メンタル弱めのΩの僕は、鬼畜『鬼』隊長とは番えません

ニア。

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25 魔獣と、性転換の真実


 満足気に、アーロンが、笑顔で、ユニコーンに、乗って来た。

 「帰るか、ラーラ。」


 そのまま、トレーダーズコーストの、僕のお部屋を目指す。


 「この後、仲直りだな?」
 

 「ーーーうん。」
 
 この後の事を考えると、心がソワソワしてしまう。どうしよう、、、。



 僕は、手綱を引くアーロンの胸に、顔を埋めて、心を落ち着ける。

 不思議なんだけど、今まで持っていた、どのお守りよりも、心が落ち着いたんだ。



 「僕、魔獣って、もっともっと、怖い物だと思っていた。」


 お父さんもお母さんも、危ないから、ウィッチバレーから出たら駄目だって、言ってたからね。

 「まあ、俺、1人で倒せない魔獣はスプリン大陸には、いないな。」

 「え?お兄ちゃんが、魔獣討伐の加勢に行った事があったでしょ?」

 「あーーー。あったな。」

 「手強い魔獣に手を焼いていたんでしょ?」

 「いいや?倒したイノシシの魔獣の肉で、宴が始まってしまったから、帰れなかったんだ。」

 「えぇ?」

 「レオナルド殿が、宴を止めてくれなければ、あと、4~5日は、あの森で、飲めや歌えの、大騒ぎだっただろうな。」

 「は???思ってたのと、違ぁぁぁう。」

  「あの日は、ゾネのヤツが、うっかり、モンブラーノ山脈の岩塩を持っていて、イルとエルが、たまたま、酒樽を持っていたのが、まずかったな、、、。ネスが、巨大な『絶叫・レモン』の木を見つけたのも、不運だったか、、、。」

 アーロンが、遠い目をしていた。

 「絶叫・レモン」は、発見者が、あまりの酸味に、「ぎゃーお」と叫んだ事が由来の、うま酸っぱさが魅惑のレモンだね。

 でもね、ついうっかり、魔物討伐に、岩塩や、酒樽を持って行くものなの???



 その時の事を、思い出したのか、アーロンの眉間に皺が寄る。

 「イノシシ魔獣を丸焼きにして、岩塩とレモンを掛けて、酒と食うと、止まらねーのな。誰一人、宴を止めれなかった。今度、家で食おうな。」

 何だ、それは。討伐よりも、宴に手を焼いていたのか、、、。


 「あれ?ゾネ?ゾネって、魔術科のAクラスの?騎士団の討伐部隊に居るの?」

 「何だ?どうして、ゾネを知ってる?」

 アーロンの目つきが鋭くなる。

 「あ、えっと、友達の婚約者なんだ。」
 
 「あぁ、そういう事か、、、。騎士団には、魔術科も、騎士科も、一般教養学科のヤツも居るぞ。」


 「そうなんだ。騎士科の人が将来、騎士団に入って、魔術科の人が将来、魔術省に入るものだと思ってた。」

 コピアーナ王国では、一つの職場に色々な人が集まるんだね、、、。


 もしかして、ニコロが騎士の文句を言ったのは、ヤキモチかもね。

 ゾネを長時間取られて、怒っただけかも知れないね。

 ふふふ、可愛いね。ニコロ。

 



 その後、無事に、部屋に帰り、仲直りをした僕達は、一緒に暮らす事にしたんだ。

 発情期明けの、お仕置き付き、仲直りは、中々ハードだったよ。数日間、僕は、へろへろだった。


 あんなに、性転換の術を探していたのに、今はね、アーロンに押し切られて、オメガでも良いかな?って、思ってるんだ。


 この前、アーロンに、性転換した人の手記を見せたんだ。そうしたら、、、

 「コレは手記では無く、物語だ。最古の『ニヤマル国物語』の一部の様だな。」

 「ええっ?物語なの?」

 「俺も、この章は、初めて、読んだなぁ、、、。原本かもな、、、。」

 「はうぅ!ウィッチバレーから、持ち出して来ちゃったよぉぉ。」

 どうやら、コピアーナ王国の、昔話らしい。すぐに、ウィッチバレーに有る、中央文献書館に戻しに行ったんだ。

 そっかぁ、無いんだね、、、。でも、もう、無くても良いや。




 それにね、僕の魔力量でも、魔力の出し方を工夫したら、おばばから習った魔法が、色々使える様になったんだ。

 

 西コルヌ王国の、古代から続く魔法を、おばばから習い、コピアーナ王国の、新しい魔法を習っている僕は、何気に魔術科で、無双状態になって来たんだよ。ふふふ。

 この前、学園で、魔術省の役人さんから、声を掛けられたんだ。

 「ラーラさん、是非、コピアーナ王国に残り、魔術省に入省して下さい。コピアーナ王国の更なる発展に、お力をお貸し下さい。ーーーそれと、娘が、貴方の占い屋の、常連なんですよ?」

 と、言われ、びっくりした。


 「え?あ、ま、魔術、省?常連??あ、ありがとうございま、す、、、?」

 ひゃーーーっ!なんて言えば良いのかなぁ?

 僕は嬉しくて、びっくりし過ぎて、その場を、逃げ出してしまった。


 照れと驚きで、言葉が出ずに焦った結果だったんだ、けどね、5歩目に、担任の先生に、捕まったんだ。


 「待ちなさい。ラーラ。かわいい森の子リスちゃん。」

 「ふぁ?」

 口より先に、魔法の蔦が追いかけ来て、グルグル巻きにされたからね。

 役人さんも、びっくりしてたなぁ、、、。


 僕ってば、逃げ癖が無くならないんだよね、、、。

 動転すると、時間稼ぎに、逃げちゃいたくなるんだ。


 「ラーラさん、返事は、すぐ出来なくても、良いんですよ。」

 「ーーーはい。家族と相談してから、決めます、、、。」

 魔術省の役人さんは、困った顔を、一瞬見せたけど、笑顔で、頷いてくれたんだ。

 「はい、良い回答ですね。焦らなくても、直ぐに返事が出なくても、良いですからね。」


 担任の先生は、蔦でグルグル巻きの僕の頬を、ツンツンと突いてきた。


 「ラーラさんの作ったまじないのかかった、アクセサリーは、本当に優秀でしたよ。」

 先生の耳には、キラリと光る、スノーウルフの牙と、魔石で作ったピアスが着いていた。

 たしか、一対で、番向けに作った、想いが、お互いに、伝わる様に、まじないを、かけた物だった。

 「番って10数年、初めて、あんなに情熱的な、アイツを見ましたよ。あんな場所で、したがるなんてねぇ、、、ふふふ」

 そんな、変なまじないを、かけた覚えは、有りません。

 それよりも、早く蔦を解いて下さい。




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