いも声も顔も、好きだけど……。大好きなんだけど……。僕はオメガを辞めたいんだよ。
アーロンとは、ベータになってから、会いたかったなぁ……。
この、心地よさを、失いたくは無いけれども、メンタル弱々な、僕には、コピアーナ王国の、重職に就く、アーロンを、独り占めする事は、恐れ多くて、出来ないんだよ。
いつもよりも、ボウっとした頭で、料理を続ける。
ギガントガッロのひき肉に、月夜のねぎと、チクチク青唐辛子を混ぜて炒める。
「それ、取って?」
「これ?ーーーはい。」
それを、温めたライスの上に乗せる。
更に、カラフルチュリアーの、卵の目玉焼きをのせる。
ガッロライスの出来上がりだ。仕上げに人喰いミントを刻んでのせる。
「このフルーツ、カットする?」
「うん、小さめのカットが好き。」
「分かった、小さめね。」
忙し人参と、黒トカゲのコンソメのスープも作ろう。
忙しい人参が、逃げない様に注意しながら、ミキサーにかける。
お皿に、アーロンの切ったフルーツと、ガッロライスを乗せて、スープを付ければ、あっという間に完成だ。
「出来ましたよ。座りましょう?発情期に付き合ってくれてありがとうございました。アーロン隊長。体力回復の食材を使った料理だよ。」
「うまそう。良い匂いだなぁ、西コルヌ料理だな。頂きます。」
アーロン隊長と、2人で朝食を食べる。
「うっまぁ。ありがとう、ラーラ。」
「ガッロライスだよ。簡単で、おいしいでしょ?簡単な料理で、お礼って変かなぁ、、、?」
「お礼?発情期を一緒に過ごす事にか?」
なぜか、料理を頬張るアーロン隊長の膝の上に乗せられていた。
「変な言い回しだな、、、?発情中の事、覚えてないんだろ?始めから話すからな。俺はアーロンだ。役職は要らない。アーロンと呼べ。年は君の二つ上だ、、、」
近過ぎて、食べづらいよぉ、、、。
「実家は、王宮の横の中央通りにある、緑色の屋根の家だ。母が、先王の妹で、ジュリアスは、従兄弟だ。兄弟はいない。両親は、ジュリアスのところの親と、一緒にリゾート地で、バカンス中だ。」
はぁ???
やんごとなき、ご身分の方なの?
ぼく、高貴な身分の人を、フェロモンで誘った、強制エッチィ罪とかに、なる?
やだぁ。どうしよう。パニックだぁ~。
『夜会を早めに切り上げ罪』と『強制エッチィ罪』2つ合わせて、懲役何年になるの???
「家柄は関係ない。この国はもう直ぐ、王制を廃して、共和国にする。俺は今も、これからも、一般市民だ。」
目まぐるしく進歩する、コピアーナ王国の未来は、本当にすぐにでも、変わりそうだけどね、、、。一般人ではない、と、思うんだよね。
それにしても、アーロンは僕の心、分かるのかなぁ?
「今は騎士団の寮に住んでいる。が、番が出来たから、2人で住む家を見つけよう。どこが良いか、、、考えておいてくれ。あぁー、この国には、まだ来たばかりだから、分からないか?2人で色々な街を見て回るのも良いな。」
え?番になるの?
「おい、番になるのか?って顔だな?」
「ひーーーっ」
目力が凄いよぉ。心読んでるよね?怖いよぉ。
「俺は、絶対に、お前を逃がさない。地の果てまでも、追いかけるからな。ラーラ。覚悟しておけ。」
「に、に、に、逃げないよぉ。でも、僕、番う事は、人生計画に、入れていなかったから、どうしていいか、分からないんだよ。」
「あーー?何が、逃げないよ、だ。今、逃げただろ。人生計画?なんだそれは。」
「えーっと、う~ん、、、どうやって、魔力も腕力も弱々で、生きていこうか、という計画なんだ。両国で、僕にも出来る魔術を学び、どちらかの国で、お店を出そうと、思っていたんだよ。」
魔力弱々で、どうやって生活するのか?しか考えていなかったから、番のいる生活なんて、どうしたら良いか、分からない。
今の生活で、いっぱい、いっぱい、なんだよ。
「コピアーナで、店は大盛況だな。学園にも通っている。計画通りだな。しかも、こんなに優しい、番まで見つかって、計画がグレードアップしたな。ラーラ。」
「ぷふ、『優しい』?みんな『鬼』の隊長って、言ってるよ。」
「当たり前だ。職業柄だ、仕方ない。本当の姿は、ラーラしか知らない。」
両手で、僕の頬を包み込む。
アーロンの親指が、僕の唇に触れた。
ドキドキと、心臓の音がうるさくなる。
「あ、うん。そう、、、だね?」
ごめんなさい。あまり覚えてなくて、、、
でも、そうだね。計画に、番と出会った事を加えて、もう一度練り直せば良いのかなぁ。
だとすると、性転換は、どうすれば良いのかなぁ?
この国で、魔獣が、発生している時に、アーロンを、僕の発情期に付き合わせてしまうの?
それだけは、何としても、避けたい。
でも、でも、でも、って、頭の中がぐるぐるし出した。脳内の許容量を既に超えている。
僕が、俯いて、手を膝の上で、もじもじしていると、
「ラーラ、首を噛ませろ。その首のリボンを外せ。」
と、アーロンが迫って来た。
「ええ?発情期終わったよ?なのに噛むの?」
「次の発情期まで、毎日、首を噛んでやる。俺以外の、誰とも番わせない。暫くは、お互いの家で、俺との生活に、慣れて貰おうか。」
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