メンタル弱めのΩの僕は、鬼畜『鬼』隊長とは番えません

ニア。

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27 新薬成功



 今、思えば、その日は、朝から体調がおかしかった。

 けれど、前日の夜に新薬の開発に成功した僕は、興奮していて、ぼーっと霞む頭のまま登校していた。

 どうにか授業に出ていたが、授業の内容が、ちっとも頭に入ってこなかった。


 なぜなら、昨晩、僕は『正直薬』の製造に成功してしまったのだ。

 その名の通り、飲んだ人は、数分間、嘘偽りの無い、本心を口にしてしまう。

 本当はおばば直伝の『愛の告白薬』を作っていたんだけどね、、、。

 恥ずかしがらずに、愛の言葉を告げられる、魔法薬のつもりだったんだ。

 お店に来るお嬢さんたちの悩みを解消しようとしたんだけど、、、。

 コレは、、、危ない薬だぁ。どうしよう。


 もしも、店頭に並べてしまって、お客さんが告白薬だと、バレない様に、意中のお相手と、一緒に薬を飲んでーーー、

 「お付き合いして下さい。背が低いけど、年収が好きです。」

 「膝が黒ずんでますねー。けど、胸が大きいから、良いですよ!」

 なんて事になったら、大惨事だったよね?

 え?あれ?平気なの?意外と平気なのかなぁ?


 お薬の製造は、上手くいったと思ったけど、、、少し違ったんだね、、、。

 (違っても、良かったのだけど。)

 僕の魔力の出し方が、作用したのかな?実験マウス達が、次々に忖度のない、本音を、ぶっちゃけ出したんだ。

 「餌少ないチュウ」

 「りんご無いチュウ」

 「食う、寝る、ヤル、チュウ」


 「ーーーおや???好きな人に、告白したく、なって無いの?マウスさん。愛の言葉は出てこない?」


 「いや?別に?チュウ。」

 「あるじいつもなら、この時間は、『ベッドに行くぞ服を脱げ』って言われている時間だチュウ?」

 「きゃーーー。君たち、そんな所、見ていたの?」

 「本当の事、指摘したら、ダメだチュウ。」

 「そうそう、人にはね、触れられたくない事があるんだチュウ。」

 「チェストの奥の、貞操帯を履かされて、写真を撮られた事は、内緒なのでチュウ?」

 「『もうらめ~、もうらめぇ。』って、毎晩言っている事は、内緒でチュウ。」

 「そ、そ、そんな事、言って無いもん!」


 その日のうちに、実験マウスのお部屋は、寝室から遠い、屋根裏に移動しました。

 自動給餌器付きなので、虐待ではありません。


 「正直マウス達は引っ越しかい?」

 「きゃぁ~!聞いてたの?しょ、正直じゃないもん。」

 その後、すぐに、アーロンにベットに連れて行かれてさぁ、、、

 僕は、明け方まで、瀕死の状態で喘いでいたんだ。

 「アーロン、もうらめぇ~。」

 ってね。


 あの薬は、きっと、『告白薬』の、亜種だ。

 本心を口にしてしまう、告白薬なんだ。
自白薬かなぁ?よし、名前は、『正直薬』だ。

 取り扱い注意の、劇薬扱いにしょう。

 もう、興奮が止まらなかった。アーロンからの刺激と、新薬の成功と、きっと、発情期も近かった所為だね。




 休み時間に、相変わらず、やって来るジュリアス陛下を、何故か今日は、見たくない気分だった。


 ソワソワ、イライラ、ムカムカ、そんな落ち着かない気持ちだったんだ。

 シンプルに眠気もあったしねぇ、、、。


 「ニコロ~僕、、、次の休み時間は、、、、南側の雑木林に、、、行ってくるよ。」

 「何しに行くの?僕も一緒に行かせて?」


 「一緒に行ってくれるの?、、、嬉しい。、、、闇夜茸って知ってる?僕は、、、薬の材料にするんだけど、、、ソレの収穫だよ。、、、この国では、材料として、、、使わないの~?」

 「闇夜茸?う~ん。僕が知らないだけかも、、、。初めて聞いた。教えてくれる?ラーラ?」


 「うん、当たり前だよニコロぉ。じゃあ、、、授業の終わりの鐘がなったら、、、直ぐ、、、教室を出ようね。」

 「うふふ、うん。」




 ジュリアス陛下から逃げ、闇夜茸の収穫に出る、僕とニコロ。


 学園の南側の雑木林では、たくさんの闇夜茸が群生していた。


 「光ったまま、、、収穫して、日光で乾かし、頭痛薬、吐き気止め、オメガの発情止めの材料に、、、なるんだ。」

 「この茸かぁ。この国では、光茸だよ。たまに、鍋料理に入っているよ。でも、光ったまま収穫が出来るの?」


 「コツがあってね、、、」

 「うんうん」


 だけど、ニコロに説明をして、2人で収穫を始めてすぐに、僕は意識が混濁していった。



 闇夜茸そっちのけで、アーロンのフェロモンが恋しくて、フラフラ歩き出していた。

 「ラーラ?大丈夫?やっぱり発情期だよね?」

 「んーー。」


 「あれ?どこ行くの?」

 「、、、アーロンの所、、、」

 「ラーラ?発情止めの薬は飲んでる?フェロモン出てるみたいだよ?」


 「フェロモン、、、?欲しいなぁ」


 無意識に、フラフラした足取りで、騎士科の3年の教室を目指していた。


 
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