メンタル弱めのΩの僕は、鬼畜『鬼』隊長とは番えません

ニア。

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35 ラーラの冒険

  


 僕は安定期に入ってから、学校の合間に、アーロンと何度も冒険の旅に出たんだ。

 小さな頃からの夢が、叶ったんだよ。

 危険(?)を伴う冒険の旅に出てるんだって思うと、ドキドキが止まらなくなる。

 野営はせずに、毎回、夜は、宿に泊まって、のんびりとした、短めの冒険(旅?)だったけど、初めての事ばかりの僕には、刺激が強かったんだ。

 知らない街の早朝の空気、夜遅くまでの移動、その全てが心地好かった。


 ずっと見たかった、ペチャクチャンのいる湖にも行った。

 「いらっしゃいませ。シャイニー湖へようこそ。」

 大きな魚が、出迎えてくれる。

 「観光は湖底トンネルへどうぞ。」

 随分と礼儀正しい魚ちゃん達がいた、、、。

 「こんなにお行儀がいい魚なんだ…。思ってたのと、ちょっと違うぅ…。」

 「そうだな、もっと凶暴で攻撃的だったような…?」

 湖底トンネルから、シャイニー・パレント・クリスタルが、育つ様子を見て、魚ちゃん達と、写真を撮って、帰ってきたんだ。

 う~ん…冒険?———これって、観光かなぁ?



 発見されたばかりのレオナルド大陸の人々の生活も、ドキドキしながら見に行った。

 「アーロン、何持っていこう?アメニティ?おやつ?食料や飲み物は、どこで手に入るかな?」

 「ラーラ、宿に泊まるから、そんなに持たなくても大丈夫だぞ?魔獣討伐は、するから、素材を持ち帰る為の、カバンだけでも、十分じゅうぶんだ。」

 「え?だって、新大陸でしょ?未開の土地でしょ?」

 「、、、とにかく、宿で、何でも揃うから、荷物は、そんなに要らないぞ。」

 「うん、、、?」

 レオナルド大陸に、到着して、すぐに分かったんだ。ここの人達、僕たちと、変わらない生活をしていたんだ。

 月桂樹の葉っぱ4枚のマークで、お馴染みの、有名スポーツブランドの、ロゴが入ったTシャツを着た人々が、プロテインをシェーカーから飲んでいた。

 「え…???い、意外!」

 お腹の筋肉が、板チョコの様に割れた住民と、楽しそうに、アーロンが話し込んでいたのが、印象的だったなぁ…。

 「思っていたのと、全然、違ぁ~う。」

 「そうか?ラーラは、どんなのを想像したんだ?」

 「もっと、未開で、原始的な、ワイルドな生活だと思ってたんだよぉぉぉ。裸足で、弓矢を持った人は、ここには、いないの?」

 「現実は、こんなもんだな。文明化の波は、速いな。」


 それにね、レオナルド大陸のお宿は、とても快適でした。

 アーロンと入った露天風呂は、刺激が強すぎたけど、とても、気持ちが良かったんだ。

 (変な意味じゃ、ないよ?あれ?変な意味だっけ?記憶が、曖昧だぁ、、、)



 それからね、アーロンおすすめの、崖に家を作って暮らす、小人の国にも、行ったんだ。

 全てが、小さなサイズで、出来ていて、可愛かったぁ~。

 小さな家に、小さな家具。小さな畑と、小さな農機具。小さな洋服と、小さな靴。

 かぁ~わぁ~いいーーー♡

 でもね、この国の人達は、座ってもてなすのが、マナー違反と言う考え方なので、立ったまま、接待を受けたんだ。

 (す、座りたいぃ~。)

 そんな、小人達の、崖の家々には、アーロンと、エルとイルの肖像画が飾られていた。

 僕たちが行くと、国を挙げての大歓迎の祝宴が始まったんだ。

 小人達が、たくさんの刺繍をあしらった民族衣装を着て、次々と、アーロンと、僕に、花びらをかけてくる。

 「な、何があったの???」

 「この崖のそばで、ドラゴンを退治したら、この国の英雄になったんだ。神扱いか?まだ、学園に入学する前は、3人でよく、武者修行に出ていたんだ。」

 「こんなに遠くまで?子供だけで来たの?」


 「ああ、そうだな。あの時は、三日三晩、立ちっぱなしで、もてなされた、、、。番が出来たら、見せに来る約束をしたんだ。次は、子供が生まれたら、見せにこような。」


 「ドラゴンを倒した後での、三日三晩?」


 寝る時も、立ったまま眠るとか、、、。

 僕には無理なので、直ぐに、お暇させていただく。

 「ありがとう、また来るね。」

 「ドラゴンがまた出たら、連絡をくれ。直ぐに駆け付けるからな。」

 小人達は、小さな手を振って、お見送りしてくれたんだ。
 



 旅にでると、毎回、あっという間に常識が覆されるんだ。

 ウィッチバレーの森しか、知らなかった僕は、何もかもが、新鮮だった。


 そうして過ごす、アーロンと僕の、妊娠中の日々は、毎日毎日が、充実していたんだ。




 それにね、スプリン大陸から、南東方向にある、オーターム島にいる、アーロンの両親にも、会いに行ってきたんだ。

 花と風車の街で、のんびりバケーション中の、ご両親は、とても気さくで、緊張して会いに行ったのに、拍子抜けするくらいだった。


 「は、はじめまして、ラーラと申しま、しま、ふ」


 僕は、緊張のあまり、舌まで噛んでしまった。


 僕は、なんて、ダメダメなんだ。








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